母の日のプレゼントがわりに、両親と食事に行きました。
高齢なので、欲しいものは特に無いというので、最近は食事をごちそうすることにしています。
お年寄り向けには、和食がいいのですが、私は和食店には馴染みがなくて・・・。そういう時は、素直にこれに頼りますミシュラン広島版。
ミシュランで星がついてる和食をチョイスすれば、間違いないかな・・・ということで、ミシュラン2つ星の和食「児玉」のランチへ。
そんなに敷居が高いわけでもない普通のマンションの1階です。
和食のすばらしさは、お味だけじゃなく、目にも麗しいこと。
前菜は6品。青瓜のウニ和え、よもぎ麩、さくら麩、一寸豆の天ぷら、イカわらび、コハダのお寿司。
お造りは、さより、天然鯛、水イカ、大トロ。この大トロの美味しいこと!!
肉より脂がのってる。こんなマグロ、いままで食べたことないわ。
イカがこれまた甘いし、サヨリは鮮烈だし、素材の良さって、包丁さばきで、さらに際立つもんなんですね。
椀物はテッセンの絵の漆器で。テッセンの模様なんて、ほんの短い時期しか使えないんだろうに。季節ごとの器を準備するって、和食のすばらしさでもあり、大変さでもありますね。
椀種は、雲丹しんじょうですって。はて???雲丹しんじょうとな???そんなもの、生まれて初めて食べました。それは、80年余生きてきた高齢の両親も同じこと。
お出汁に浮かんでいる白い小さな花のつぼみ。苦味があって、舌に覚えのある香り。「柚子の花のつぼみ」ですって。
さざえのつぼ焼きと山ウドの天ぷら。
つぼ焼きと言っても、サザエの殻を器がわりの茶碗蒸し。タケノコ、椎茸、サザエのヒモなど、ザクザク入ってました。
若竹と鯛の子と炊き合わせ。弾力ある麩や、山芋、ワラビ。お出汁が胃袋に沁みわたります。お出汁は完飲。
地アジと貝の酢の物。この酢の塩梅がもう絶妙で。器の余白も美しいなぁ。
〆は鯛めしと、赤だしと香の物。
鯛めしに入っていた鯛がかなりの肉厚で、ふんわり炊かれたご飯との対比が際立つというか。
香の物も食感の違う3種。隅々まで、考え抜かれてるなぁ、というおいしさ。
水菓子は、ジェリー寄せに、フルーツ。コーヒー。
全8品で、さすがにお腹いっぱいになりましたが、胃にもたれる感じは全くなし。あくまで、優しくていねいで、角が無いお味。
器もどれも素晴らしくて、目に楽しい和食を引き立てていました。
ワタクシ、暗示にかかりやすいもので、ミシュラン2つ星というだけで、食べる前からすでに「美味しい」つもりになっていましたが、実食してさすがです!!間違いない美味しさでした。
この歳で、両親そろって母の日のごちそうをいただけるなんて、ありがたいことです。
両親にも美味しかった、ありがとうと喜んでもらえたけれど、母の日にかこつけて、美味しい和食を頂く機会をもてた私こそが一番喜んでるのかも。