こりんの遊び部屋

愛知県新城市の’こりん’の道草日誌
好きなテニス・釣り・登山・山野草などの話題を不定期に!!

津具金山と東栄町三信鉱工の紹介

2016-12-22 18:51:15 | 風景
愛知県北設楽郡設楽町津具の津具金山と、東栄町大字振草字上粟代の三信鉱工の紹介をします。

元亀3(1572)年頃、津具に砂金が出ることを知った武田信玄は金山開発を行い、金鉱脈を発見して掘りました。
この坑道はその一つです。
主要地方道東栄稲武線沿いの天竜川水系大入川の上流、古町川を渡った東山ノ神の中腹に坑道が保存されています。

川を渡り農道を進むと車1台駐車できるスペースがあります。
獣よけのフェンスがありますので、開けて入っていきます。
急な斜面を90mほど登ると見えてきます。


ここが坑口です、入ると落盤、酸欠など非常に危険ですので柵に囲まれています。


坑口を覗いてみますが、暗く数mほどしか見えませんでした。
高さは、140cm幅120cmほどです。底には湧水が流れており、電気のない戦国時代に火を頼りに採掘したものです。


坑口の直ぐ横に説明板があります。
戦国武将の開発後にも、明治以降、金山再開発に幾多の人が挑みましたが失敗していました。
昭和7年に鳳来町能登瀬出身の藤城氏により成功したようです。
周りの石ころを見ましたが、金鉱脈が残っているはずがありませんね。

三信鉱工の坑口です。
ここも数年前に訳あって見学することが出来ました。
ここで産出される絹雲母(英名:SERICITE、セリサイト)は、主にファンデーションの原料として、世界中の化粧品メーカーで使用されているそうです。

坑口から奥に進み採掘現場まで行きました。
背中が私です。
当日は、採掘の発破の後で火薬の焦げた臭いが漂う穴でした。

採掘したセリサイト原石(粘土状です)を運ぶトロッコ
手押しのタイプです。化粧品の材料とあって少ない量で収益があるそうです。

発破で崩したズリをすくいとるための掘削機械です。
狭い空気循環の困難な坑道で使用しますので、動力は圧縮空気を使用していました。

真ん中の白い層がセリサイトを含む岩の層です。

この灰色の層も同じです。
ここの鉱山は、初め金を目指して開発したそうですが残念ながら金は出なかったそうです。

見えていた山全体に何本もの坑道が掘られているようです。

掘り出されたばかりのセリサイトを頂きました。粘土状でしたので手で丸めています。
この後、精製すれば真っ白なきめ細かい、スベスベの粉になります。
この時点では、不純物が多く灰色でした。
坑道見学といった普段では見ることが出来ない経験が出来て良かった!!