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昨晩は、榎本市長はじめ多くの来賓をお招きしての医師会新年会でした。
会長あいさつは、来賓の皆さんをおもな対象に、Net4Uをはじめとした鶴岡(地
区医師会)の活動についてお話ししました。人口減少が著しい当地区ですが、元
気に前向きに歩んでいきましょう!とのメッセージを込めたつもりです。具体的
には「鶴岡モデル」を確立したいと思っています。
以下、あいさつ全文です。
あけましておめでとうございます。
榎本市長をはじめ多くのご来賓の方々、また会員の先生方、職員の皆さま、
本日は、ご多忙のところ鶴岡地区医師会新年会にご臨席頂きまことにありがとう
ございます。心から御礼を申し上げます。
また、日頃より、鶴岡地区医師会のさまざまな事業にご支援、ご協力頂き、あり
がとうございます。
鶴岡地区医師会が運営している各種事業については、概ね順調に経過しております。
これも一重に職員また会員の皆さんの尽力、ご支援の賜物であり、敬意を表する
とともに感謝申し上げます。
さて、医療を取り巻く情勢をみてみますと、今年は、超高齢社会と激増する社会
保障給付費に対応するため、4月から消費税率の引き上げ実施され、いよいよ
「税と社会保障の一体改革」が具体的に動き始めます。
社会給付費は、現在の110兆円が、2025年には150兆円、介護費:19.8兆(2.34倍)、
医療:54兆(1.54倍)、年金:60.4兆(1.2倍)になると試算されています。
社会保障・税一体改革案では、「施設」から「地域」へ、「医療」から「介護」へ
医療・介護の基盤整備・再編のための集中的・計画的な投資が行われるとされています。
4月の診療報酬改定については、本体部分はプラス0.1%と言われていますが、
消費増税手当分がなければ、マイナス1.26%の改定となるようです。
引き続き厳しい状況がつづきますが、今後とも、制度の動向については注目しつ
つも、それに振り回されることなく、理念は貫きたいと思っています。
さて、新年でもありますので、前向きな話題を取り上げたいと思います。
当地区のIT、地域連携パス、在宅医療などの取り組みは全国から注目、評価され
ています。
とくに、今年で14年目を向かえ、地域電子カルテとしての草分け的存在である
「Net4U」は、全国でも最も歴史が古く、またもっと活用されているシステ
ムとして、当地区の財産であります。近年、在宅医療がクローズアップされるな
か、Net4Uのような仕組みは、多職種連携に必要不可欠な情報共有ツールである
とのニーズの高まりもあり、全国から注目される存在となっています。今までの
数多くの視察を受け入れてきましたが、今年は、他地域での運用が予定されており
、Net4Uの飛躍の年になりそうです。
一方、Net4Uを地域で運用するためには、いわゆる顔の見える関係が前提になり
ますが、この部分についても、当地区では庄内プロジェクトや地域連携パスの運
用で培った組織マネジメントのノウハウをもっており、モノだけではなく、運用
のための仕組みづくりも含めて、全国へ発信~展開していきたいと考えています。
今日、私の診療所に、進行した「がん」で、在宅療養(在宅緩和ケア)をしてい
る患者さんが受診しました。足底に、湯たんぽで深いやけどをしたとのことで、
在宅主治医からの依頼でした。患者さんの状況はNet4Uに、詳しく写真入りで記
載されていましたので、治療の参考になりましたし、主治医や訪問看護師、病院
の緩和ケアチームなど、関わって人たちへの報告も簡単に済ませることができま
したみ。同伴した家族も、この地域は電子カルテで関係者が繋がっているので、
とても安心だし、みんながとても良くしてくれると、関心また感謝していました。
また、鶴岡地区医師会に設置している、地域医療連携室「ほたる」の活動も、在
宅医療連携拠点事業の成功モデルとして国が注目しています。山形県でも、在宅
医療推進を重要課題と位置づけ、在宅医療連携拠点室を全県的に広めたい考えの
ようですが、鶴岡の「ほたる」が、そのモデルになると思われます。
慶応大学先端生命科学研究所の富田所長が、「鶴岡から全国へ、鶴岡から世界へ」、
「鶴岡の成功事例が全国のモデルになる」というようなことをおっしゃています
が、メタボロームのような最先端の技術ばかりでなく、医療・介護の分野でも、
鶴岡での成功事例が、全国から「鶴岡モデル」として評価されるよう、今後とも
努力をしていきたいと思っています。
超高齢社会ばかりでなく、少子化問題が深刻化している鶴岡ではありますが、
鶴岡みらい健康調査によるメタボローム技術の実用化や、Net4Uのような医療・
介護分野でのITシステムの全国展開などを通して、鶴岡が元気で活気があり、ま
た、誇りをもてる地域であることに、今後とも貢献したいと考えているところで
す。
さて最後に、報告となりますが、長年事務局長を務めた頂きました佐藤耕一さん
が昨年度末で勇退され、今年より、御橋さんが、新しい局長として就任いたしま
した。御橋新局長を今後ともどうぞよろしくお願いします。
今年1年が、皆様にとって、飛躍の年であることを祈念して、新年の
あいさつとします。本日は、ご臨席、まことにありがとうございます。