鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

ちょうかいネット

2015-02-06 17:00:13 | 日記

敬天愛人に「ちょうかいネット」の記事が掲載されました。


ご存知のように、「ちょうかいネット」は、日本海総合病院、本間病院、荘内病
院、庄内余目病院、Net4Uを開示施設とし、135の医療機関が参加する、庄内二次
医療圏をカバーする医療情報ネットワークです。

診療所の医師からみるとちょうかいネットの最大の利点、おもしろさは、病院へ
紹介したあるいは病院と一緒に診ている患者さんの病院での所見や処方、また画
像、検査データなどが診療所からいつでも閲覧できることです。例えば、診断は
つかなったけど緊急性が高いと判断して、病院へ紹介した患者さんって良くある
ケースだと思いますが、病院での診断や処置、その後の経過など早く知りたいと
思いませんか?そんな場面での利用を通して、生涯教育にも役立つシステムであ
ると、酒田の佐藤顕先生がID-Link研究会で報告していました。

使い方は簡単です。Net4Uに参加していなくても利用できます。
まだ、使ったことがないという先生がいらしたら、試してみませんか?

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全国第4回ID-Link研究会

2015-02-03 10:21:11 | 日記
1月31日、尾道しまなみ交流館で開催された、全国第4回ID-Link研究会に参加してきました。



庄内地区(ちょうかいネット)から、以下の3題を報告しました

・「ちょうかいネット」におけるEMS機能と診療予約システムの運用
 日本海総合病院:島貫隆夫氏

・ID-LinkとNet4Uとの融合による新たな医療情報ネットワークの可能性
 鶴岡地区医師会 遠藤貴恵氏

・「ちょうかいネット」という診療インフラ
 さとう内科クリニック院長 佐藤 顕氏

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一般演題
テーマ:二次医療圏越えネットワーク
座長:三原一郎(鶴岡地区医師会)

1、県境に於ける地域連携について
 福山市大田記念病院 北山靖洋 氏

 大田記念病院は、ID-Linkを利用して病院情報の開示や脳卒中パスを運用している
 福山市は県境にあり、岡山県などとの広域連携が必要
 一方で、広島県にはHMネットいうID-Linkと互換性のないネットワークがあり課題であったが、
 ID-Linkで、HMネットの閲覧が可能となった
 
2、くるめ診療情報ネットワークと佐賀県ピカピカリンクの圏域越え連携
 社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院 医療情報科診療部長 荒木昭輝 氏

 福岡県(くるめ診療情報ネットワーク)、佐賀県(ピカピカリンク)との圏域越え連携
 ID-Linkで相互に閲覧可能であるが、両地域の運用フローが異なるため不具合が発生
 フローの標準化が必要

3、いしかわ診療情報共有ネットワーク 全県一本化のシステムによる32+390の試み
 公立松任医師会中央病院医療情報部 吉田吏志 氏

 石川県は、全県の情報ネットワークをID-Linkで一本化した
 導入率:70% 全圏域をカバー 病床数では、45.5%を網羅
 一方で、診療録開示は1施設に留まる


4、ID-Linkを利用した広域連携の取り組みについて -広域連携の実例についてー
 道南地域医療連携協議会 田中秀法 氏

 MedIka(道南地域医療連携ネットワーク):公開施設:10、閲覧施設:69
 医療圏を越えた連携が必要
 協定書を交わすことで、相互運用を可能としている

5、「ちょうかいネット」におけるEMS機能と診療予約システムの運用
 日本海総合病院院長代理 島貫 隆夫

 ID-LinkのEMS(Emergency Medical Service)機能は、病病間の緊急症例搬送で極めて有用
 EMS利用は、平均月2.3人
 症例は、大動脈解離:30、心疾患:12、脳神経疾患:6
 連携元は、荘内病院:26、庄内余目:5、最上:12
 ヘルスクローバー施設予約システムの紹介

