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昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸人形「口入狐・羽織狐」(尾張屋春吉翁作)★

2015-03-20 08:28:14 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)



右の2体が「口入稲荷」の裃狐と女狐、、通称「口入狐」、左の立ち姿のが「羽織狐」です。



言わずもがなの事ですが、口入稲荷は清川にある「玉姫稲荷神社」の境内に鎮座する社で、元禄14年、新吉原の廓内に高田屋七兵衛という口入所があって、家内に稲荷の社が鎮座されていたが、霊感に基づき同社を現在の地に移したため、それから口入の呼称がおこったとか、、。



また、羽織狐は玉姫稲荷の土蔵裏から狐の像が発掘され、それに倣って作られたもので、これは祈願する時にその使いとして用いられるが、念願の叶った時には裃を着けて額を持った狐を奉納するきまりであると、有坂与太郎の戦前の記述にあります。



また、ある説には、現在吉原神社に合祀されている九郎助稲荷の荒廃するに及んで、羽織狐も口入稲荷から授与されるようになったのだといわれるが、憶測の域を出ない、、とあります。



羽織狐の姿は遊び人のようで、左手を羽織の中でげんこつに構えていざという喧嘩に備えているポーズで、このポーズを「やぞう」と呼ぶところから、この狐を「やぞう」と呼ぶ人もあったようです。



尾張屋さん作のこの人形をはじめて見るまで知らなかったのですが、草履を履いているのですね。鼻緒を描かれているのです。草履の先がしっかりと出っ張って造形されています。知らなかった頃は裸足なのだと思っていました。



「口入狐」の画像の女狐が両手を前に正座していますが、これとは別に宝珠を抱いているのもあります。



★過去にアップした記事ですがブログ移転のため埃に埋まっていたものを虫干しする意味で再アップさせていただいております。また移転以前の記事内のリンクが移転によってずれているケースも見られますので今後修正していきますのでご了承ください。

 

 

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6 コメント

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羽織狐 (karat)
2015-03-20 09:46:30
おはようございます。
郷土玩具の本に載っていた羽織狐の白い手が右手なのか左手なのか?よくわからなかったのですが、このブログを読んで分かりました。
もし左手なら、時々時代劇に出てくる遊び人風で、職場の縁(まじめに働くという感じ)とは、ちょっとどうかな?とは思っていたのですが、左手なのですね…。
このブログの写真だけ見ると右手な感じもしますが、懐が膨らんでいるので左の肘のあたりを表現しているのかなと思いますが。
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口入稲荷へ! (linlin)
2015-03-22 00:04:02
ちょうどこの再投稿の20日に、口入までやっと行ってきました。
裃狐と羽織狐の意味は承知の上で、お願いして(両方とも)ペアで頂いてきました。
伺った時、猫のお散歩にでかけられる所をお引き留めしたので、残念ながら中まで見せていただくことは出来ず残念でした。ただ、狐穴はしっかり見てきました。
頂いてきた狐さんたちは、草履ははいてないみたいです。鼻緒が描かれてないので。
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やぞう (いまどき)
2015-03-22 11:39:03
karatさま

ありがとうございます。ご指摘のとおりです。白い手は右手で、左肘はお腹のあたりにあり、喧嘩などいざというときにすぐさま片肌脱ぎになれる体制ということだしょう。歌舞伎の「助六」また町人姿の「遠山の金さん」など左肘を出すときこのような姿勢になりますね。
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玉姫稲荷 (いまどき)
2015-03-22 11:44:06
linlinさま
ありがとうございます。おでかけになられたのですね。鼻緒は描かれていませんが、着物の裾の下は黒く塗ってありませんでしたか。「股引」とか「パッチ」のようなものを履いているという心で、戦前の「鈴木たつ」さんの作をお手本にされて塗っていらっしゃるんです。白井さんの羽織狐は着物の下には何も履いていないし、鼻緒というより爪のような表現です。この辺りで戦前までの今戸人形の彩色の伝承との断絶を感じさせられます。
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羽織狐! (linlin)
2015-03-22 21:32:15
確かに!着物の襟と同じ色が足の部分に塗っているので、これは着物の下に何かを履いていることになりますね。
鼻緒がなくて残念がりましたが、なるほど、素足ではありません!納得です。ありがとうございました。
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羽織狐 (いまどき)
2015-03-26 00:43:26
linlinさま
戦前「玉姫稲荷境内の口入稲荷奉納用の狐を作っていた「鈴木たつ」さん作の羽織狐の記事を虫干しで再アップしますのでご覧になってください。黒い股引きに黒足袋のつもりなのか足先までブーツのようにまっ黒ですが、着物の下に履いているという認識で塗られているということは明白です。
何も履いていないと履いているのでは全然違います。
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