大事なおススメ本でありながら、しばらく版元品切れで入手できなかった本が
ようやく重版され入荷ました。
ようやく重版され入荷ました。
結局、こどもの問題の大半は、
大人が問題で、
しかも、大人の問題です。
子ともの現場で起きている問題と同じ問題が、
ほんとうは大人の現場でも起きており、
大人の問題と子どもの問題は同時並行で世の中では進行しています。
大人の問題に向き合えず、解決できていない問題が、
そのまま子どもの社会でも起こり、
それに答えられない大人、
向き合おうとしない大人がいます。
そんな現実にまた新しい始点から問いかける素晴らしい1冊が刊行されたので、
フェアとしてまとめてみました。
その1冊とは、
です。
こちらの本も、売りたい本でありながら、
なかなか十分な数を仕入れることが出来なかった1冊です。
この2冊を通じて見えてくるのは、
教師であれ、親であれ、友だちであれ、
問題に直面している子どもたちが求めているのは、
問題に対する「答え」ではないということです。
また親であれ、教師であれ、
課題に直面している子どもに対して、
常にその答えを持っているとは限らないということです。
そこをつい親や教師はごまかしてしまいます。
そこをごまかすことなく、子どもと一緒になって考えるというのは、
とても難しいことだからです。
その難しいことから逃げて
社会の枠、学校の枠に押し込めてしまう大人たち
早世の画家・石田徹也(1973~2005)の作品「囚人」より(部分)
もう一度考えてみてください。
子どもたちに「いじめ」はいけないと教えている大人たちが、
その大人たちの職場や地域で
自分の隣人が「いじめ」や「差別」に直面した現場に居合わせたら、
子どもとは違うどのような行動が取れるでしょうか。
大人自身が容易には解決できない問題が
「親」や「教師」という立場になった途端に
問題に向き合うことを避けたまま
単純な答えを押し付けて誤魔化してはいないでしょうか。
たしかに目の前のそうした問題に対処することは
とても難しくやっかいなことばかりです。
でもそれらの課題に向き合うことこそが
教科書で多くのものを学ぶよりもずっと大切なことです。
すぐに答えは見えなくても
子どもと一緒になって考える力が何よりも必要なことではないかと
これらの本を見ると気付かされます。
私たち大人に求められていることは何なのか
そんなことを考えることができたらと思い
このフェアを企画してみました。
以上、ブログ「正林堂 本の気休め」掲載文を加筆転載しました。
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