どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

世紀の大発見

2012-07-08 13:53:13 | インポート
こんなタイトルだとヒッグス粒子の事だろうと思う。確かにこの粒子の発見は最重要だ。なにしろ宇宙の年齢が解るかもしれないのだ。
この陰に隠れて、東京大学で植物の葉と根を分ける遺伝子が発見された。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120702/k10013252571000.html

本来植物は根だけであり、それに3つの遺伝子が関与して根を葉に変えていたのだ。更に葉を花にかえるフロリゲン遺伝子が最近発見されていた。
この意味は、あまりにも大きい。単純なバクテリアから藻類へ変化し、そこから陸生植物へ変化する際のミッシングリングの発見なのだ。
水中でバクテリアが集まって共生態を作り、そこから更に栄養を分配するシステムを作りそこから藻類が生まれ(根と葉が不明瞭な状態)、根と葉が分離する過程(海草類みたいに根は岩とかに固着する役割しか無い)、ここが発見されたのだ。
なお植物の細胞は動物と比べるととても不思議な性質を持っている。すべての細胞はすべての器官に置き換われるのだ。例えばニンジンやタンポポの根を適切に培養すれば葉が出来る。動物だと筋肉から骨が生まれる事は無い。またすべての細胞が根と同じように、水分や栄養分を吸収できる。逆に根は呼吸している。これは藻類だった時代からの名残なのだろう。水中で生活していた時には、植物体全体での水分や栄養分の分配があまり重要ではなかったからだ。成長点にだけ栄養が送れればいい、そういった所だ。
たとえ根だけであったとしても葉緑素さえ作れて、栄養と酸素がある所ならば根のまま成長しても全く不都合ではない。それは藻類と同じ事になる。
さて次に期待されるのは、根から栄養を送り合う管の形成に関わる遺伝子だ。師管とか維管とかだ。これがあるから葉で作られたエネルギーを成長点に運んだり根から吸収した栄養を葉に送れたりする。また重力に対して対抗できるようにしているのもこの管の役割だ。これにリグニンがくっつくと大きく成長できる樹になる。また物質での様々な情報をやり取りできているのも、この管があるおかげだ。この管があるからこそ、植物と言う多細胞が秩序だったシステムとして目の前にある訳だ。
これを決定する遺伝子を発見すれば、水生植物から陸生植物に変化できた、まだ未解明な事実が判明するだろう。
今回の発見は、明らかにここに近づいている。すごい発見なのだ。