昨年岩手大学農学部の植物園で突然ムラサキケマンの大群落が出来た。あまりにも壮大な群落だったので今年はどうなのだろうか。
なんと全くありません。わずかに花を咲かせている個体がありますが、昨年に比べれば無いに等しいレベルです。
なぜこうなったのでしょうか。これはムラサキケマンの特性にありそうです。昨年咲いた花から種がこぼれて、割と早く発芽しますが、一旦枯れて根茎を作ります。それが秋に発芽して成長し、春に花を咲かせます。
つまり顕著な隔年現象が起きる植物だと言う事です。ただ野生植物の種子は、大抵発芽にむらがあるもので、今年の種が今年発芽するとは限りません。来年かもしれないし再来年かもしれません。古い群落になればそういった個体が混じって、安定的に花があるようになるはずなのですが、ここまで全くないと言う事はかなり新しい群落だったと思われます。
草刈り等の要因も考えましたが、多分それよりも隔年現象の方が大きく働いていると思います。もしかすると来年度、更に凄い群落が見られるかもしれません。
とはいえこの花、ほぼ雑草扱いなのですが。ウスバシロチョウの食草でも知られています。この蝶の生態も、幼虫の摩訶不思議な休眠があって謎なのですが、その辺り含めて来年見ると面白いかもしれません。