鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.143 (ほたる多職種研修会)

2013-07-20 16:20:19 | 日記
昨晩(7月19日)、ほたる主催の本年度1回目の多職種研修会が行われました。

今回は、「地域に根ざした難病患者支援 ~在宅療養の継続を目指して~」

というお題で、愛媛病院 地域医療連携室(難病)、愛媛県難病医療連絡協議会
専門員、四国がんセンター 相談支援センター保健師という多彩な肩書をもつ、
生駒さんをお呼びして、講演を拝聴しました。

実は、生駒さんに声をかけて頂き、昨年10月、四国がんセンターで愛媛県難病医
療連絡協議会の研修会でNet4Uの講演してきました。その折、生駒さんに当地区
での講演をお願いしたのですが、日程調整ができず、今回やっと実現したもので
す。

先日の在宅医療を考える会でも、ALS患者のレスパイ先の確保が困難という
地域の課題が浮き彫りになっていましたが、神経難病患者を地域でどのように支
援していくのは、どの地域においても大きな課題だと認識しています。そのよう
ななか、生駒さんの講演はとてもタイムリな企画でした。

講演では、神経難病の患者さんを地域(おもに在宅)でどのように支えているか、
愛媛での取り組み~ネットワークづくりをメインに話を伺いました。

・病院での告知のときから、コディネータ、保健所保健師が関わる
・コーディネータ、保健所保健師が中心となりケアマネ、訪問看護師、訪問診療
 医などからなる多職種多事業所のチームで継続的に在宅療養を支える
・自宅訪問や地域病院での多職種チームカンファレンスを定期的に行う
・在宅を軸にレスパイ入院を繰り返しながら在宅療養生活を継続する
・拠点病院(愛媛病院)は40床をレスパイ先として確保している、
・亡くなったあとは、自宅訪問しチームでのグリーフケア →遺族・スタッフの
 フォローする

以上は、以上は病気の重軽はありますが、在宅医療全般にいえることだと思いま
す。

後半は、アロママッサージで癒し合いをしたあと、連携ネットワークづくりのコ
ツとポイントについて教わりました。在宅現場で働く、訪問看護師、福祉職など
にはとても参考になる名言の数々だったと思います。

・たとえ話上手に
 相手に必要なことだけ言える技能・感受性と技術をもつこと
 相手の気持ちを思い図る感性が大事
・八方美人は、いつか孤独になる
 自分だけいい子にならない
・何事にも興味を持つ、分からない時はまずは現場へ行く
 自分が送る患者さんがどんな所へ行ってどんな生活をするのか?
 興味を持つ、最後まで責任を持つ、
・「自己決定を待つ」
 期間を決めてタイミングを見計らりながら辛いことをじっと見守る
 その際、どう選択しても最期まで一緒にいることを伝える続ける

<コーディネート・アドバイズしていく上で気をつけること>
患者向け
・「できること」「できないこと」をはっきりする。
 「できるかもしれないこと」は、「今はできないということ」
 相手に無駄な期待をさせないことが本当の親切
 費用面のことは、最初からしっかり伝えておく
・厳しくとも「目先のことではなく、患者家族全体をとらえ、将来、本当の意味
 で患者さん家族のためになる」方向へ
 自己選択の補助
・怒り上手・ほめ上手になること!
・疲れている介護者を癒す力。場の空気を読む感性・余裕を
・「何があっても何を選んでも最後まで見放さない」との声掛け

スタッフ向け
・情報のお掃除上手・お皿回しを上手に
・パラサイト上手、甘え上手に
・相手の立場に立って「共感性」を育てる
・突然のアクシデントに強くなる:慌てない「待つ」心
 共に現場へ行き、空気と時間を共有し、話し合う
 「一緒に汗をかき、一緒に苦しみ、楽しんだ者」こそ
 「真の戦友」となり「人脈」になる
 そんな仲間をふやすことが、患者家族を、自分の仕事を、人生を豊かにする

生駒さんの機関銃のような話は、ときどく聞き取りにくいところもありましたが、
長年にわたる難病コーディネーターとしての経験に裏打ちさせれた、非常にリア
リティーのある内容でした。それにしても、彼女の姉御肌ぶり、歯に衣着せぬ話
し方、パワフルさは、大人しくも優しい東北人からみるとは異星人のようにもみ
えたかもしれません。

配布資料
http://www.evernote.com/shard/s44/sh/894b2e64-de85-43b8-bad2-9998942b8a96/e50b05e75015807af4c1798389bba499

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No.142 (救急災害対策マニュアル作成委員会)

2013-07-20 09:04:58 | 日記
昨晩(7月18日)19:00~、1回目の救急災害対策マニュアル作成委員会が行われ
ました。

この委員会は、以下の会長諮問に基づき設置されたものです。

「鶴岡地区医師会における災害時の対応マニュアルにつき諮問します。本年度末
を目途に答申いただけるよう、ご審議のほど、よろしくお願いします。」

昨晩は、第1回目ということもあり、他地域の医師会でのマニュアルの紹介があっ
たあと、どのようなかたちのマニュアルにすべきかフリーに意見を交わしました。

概ね以下の方向性で、まずはマニュアルのたたき台を作成することとなりました。

・3.11並みの大規模災害に対する対策とする
 (何をもって大規模するのかは今後の検討)
・本部の立ち上げ
 立ち上げの基準、場所、人員などの検討
・連絡方法の確立
・市の対策本部との連携
・荘内病院との連携

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No.141 (地域産業保健センター運営協議会)

2013-07-20 09:04:20 | 日記
今日(7月19日)13:30~、鶴岡地域産業保健センターの第1回運営協議会が行
われました。

協議会のメンバー:医師会(会長、局長)、庄内労働基準監督署長・安全衛生課
長、、鶴岡商工会議所会頭、鶴岡労働基準協会長、健康管理センター、鶴岡産業
保健センターコーディネータ

本協議会会長も、医師会長のあて職です。

鶴岡地域産業保健センターは、国(山形県労働局)の委託を受け、鶴岡地区医師
会に設置されています。労働者数50人未満の小規模事業場で働く方を対象として、
労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを無料で提供して
います。

事業者には、労働安全衛生法に基づく健康診断などの実施義務がありますが、小
規模事業場では、独自に医師を確保し、労働者に対する保健指導、健康相談など
の産業保健サービスを十分に提供することが困難な状況にあります。こういった
小規模事業場で働く方が、充実した産業保健サービスを受けられるように、都道
府県ごとに地域産業保健センターが設けられています(山形県では山形県医師会
が受託している)。

産業保健は、おもに労働者の健康管理、労働災害の防止からなります。

庄内地区の定期健康診断における有所見率は、24年度61.8%(県平均59.5%、全国
52.7%)で年々増加傾向にあります。また、労働災害も3年連続で増加しています
(とくに社会福祉施設では過去10年で2倍以上)。死亡災害も、長期的には減少
傾向も24年度は大幅に増加しました。

今日の会議で、表記の庄内地域の産業保健の概要説明のあと、平成24年度の事業
実績、決算報告、25年度の事業計画について説明がありました。

鶴岡地域産業保健センター事業の概要
・国からの交付額:4872724円
・健康相談窓口
 99回 1271人を指導
・個別訪問産業保健指導
 医師:13、 保健師:70
・産業保健情報提供
 406事業場 41増
・運営協議会
 協議会3回、計画会1回
・説明会
 5回
・協力産業医 56名
 登録事業所 406事業所(従業員 8473名)

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