お昼過ぎに台風が通り過ぎた。しかし変わった台風だった。東北に近ずくほどに弱くなるものだが、発達し続け952ヘクトパスカルまで発達して、温帯低気圧に変わった。確かに台風とは駆動する原理が違うのだろうが、こんな低気圧って滅多にない。知り合いのりんご園は被害がなかったようだ。
サンマ不漁は中国の乱獲とも言われているが、東北沖の水温が高いというのも今回で証明されたようなものだ。それで不漁というのはある。
今日は1日家に引きこもっていた。音楽ばかり聞いていたのだ。そう、例のアンプのせいだ。だが聴けば聴くほど、ブルーになってゆく。良すぎるのだ。前にシステムをミニコンポより少し良くした時に、人生損をしたと思っていた。だが大損をしていたと気がつかされる。しかも3万円にだぞ。3万ならなんとかなったかもしれない。とはいえ世の中にそんなとんでもないものがあるとは思えなかった。
ただ以前から疑問だったハイレゾ音源だが、全然良くないのだ。原因はなんとなくわかっている。規格が間違っているのだ。欲張りすぎたのだ。このアンプは10Hz~50kHzまでー1.5dBという超フラットな特性を持っている。だから出ないわけではない。スピーカーも出るスペックを持っている。だが聞こえない高域まで欲張った結果、味が薄いのだ。これは痛いほど良くわかった。
とはいえオーディオに金かけすぎて、へたすりゃ1000万以上パアにしている人よりはマトモだろう。
だがそのような機材を手に入れたとしてもそれを生かせれるのか?そう、私はそう考える悪い癖がある。レンズだってそうだ。今現在使いやすく最高の布陣にした。だがそれを使いこなしているとは言い切れない。むしろシャッターとフレーミングの方がよっぽど重要だ。だから最小限度の機材の方が逆にクリエイティブであるとすら考えている。だが仕事としてはそのようなストイックな姿勢ではなく華やかな多様性の方が喜ばれるのも事実だ。
三万円だがオソロシイアンプを生かしきってはいない。以外とティアックの1本2万のところ2本で2万円セールのスピーカーがかなり優秀だというのがわかったが、まあ自宅録音のアマチュアミュージシャン用だと思うのでそれなりのものなのだとは思っていたが、かなり優秀だ。だがスピーカーが鳴っているのではなく、アンプが鳴っているというニュアンスが強い。
取っ替え引っ替え音源を変えるたびに、気が滅入ってくる。録音の差を広げてしまう。どの程度に違うのか?今日NHKFMでN響のライブ中継があった。休憩時間に解説役のゲストとアナウンサーが会話するのだが、その時の音にどこかから強い反射があるというのがわかる。コンソールのガラスだ。だが最初と最後ではその反射は聞こえない。つまりマイク位置が違うのだ。もしくはカーテンがあるのかもしれない。
このやすっぽいスピーカーからそこまで絞り出すほどの能力がある。
新主席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィのベルリオーズ「幻想交響曲作品14」はすごかったな。ほんとすごい。多分スタンディングだったんじゃないのかな。熱狂、その一言だ。やっぱりパーヴォはすごい。N響からここまで音を引き出すのだ。演劇空間的な幻想だった。もうドラマ。そして熱狂的に盛り上がる最終楽章は、生中継事故起きまくりだったのだろう。つまり未だ嘗てないダイナミックレンジをN響から引き出してしまったのだ。音が潰れまくったのだ。そう放送だからそうなるのだ。リハーサルからは予測もできない音を引き出してしまうのだ。パーヴォはこれをやらかすのは何度めだろうか。
最初ティンパニーが壊れたかと思った。でもこれでは、パーヴォのチケットが全て売り切れるのは間違いない。何しろこの日本最高のオーケストラがロックのようにノリノリで前のめりで、寸分たがわず突進してくるのだぞ。
最高だ。完璧であることが必ずしも芸術ではないのだ。
今日1日で一番明るい話だ。