めへへ 書感

本好きなヤギ似のワタシが 勝手な感想を綴った備忘録 (時々、他)♪

家族の分け前(森 浩美)

2011-10-20 21:57:24 | 本(まあまあ) ま・や・ら・わ行の作者

さて、やっと借りられました。
なにしろ、森先生の家族シリーズは、よみやすくて とってもイイ話ばかりなので、
人気が高くて・・・。

でも、毎回感心させられるのですが、本当に 描写がお上手なんですよね、森先生。

今回は、全8編の作品集ですが、
ある時は、正社員になることにこだわって職を探し求める 若き青年だったり、
またある時は、離婚後、両親の助けを借りながら、幼い娘を育てていくキャリアウーマンだったり、
また、それぞれの 年取った親だったり…

今回、あとがきにも書かれていますが、ちょうど こちらの発刊準備を進められている最中に
あの、3.11の大震災が起こったそうです。
その時に、森先生が連絡を取られた多くの方々が、まずは 開口一番
「そちらは、大丈夫ですか…?」
と、相手を心配する言葉をかけられたとのこと。
自らが被災しているにもかかわらず…。

この あとがきは、大変深いです…。
自分自身の記憶をたどってみると、 確かに…  自分もそうでした。
森先生は、こうした何気ない 人間の“情” に 普段から敏感でいらして、
それらを ひとつひとつ 大切に扱っていらっしゃるがゆえに、
素敵な作品を生み出されるのですね。

また、今回のタイトル=「分け前」とは、
家族で分け合うことによって、持ち分を減るのではなく、増やすということ
なのだと…。
確かに、どの作品も これが根底になっていて、それぞれの事情を抱えながらも
“家族” ならではの心の繋がりが描かれています。

今回は、中でも、「それでも鳥は空を飛ぶ」が 気に入りました。
まだ 小学5年生なのに、翼くん、 すっごくイイ奴 なんです。
本当に、こんな ステキな男の子、身近にいるかも・・・ と思いながら、母性本能をくすぐられました… (笑)。 
コメント
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