５月第２日曜日

５月第２日曜日になると、なぜかイオンが混む。どの程度かといえばゴールデンウイークの前半並だ。この理由はよくわからなかったが、昨日気がついた。母の日だからだ。

プレゼントだったら土曜日に買えば良いし、カーネーションだったら当日花屋に買いに行けば良い。確かにイオンでは「母の日似顔絵展」をやっている。出展した子供がいればそれを見に行く家族もいるのだろう。
しかしなぜイオンなんだ、と言うのが疑問だ。もちろんイオンだけではなく街も混んでいると思う。私が疑問なのは、過去の母の日と様相が違うと言う事だ。

３０年前の母の日と言えば、割とひっそりしたものだった。確かに世の中の母たちは、プレゼントを欲しがっていた。でも実際は、こどもから貰うそのプレゼントは結局は自分の財布から出たものだし、後から特別おこずかいをねだられる危険性もある。ゴールデンウイークで散財したこともあり、家でゆっくりしていたいと言うのが過去の母の日だった。じっさいゴールデンウイークで外出とかさんざんしているので家事がたまっている。そういった所が地味な日になっていた。

昨日ラジオニュースを聞いていたら、インタビューに答えた人が「今日はごちそうを食べます」と答えていた。その時合点がいった。今時の母の日は、「母が主役」の日なのだ。


もちろん主役だからといって我がまま放題は出来ない。最上級の母の日の過ごし方は、少し遠くの割烹温泉旅館で全く家事をせずに土曜日から過ごす事だが、帰ってからの事を考えれば気が重い。子供の事もある。お金がかかった割には楽しめない。そこで日常の延長で、イオンなのかと気がついた。

買い物の日なのだ。一家で買い物に行ってランチを食べて、晩ご飯の食材を買って帰るだけだ。ただちよっと高めの買い物をするだけだ。このちょっと高めが大きい。この日にあわせて「母の日スイーツ」なんか売り出したりしている。限定でかなりおいしそうだ。それだけではない。「母の日総菜コーナー」があったりする。

さて今時の母の日は。「母が主役」といった。これは我がままが出来る日でもある。だから好きな買い物をしつつ、家事は手抜きをしてゴージャスを目指す日でもある。今日は母の日だから文句言うな、そういった日でもある。
とはいえイオンと言うのはかなり妥協していると思う。そこが「母」の限界なのだろう。

結局子供に振り回されるのがオチと解っている。プチ・ゴージャスでしかない。だがそれでも母は良い。父は？扶養義務があるから、感謝される事も我がままする事も出来ない。

ああ、男は元々我がままだから特別に我がままな日は作らない方が良いのか。父の日は、娘が父におねだりをする切っ掛けを作る日として、昔っから変わっていないように感じる。６月第三日曜日は、特にどこも混まない日だ。