6、ID-LinkとNet4Uとの融合による新たな医療情報ネットワークの可能性
 鶴岡地区医師会 地域医療連携室 遠藤貴恵

 Net4Uは、ID-Linkに対応することで、病院から在宅までカバーする情報ネットワークとなった。

 Q, 医療・介護連携はID-Linkで代替できるか
 代替可能であるが、使い勝っては格段に異なる。

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昼食・休憩の時間を利用して尾道観光



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特別講演

カンファレンスが可能にする地域連携システム
超高齢社会の医療介護連携とend of life care

東京医科大学医学総合研究所 片山 壽氏

・医師主導による多職種カンファレンスこそが在宅医療の質を高める

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一般演題
テーマ:病診連携・地域包括ケア
座長:下山則彦 氏 (市立函館病院)
座長:岡崎純二 氏 (因島医師会在宅ケアセンター)

7、「なすびんネット」の導入と展望
 りんくう総合医療センター 中西 賢 氏

 大阪府泉佐野市 泉州南部のID-Linkネットワーク
 参加:54施設(公開3施設)
 アンケート調査で、肯定的意見が過半数
 利用料:35%が無償を希望のため費用徴収はしていない


8、岩手県宮古市におけるID-Linkを使用した「みやこサーモンケアネット」について
 あすなろ薬局 長島健太郎 氏

 参加施設:病院:3、診療所:17、歯科診療所:15、訪問看護:4(100%) 
 包括同意、カード発行
 課題:
  近隣の市町村が参加できない
  ID-Linkはユーザーフレンドリーでない

9、金沢市地域医療情報ネットワーク(ハートネットホスピタル)について
 金沢市医師会 担当理事 大野 秀棋 氏

 金沢市医師会主導
 診療所と介護施設などの連携に特化、
 職種による閲覧フィルター機能が特徴
 
10、ちょうかいネットという診療インフラ
 さとう内科クリニック 佐藤 顕

 公開病院側での診療録開示こそに意味がある
 生涯教育のツールとなる
 (ベストプレゼンテーションでした!)

11、道南メディカのID-Link利用方法の特色
 道南地域医療連携協議会 大島 俊宣 氏

 運用開始8年目、
 79施設が参加、(病院:30、クリニック:25 など)
 病病連携の転院業務、在宅医療の多職種連携に活用されている

12、医介護連携ネットワークは地域医療連携ネットワークとは別にして併用した方が良い
 ~栃木県における「とちまるネット」と医介護「どこでも連絡帳」の併用
 栃木県医師会常任理事 長島 公之 氏

 栃木県では「とちまるネット」というID-Link、Human Bridgeによる広域ネットワークが整備された(22病院が参加)
 一方、医療介護連携では、栃木県医師会が主導し「メディカルステーション」というフリーのコミュニケーションツール(SNS)を導入した
 ID-Linkは介護職には敷居が高い、簡便なアプリの併用が望ましい

 
13、オーダーメイドの利活用を考える
 長野県 飯田市立病院地域医療連携係 丸山 晃治 氏

 飯田下伊那診療情報連携システム[ism-Link]
 74施設が参加するID-Linkネットワーク
 在宅緩和ケアにおけるism-Link利用での事案3件について効果を検証したが、有用な連携ツールと結論された。
 

14、地域ケア科設立20年!ID-Link運用を2011年3月~ 宅直医師運用まで
 JA長野県厚生連 佐久総合病院 システム課長 永井 一成 氏
 
 2011年3月千曲川.net を8診療、2介護施設で運用開始
 訪問先で記載、写真貼布
 宅直医師は自宅PCで救急画像参照することで、不安解消、負担軽減に役立っている
 宅直医師へのコンサルテーションも行っている
 EMS運用を検討中

懇親会 (尾道国際ホテル)


