今年の夏は大変な猛暑だったが、ご近所の方で「帯状疱疹」に罹った噂をちらほら聞く。
この病気はストレスなどで免疫力が落ちたときに発病するとされている。つまり、猛暑への対応で自律神経がおかしくなり免疫力が落ちたというわけ。
そういえば、ブログ主も現役時代のメチャ忙しかったときに「八方ふさがり」に陥ってしまい、「帯状疱疹」により1週間ほど入院のやむなきに至ったことがある。何しろ大好きな音楽でさえ聴く余裕がまったく無かったんだからね~(笑)。
というわけで、リラックスして免疫力を回復させるための音楽療法へと話を進めよう。
音楽といってもいろんなジャンルがあるし、作曲家にしても様々だが、取り分け「モーツァルトの音楽」に、より高い健康効果が認められるというのが次の本。
「モーツァルトで免疫力を高める、老化を防止する、快眠へといざなう!」(株)角川SSコミュニケーションズ刊。
著者の和合治久氏は埼玉医科大学短期大学教授、国際比較免疫学会アジア・オセアニア会長、日本比較免疫学会副会長、専門分野は免疫音楽医療学で日本における第一人者。
モーツァルトは自分も大好きな作曲家だが、聴いていて気持ちが良くなるから聴いているだけで、これまで健康効果を期待したことなんかないが、本書は医学的な見地からモーツァルトの音楽の魅力を解明しようと試みているのがやや新鮮で興味を引かれた。
以下、本書を引用させてもらおう。
モーツァルトの名曲になぜより高い健康効果が認められるのか、それは次のように判明している。
人間の意志とは無関係に作動する自律神経の中でも身体をリラックス状態に導く副交感神経を刺激する音の特性が豊富にバランスよく含まれている。
その特性を具体的に挙げると次の3点。
1 音の高い周波数(3500ヘルツ以上の高音)がよく含まれている
2 自然の音と同じ一定のリズムを保ちながら「変化のある音=”ゆらぎ”」に満ち満ちていること
3 倍音(音と音とがぶつかり合ってさらに高い周波数になる)と呼ばれる音の特性が交感神経(ストレスなどを喚起する)の働きにブレーキをかけること
2の”ゆらぎ”については、さらに解説が必要と思う。
たとえば、夏のひんやりしたそよ風は強くなったり弱くなったりする不規則性が人間の生体リズムと一致して涼しく感じるが、扇風機の風は人工的で一定の強さしか吹かないため心地よく感じず「その違い」とのこと。
この3点を基軸として本書は次により構成される。
第1章 なぜ病気になるのか? なぜ眠れなくなるのか?
第2章 なぜ、モーツァルトが効果的なのか?
第3章 モーツァルトが眠りにいいのはなぜ?
第4章 モーツァルト音楽療法の効果を高める聴き方
第5章 モーツァルト音楽療法Q&A
第6章 免疫力を高める、老化を防止する、快眠へと誘う!モーツァルトCD曲目紹介
このうち、特に興味をひかれたのが次の点。
☆ 聴覚は心臓が停止した30分後まで残っている感覚
人間は外部からの刺激を聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚という五感でキャッチしているがその中で聴覚は最後まで生き残っている感覚で心臓が停止した後も30分間くらい働いている。したがって、意識のない病人の枕元で悪口を言ったりするのはとんでもないこと。(そんな人はいないだろうが・・・)
聴覚が休みなく働くことは(危機をいち早く察知するという点で)動物にとって極めて重要な機能で、五感全体が脳に送っているエネルギーのうち85%以上が聴覚によるもの。
☆ 音楽の周波数と脊髄の位置は対応関係にある
脊髄は頭頂から尾椎(尾てい骨)まで、ピアノの鍵盤のように並んでいて、周波数の違いにより反響する部分が異なる。
尾椎は250ヘルツ前後、腰椎は250~500ヘルツ程度、胃のあたりが1000ヘルツ、胸椎が750~2000ヘルツ、頚椎が2000~3000ヘルツ、延髄から上は4000ヘルツ以上で、高い周波数ほど脊髄の上の方に反響する。低い音がズーンとお腹に響くように感じるのもこれで説明がつく。
さて、第5章では、モーツァルトの音楽以外ではバッハにも同様の効果が認められ、さらに「グレゴリオ聖歌」にも”ゆらぎ”が豊富とのこと。楽器では、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーボエなどがそうで、ピアノの場合は背骨にツボ刺激を与えるような響きを持っている。
第6章では音楽療法の効果を高める曲目が具体的に10曲紹介してあった。
因みに、ブログ主が推奨する「これぞ癒しのモーツァルト」は、
ディヴェルトメントK136、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K365、ヴァイオリン・ソナタ全曲、フルートとハープのための協奏曲、クラリネット五重奏曲、オペラ「魔笛」・・。
昨今の物価高や天候不順、さらには首都圏で相次ぐ強盗殺傷事件などで殺伐とした世の中になってきているが、日頃からモーツァルトを聴いて免疫力を高めましょうね~(笑)
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