16日、愛知県豊川市で行われた豊川脳神経疾患連携ネットワーク学術講演会で講
演してきました。
今回は、㈱ファイザーを介して講演依頼をいただきました。豊川地域でも、6年
ほどまえから豊川市民病院を中心に、豊川脳神経疾患連携ネットワークを立ち上
げ、脳卒中地域連携パスの運用など、地域の医療・介護連携に取り組んでいるそ
うです。その活動の一環として、年1回、今回ような講演会を企画しているとの
ことでした。今回は地域連携パスの先進地区から学びたいとのことでの依頼のよ
うです。
豊川市は、人口17万、中核病院は豊川市民病院一か所ということで、医療資源的
には、鶴岡と多少似たところがあるようです。しかし、医師会は従業員6名(だっ
たかな?)、健診や准看護学院などの事業は止めてしまったそうで、現在あまり
活発な活動はしていない様子でした。理事は無報酬、一度なってしまうと抜けら
れなくなり20年もやっているんだと、懇親会で立ち話しした副会長がこぼしてい
ました。なお、この副会長は山形大卒(6期生?)とのことで、卒後地元に帰って
きたとのことでした。
講演会の出席者は85名程度、医師会から10名程度の医師の参加があったようです
が、多くはリハスタッフや介護福祉系の人たちようでした。講演会はファイザー
が全面的に支援しているようです。
講演:1
「重症脳出血に対する内視鏡手術」
豊川市民病院 脳神経外科 渡邉隆之
講演:2
「高次脳機能障害者に関する基礎知識 ~情報共有の重要性~」
中部大学 生命健康科学部作業療法学科 助教 澤田康弘
の2題の講演のあと、特別講演として
「疾病管理を目指した脳卒中地域連携ITパス」と題して、以下の流れで当地区
の脳卒中地域連携電子化パスを中心に講演しました。
鶴岡地区医師会の紹介
地域的背景
各種施設および沿革
Net4U
パス研究会から庄内地域連携パス運営協議会設立まで
大腿骨近位部骨折地域連携パス
IT化までの流れ
庄内地域連携パス運営協議会設立
脳卒中地域連携パス
脳卒中ITパスの内容と運用の詳細
病診パスから維持期パスへ
データ解析による疾病管理(データから実践へ)
おわりに
地域医療を進めるための6つのノウハウ
質疑では、豊川も進んでいる方だと思っていたが、これほど進んでいる地域があ
るとは驚いた。われわれが理想としてきたことがほぼ実現されていて感動した。
医師会のパワーにはびっくりした、などの言葉をいただきました。
また、どうすれば鶴岡のようになれるのか、国の事業を受託しないとできないの
か、草の根的な活動でも可能か、という質問もいただきました。
明確に答えることはできませんでしたが、当地区の成長は、先達が築いてきた医
師会の会社組織としての施設や経済的基盤に、多くの国の事業の受託やさまざま
な方々の支援・介入によって築かれたものです。そこには、人との出会いなど偶
然が重なったのも事実ですが、偶然も地道な活動を続けてきたことによる必然だ
と考えれば、きちんとした手順を踏めば、どの地域でもそれなりにできることで
はないかなと思っています。