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備後脳卒中ネットワーク視察 

2015-02-02 16:56:24 | 日記

1月31日、尾道市でID-Link研究会全国大会が行われ御橋局長、ほたるの遠藤、渡邊、ストローハットの鈴木社長らと参加してきましたが、折角の機会でもあり、研究会前日は、福山市にある大田記念病院が中心となり活動している「NPO法人 備後脳卒中ネットワーク」の視察をしてきました。丁度、群馬日赤病院からも4名の視察があり、2時間ばかり合同で、「NPO法人 備後脳卒中ネットワーク」の立ち上げの経緯や活動の現状などの説明を聴き、意見交換を行ってきました。

以下、視察時のメモです(正確ではないかも・・)。

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NPO法人 備後脳卒中ネットワーク 視察
日時:1月30日、16:00~18:00
場所:大田記念病院
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http://www.bingo-stroke.net/



2006年から備後脳卒中地域連携クリティカルパスの運用を開始
パスの内容は香川シームレス研究会のを流用し、むしろ、継続するしくみにこだわった、
大田記念病院は、福山市周辺の脳卒中患者の85%を受け入れている
当初、太田記念病院への利益誘導のためのパスか?と揶揄されたこともあり
2011年に、「NPO法人 備後脳卒中ネットワーク」を設立
NPO法人化することで、さまざまな施設が参加できるようになった
法人化の効用として以下がある
・モチベーションの維持、
・太田記念病院色を薄める、
・行政やスポンサー(製薬会社)からの寄付行為を受けやすい

年間予算は150万程度
収入は、製薬会社などからの寄付会社や大田理事長の講演料など
今後は、企業既存から脱却し、賛同してくれる人が増えることを期待

活動
パスの運用(計画管理病院連絡会、回復期を中心としたワーキンググループ、医療と介護の連携部会)
講演会、研修会、事例検討会、市民公開講座、備後脳卒中シンポジウムなど年数回のイベント、

パスの運用はデータ管理や維持期の運用において苦戦している
一方で、パスの効用として、急性期、回復期の在院日数が大幅に短縮した


広島県、健診受診率低い
脳卒中の患者像:軽症が増え、中等度例が減っている
ADLを落とさないで在宅へ

NPO法人
 年間:収入、150-200万、
 事務員を一人雇用(半日のパート)
 イベントなどでは、病院の連携室のスタッフが手伝う
 役員報酬:なし
 会費収入:なし
 実務者研修会や勉強会では会費を徴収:1000-5000円程度、
 行政などからの補助金はない
 病院からは法人会費として5万/年程度を出費
 医師会との協働は、ほとんどない

病院の連携室は9名:看護師:3名、SW:3名、事務:3名(NPOの補助に一人)
NPO法人として年1回のシンポジウム

ネットワークのメンバー:150団体

大田記念病院はID-Linkを介して、病院の情報を公開しているが、広島県には、HMネットというID-Linkと互換性のない医療情報ネットワークがあり、相互乗り入れが課題

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◆まとめと印象

・大田記念病院は、福山市(人口46万)およびその周辺の脳卒中患者の85%を受け入れている。
・脳卒中地域連携パスは、大田記念病院が中心に立ち上った
・その後、「NPO法人 備後脳卒中ネットワーク」を設立、
・法人化の最大の理由は、利益誘導とみられないため(利益のための活動ではない)と他施設が参加しやすくするため
・法人自体の規模は小さく、年間予算150万程度で収入はおもに製薬会社などのからの寄付金と法人会費
・事業内容は、脳卒中パスの運用と、研修会やシンポジウムなど企画、開催
・脳卒中パス自体は、当地区のパスの方が、IT化やデータの分析や診療所の参加などにおいて数段優れている。
・一方で、参加施設の数の圧倒的であり、研修会やシンポジウムの内容については参考にすべき点も多い。

◆懇親会
大田先生に懇親会の場を用意して頂きました。
美味しかったです。楽しかったです。ありがとうございました!
(翌日は、研究会なのに、二日酔いで辛かった(笑))




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