Evergreenでちょっとsilverなdiary

人生100年時代といえども後半戦。好きなものはアレコレ・・・本、映画、観劇、ガーデニングに食べること。

涙する短歌とエッセイと

2017-05-27 | カルチャー

広島ブログ

恥ずかしながら、ワタクシ昔から短歌が好きでして。
短歌は短い文字数の中に、情緒とか風景とか時代までもが、ギュッと詰まって"言葉の宇宙"のようだ、と思います。

短歌好きなら『永田 和宏』と『河野 裕子』の歌人夫婦を知らない人はいないのでは???
夫婦して受賞歴多数。夫婦して宮中歌会始詠歌選者という華々しい経歴のお二人の20歳の出会いから、妻が64歳で闘病死するまでの短歌によるラブレターをまとめたのが『たとえば君 四十年の恋歌』です。

タイトルの『たとえば君』は、河野さんの代表作『たとえば君 ガサッと落葉すくふように私をさらって行ってはくれぬか』から。
読む側が照れくさいほどのまっすぐなラブレター。
河野さんの最も有名な作品は、死の直前に詠んだ『手を伸べてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が』これを絶唱と呼ばずして何と呼ぶ。
短い文だからこそ、よけいに鮮烈に情景が浮かび上がってきます。33文字にぎゅっと詰まった夫婦愛に感服な一冊でした。

好きな作家は数々あれど、一番好きな作家を1人だけあげるとすれば、小川洋子さん。
小川さんの小説は、いつも私を泣かせる。
悲しくてじゃなくて、優しかったり、けなげだったり、温かかったりして。

その小川さんが、岡山で主婦兼作家として生活する日々の営みをつづったエッセイ『とにかく散歩いたしましょう』これも泣けました。エッセイで泣けるなんてね。

小川さんのモノや人に対する視線が、あたたかく、優しい。
芥川賞の選考委員までつとめている人気作家なのに、いつまでたっても謙虚で愛らしい。自分以外の人やモノ、自分とは違う考えやスタイルに対しても、敬意をもって接している。


文章は人を表すっていうから、こんな品性の人間になりたいなぁ、と思うけど・・・・到底ムリなので、小川さんの文章を読んでは、涙するのです。

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