鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.131 (鶴岡市介護保険事業者連絡協議会)

2013-07-06 12:37:27 | 日記
昨日(7月5日)18:30~、にこ・ふるで鶴岡市介護保険事業者連絡協議会が行わ
れました。報告します。

本協議会の目的は、「介護保険事業者ネットワークを構築し、事業者間の情報交
換や研修会、共通課題の協議や研究により、サービスの質の向上を図るとともに、
介護保険制度の円滑な実施に寄与する」ことです。

本協議会の会長は、鶴岡地区医師会長のあて職です。

本協議会には、市内の介護保険関連の224事業者が参加しており、以下、10の部
会が設置され、それぞれが研修会、情報交換会、事例検討会などの活動を行って
います

・施設サービス事業者部会
・福祉用具貸与事業者部会
・居宅支援事業部会
・通所リハビリテーション事業者部会
・通所介護事業者部会
・訪問入浴部会
・訪問看護・訪問リハ部会
・小規模多機能型居宅介護事業所部会
・施設サービス事業者部会
・訪問介護事業者部会

昨日の総会では、副会長の選任(池幸園の佐藤佐保子さん)、24年度の事業報告、
25年度に事業計画につき、各支部会長からの報告があり、その他として、鶴岡市
の介護保険事業状況、地域密着型サービス基準条例・規則の制定について、それ
ぞれ市の健康福祉部長寿介護課から説明がありました。

総会後

東北公益文科大学 准教授 鎌田 剛 先生の

「ひとを育てる対話術~スーパービジョンのすすめ」

という講演がありました。

鎌田先生は東北公益文科大学で教鞭をとりながら、福祉分野の人材育成に携わっ
ているそうです。

スーパービジョン、知ってましたか?

スーパービジョン(SV)とは
 スーパーバイザー(指導する側)とスーバーバイジー(指導を受ける側)
 による「対話」を通じた相互のスキルアップ

のことで、人を育てるのは、対話にあるという話でした。

以下講義メモ

まずは、ひとはどうすれば育つのか?

 安心すれば育つ! のだそうです。
  安心すると、不安が減り、自信が増える
  プレッシャーのなかで力を発揮できるんは「安心感」があるから
  人は「安心」すると活躍できる

SVは、スキルアップを目的とした対話であり、
バイザー(上司)とバイジー(部下)がいい関係なら、バイジーは利用者ともい
い関係を結ぶことができる。要するに上司との部下の良好な関係は、仕事の成果
に大きな影響力がある

バイジーを安心させる基本条件
 ・話題の中心がいつもバイジーであること
 ・「xxさんとしてはどう思う?」バイザーの視点を聞いてあげる
 
バイジーを安心させる対話の方法

1、バイジーを支持する
 ねぎらう、最後までよく聴く、できていることを認める、共感し、
 勇気づける、ひとりではないことを伝える

2、バイジーのことを知る
 バイジーの価値観、思考・行動の特徴を理解して、どのように指導するば
 よいかを見極める
 その手順
 1)「話していいんだ」にスイッチを入れる

 2)第一印象(感想)を伝える (共感)

 3)整理整頓する
  4W1Hを使って客観的事実を整理する

 4)思い・考えにふれる
  話題の主観的事実を確認する
    
3、バイジーに教える
 教えられ方の理解度に個人差がある(例えば、口で伝えた方が伝わる人、
 文書の方が分かるという人、図解や写真を示した方が理解度があがるひとなど
 人はさまざまである。)
 すなわち、人にはそれぞれスキルアップの「鍵」があり、合わない鍵だと
 スキルアップへの扉が開かない
 そこで、バイザーはそれぞれのバイジーの固有の鍵を見つけ出し使う必要
 がある

人にはさまざまなタイプがある。
例として
視覚タイプの人は、
  自分の目で見て確かめる
  記録やメモに図、矢印を多用
という傾向がある

一方、聴覚タイプの人は
  話をよく聞く
  口頭の指示だけで伝わる
という傾向がある。

視覚タイプの鍵は
 実物・実際をみてもらう(例えば同行訪問)
 図、写真、動画で示す。
 手本をみせる。

聴覚タイプの鍵は
 話をして伝える
 「話をもらい、返答する」のキャッチボールを繰り返す

などなど、多くのタイプ(傾向)別に、鍵を教えてもらいました。

ーーーーーーーーーーーー

上司が部下を育てるための対話術、なかなかわれわれ医療者には聴くチャンスが
ない講義でなかなか面白かったです。人には多様性がある、それを見極めて、安
心感を与えつつ、一律な方法ではなく、個性に応じた対応が必要があるというこ
とを学習しました。

実践するとなると訓練、経験が必要になると思いますが、理論をまずは知ってお
くことは重要だと思います。

教えて頂いたノウハウは、上司部下の関係だけではなく、同僚、友人、夫婦、親
子などあるゆる人間関係についてもいえることなのでしょうね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする