今週末の12月17日(土)・18日(日)と19日(月)の三日間、歳の瀬恒例の浅草の羽子板市が開催されます。今年で創業300年を迎えられる東京で一番のお人形の老舗・浅草橋の「吉徳」さんがはじめてご出店されます。300年という節目を記念されてのご出店ではないかと思います。
先日その吉徳さんから連絡をいただき、私の人形を羽子板と一緒にに並べてくださるというご厚情をいただきました。この上なくありがたくうれしいお話。
今戸焼の土人形はかつては観音様の境内で床店(仮店舗)や露店で売られることが盛んになった理由のひとつでもあったわけで、そうした昔の今戸焼の土人形の再現を目指している私にとっては、昔のように観音様の境内の露天に自分の人形を並べてもらえるということは作ることに加えて昔の今戸焼の姿を追体験させてもらえる願ってもないことです。(私が立って売るわけではないですが、我が子の晴れ舞台のような心境。)
並べてくださる人形の種類は急なことでもあり、限られた種類になりますが、中でも招き猫の最も古い姿と考えられる丸〆猫(まるしめのねこ)は嘉永5年に観音様脇の三社様(浅草神社・嘗ては浅草権現)の鳥居横でお婆さんによって売り出され、かなりの流行となったことが古い記録に残っており、三社様こそは記録に残る「招き猫発祥の地」だと考えているので、同じ観音様の境内に並べてもらえるということは昔の姿を再現したものが、本来の場所に並ぶということに思うのでうれしさこの上ありません。
また、来年の干支ものの辰の土人形も今年は3種類作りましたが、「昔の浅草」を念頭に作ったものなので、その中心に並ぶというのは感無量です。
羽子板市へお出かけのみなさま、どうか吉徳さんのご出店へ是非お立寄りください。そして羽子板のついでに私の人形も観てくださるとうれしいです。そういえば、現在「平成中村座」がかかっているそうですが、芝居好きの方にも観てもらえるとうれしいです。よろしくお願いいたします。