<あらすじ: 新潮社さんのHPより>
近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。
大学二年生の辰次郎が、超・高競争率を潜り抜け、入国を許可された。
身請け先は、「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった。
「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
ということで、ファンタジーというと、正直、中には ちょっと(着いてけないかも~・・)という作品も
あったりしましたが… (こればかりは、好み の問題ですからねぇ…)
これは、なかなかおもしろかったです。
なにしろ、“あちらの世界” が、よりによって「江戸」なので。
日本では、「江戸」への入国は、大・大・大人気で、競争率:数百倍とか、
何年も希望して→ 外れて… と、数年ごしのエントリーで 入国が叶えば、それでもラッキーとか。
しかも、主人公の辰次郎は、なんとあちらの世界(江戸)生まれという経歴の持ち主。
江戸(← 日本じゃなくて)の地で、両親の愛情に育まれながら すくすくと成長していたのですが、
幼少期に奇病に罹ってしまいます。
同じ病に冒された子ども達は、次々と死んでいってしまう中、両親は 辰次郎の命を救うために残された唯一の望み 。 。 。
“江戸を出国し、日本へ入国すること” (あーー、なんか、紛らわしいですね…(笑))を選択し、見事、辰次郎は回復し 普通の男の子として成長。
しかし、いつしか辰次郎の家庭は崩壊し、祖父母に育てられ、江戸の記憶も失っていたところに、
姿をくらましていた実父との再会がきっかけで、江戸に渡ることに…。
再び江戸を襲う奇病から 民を救う使命のもと、辰次郎が 失われた記憶を取り戻しつつ
奇病の謎に迫る ・・・
というストーリーで、とても親しみやすく、読みやすかったです。
やはり、“江戸” ならではの、斬った・斬られたの緊迫感
プラス 人間味とか 情緒とかも盛り込んであって、
ファンタジー一辺倒ではなくて、冒険ものとしての展開も楽しめました。