鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.224  (脳卒中地域連携パス:再発患者データ分析)

2013-11-18 17:36:29 | 日記
当地区の脳卒中地域連携パスのアウトカム(目標)は、再発予防とADL低下防止
です。

前者に関しては、脳卒中の約30%が再発であることから、再発を防止することは
脳卒中既往患者をフォローする際、もっとも重要な目標になります。維持期パス
を利用することで、再発率を低下させることができるかは、パスの運用当初より
の大きな関心ごとでした。

そこで、荘内病院神経外科の丸谷先生らは、2010年1月から2年間にパスに登録さ
れた脳卒中患者のうち、維持期へ移行した患者データを解析しました。

維持期パス参加群と非参加群を比較したところ、パス参加群は脳卒中の再発率が
低く、また、再発までの期間が長いという結果が得られ、維持期バスが初期の再発予防に有用であることが示されました。

また、脳卒中の危険因子として、高血圧症、糖尿病、高脂血症、心房細動などが
ありますが、登録患者全体と再発群と比較したところ、再発に関する危険因子と
して心房細動が有意に高いことが示されました。

下記に、パス学会での報告をアップしておきますが、地域連携パスの運用が地域
の医療の質の向上に寄与できることを示した大変貴重なデータだと思っています。

また、下記報告では、地域連携パスの意義、脳卒中パス、維持期電子化パスの概
要がきれいにまとめられています。是非、目を通して頂きたいと思います。


http://www.evernote.com/shard/s44/sh/29c4c806-3be3-44fa-8e46-4aeaf3b12d03/f7dacaefd9c999c5b037d09bbeffc738


http://www.evernote.com/shard/s44/sh/7c8fa84d-b9d1-4351-9ad2-74c878d6db94/7f1a2d6b4234dea0cb0d2b51023635ba

一方で、脳卒中パスの参加医療機関が内科関連施設の半分にも満たない、参加し
てもデータの入力がないことが、維持期パス運用の最大の課題でもあります。こ
の部分は、会員の皆さんの志の高さに期待するばかりです。

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