今回の京都旅行は、美味しいものにはお金を惜しまない太っ腹、そして骨董類はキライ、甘いものは食べません、という男前女社長の親友K子ちゃんと、行ってきました。
なので、私の京都旅行では定番の骨董店巡りも、スイーツ巡りもパスする覚悟で、食事だけは厳選したつもり。
結果、1日目のランチで選んだ岡崎 平安神宮横のイタリアン「Cenci(チェンチ)」は、地方都市に住む一般ピーポーの私にとって人生最高のイタリアンでした。
京都野菜を素材にした名店「イルギオットーネ」の料理長を9年務めた坂本シェフが、2014年12月にオープン。
あっというまに京都有数の人気店に。いまやとっても予約が取りにくい。2ヵ月前からの予約受付で、土・日のランチは瞬殺。
なのに、そのお店の土曜日のランチの予約が、運よくとれました。私には、食いしん坊の神様がついてるのかも!!と、うぬぼれそう。
サビサビの鉄門扉に、ミモザのリース。このエントランスだけで、ただものではない感が匂う。
高い天井に穴蔵のような雰囲気で、スタイリッシュですが、無機質な感じは無く、木のぬくもりが感じられる空間でした。室内空間もご馳走のひとつ。
メニューは、料理名ではなく、素材名だが書かれている。これは珍しい。素材を大切に生かしている、という決意表明でしょうか?
最初のひと皿。新玉ねぎ、ホタルイカです。ホタルイカはグリルしてあり、絶妙の火入れ具合。
そして、新玉ねぎのピユーレを布団に、サクサクのパイ生地と玉ねぎのチャツネが寝そべっている。ひと口食べただけで、抜群においしい。新幹線使ってでも食べにきた甲斐があったというもの。
2皿目は、ナマのお魚です。トマト、山菜、ふきのとう、カツオ。なんなんだ??このカツオのねっとりさは。
野菜の下には、ふきのとうを混ぜ込んだバーニャカウダが敷いてありました。なんと、バーニャカウダーにふきのとうを合わせるかーーー!!
まだ、2皿目だというのに、なんかもう十分というか・・・。これだけのものを2皿も食べたら、それでもう大満足です、という謙虚な気持ちになりました。
とはいえ、お料理が出てきたら、帰ったりせず、ひるまず食べますけど。
3皿目はパスタ。花わさび、天然鯛、からすみのスパゲッテイです。天然鯛が、ゴロゴロと、たくさん入ってることといったら。
私の乏しいボキャブラリでは、表現できません。このパスタのパーフェクトなアルデンテを。どんな計算して火を止める瞬間を決めるのやら???
4皿目が隣のテーブルに運ばれる時から、気になってチラチラ見てたんですよ。
なにが???って・・・・・・このガラスボールを運ぶ時、フロア係さんがみな白手袋をしてるんだもの。ガラスに指紋をつけないための配慮でしょうか。
ピカピカのガラスボールの中はサラダ仕立て。パルミジャーノでこしらえたチーズせんべい(みたいなの)をパリパリと崩して混ぜていただきます。
こんもり野菜の下には、フロマージュブランと温泉卵。どっちもトロ~り。さらに、ぶっといアスパラも白と緑が1本ずつ鎮座してました。生のものをグリルしてあったので、うまみがギュギュギュウ~と詰まってました。
生のホワイトアスパラって春の味です。
いよいよメインが来ました。どんこ椎茸、筍、黒米、七谷地鶏、木の芽。
どんこ椎茸と名乗るくらいだけあって、とってもどんこどんこし。この肉厚さときたら。小さくカットした筍と黒米がスープで焚きこんであって、うま~。
さらに、この地鶏ときたら、感動ものでした。ここまで香ばしくパリパリな鶏の皮を食べたのは、生まれて初めて。
肉質は、じっとりとジューシーなのに、このパリパリ鶏皮ってどうやって作るの???
そして、デザートは2種類。デザート好きの私が喜ぶまいことか。
ここで気になったのが、甘いもの苦手なK子ちゃんのデザート皿。食べれるかしら???食べれないなら、私がいただこう、と心配していたのですが・・・・・これを世間では、心配とはいわず、期待と言うかもしれませんが・・・・・。
K子ちゃん、デザート2皿完食。K子ちゃんの酒豪人生で滅多に無い快挙です。
抹茶、ヘーゼルナッツ、マスカルポーネのエクレアは、手づかみでどうぞ、と。この形状なので、どうしてもポロポロっと落ちてしまいます。そのかけらさえ惜しい。
2つめのデザートは、レモン、リコッタチーズ、バニラ。強烈に酸っぱいレモンにソルベに、リコッタチーズとバニラのほのかな甘みがアクセント。
食後の飲み物には、まずは茶葉がフルラインナップで出来て、お好きなものをどうぞ、と選ばせてくれます。
ではでは、と全部フタを取って、香りを嗅いでみる。さんざん、わあーわあー言っといてコーヒーで、と言ってしまったけど。
こんな月と星のイラストで来ました。店名と同じチェンチというイタリアの小菓子もついてきます。この小さな焼き菓子でさえ、美味しい、美味し過ぎる。
チェンチとは素朴な、古びた、という意味だそうで、そういう年月を経たような雰囲気が、シェフの趣味なんだそうです。
でも、素朴なというには、料理がビューティフルすぎるし、お店はオシャレ過ぎる。
雰囲気、接客、料理、お値段、ロケーション、すべて完璧なchenci。新幹線使ってでも、食べに行く価値あり、です。