「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

スピーカーに「魂」を吹き込む真空管アンプ

2025年02月08日 | オーディオ談義

その昔、あるオーディオ専門誌にこういうことが書いてありました。

「人間に例えると、スピーカーは容姿に当たり、それに精神(魂)を吹き込むのはアンプである。」

で、その言わんとするところは
アンプとスピーカーは一心同体だから両方とも手を抜かないように」と、拡大解釈していますがどうなんでしょう。

そこで・・、一般的にスピーカーは重視されているものの、アンプとなるとどうも軽視されている傾向にあるような気がするのはブログ主だけしょうか。

アンプを代えても音はさほど変わり映えしない、という既視感が蔓延している・・。

今回は、「真空管アンプ」ひいては「出力管」が我が家のオーディオ遍歴の最終的な「決め手」になったことについて、実例を通じて、あえて一石を投じてみましょう。

さて、我が家の10台のアンプの中でエースとして君臨している「6A3シングル」アンプ。



「此の世に完璧なオーディオ機器はない」と、わかっちゃいるものの、もう少し高音域の抜けが良くなってくれると言うことなしなんだけど・・。

そこで、我が家の真空管の主治医「北国の真空管博士」にこう持ち掛けた。

「出力管としてシルヴァニアの刻印入り「6A3」以外に優秀な球はないんでしょうかね。」

「アメリカ球では無理ですね。英国のSTCなら申し分ないですが、6A3は滅多に手に入らないです。その代わり〇〇という真空管がありますよ。ピン配列が違いますが変換アダプタ―を使えばOKです。英国ルートを通じて取り寄せ可能です。」

「それは、ぜひお願いします。」

そして、およそ10日後のこと博士から「無事到着しましたので送ります。今どき珍しい元箱付きの未使用の新品ペアですよ。」



「BRIMAR」(ブライマー)というのは、STCの球を専門に作る工場名のことです。

さっそく、ワクワクしながら「6A3」の球を引き抜いて挿し代えました。そして、一聴しただけでビックリ仰天!!

まるで別物の音です。高音域の抜けが実に爽やかで、まるで雲ひとつない澄み切った秋の青空みたいな透明感に溢れているじゃありませんか。それに、独特の光沢を帯びた艶といい色気といい・・。

さっそく、博士にご注進。「STCはやっぱりすごいですね、シルヴァニアとは比較にならないみたいです。」

「そりゃそうでしょう。STCはウェスタンに優るとも劣らない技術力を持っていますからね。そもそも真空管の命ともいえるフィラメントの材質がちがいます。高音域の改善はそれが原因でしょう。たぶん4300Bと同じフィラメントだと思います。

エージングが進むともっと良くなりますよ、少なくとも中古の4300BやWE300Bよりも上でしょう。〇〇は有名じゃないためその程度のお値段で手に入ります」
と、博士。

中古の「4300B」の相場はおよそ「25万円」(ペア)前後だけど、その1/5以下で新品を手に入れたんですからねえ、もう笑いが止まりません~(笑)。

とはいえ、損得なんてどうでもよろし~、「AXIOM80」が完璧といっていいほど鳴り響くのが もう うれしくて、うれしくて・・。

手当たり次第にいろんな曲を聴いていったが、さほど好みでもなかった曲目がなかなかいいじゃないか・・、いい音は音楽を生き返らせますね(笑)。

さっそく、オーディオ仲間のYさんにお仕事中にもかかわらず来ていただいた。

「明らかに変わりましたね。まるで目から鼻に抜けるようなスピード感と清々しさがあります。それに大型トランス特有のかったるさが無くて透明感があります。出力管だけでこんなに変わるなんて驚きですね。これまで聴かせていただいた「AXIOM80」の中では掛け値なしにベスト1でしょう・・」、と太鼓判。

オーディオに終着駅は無いと思ってきましたが、苦節50年余に亘る悪戦苦闘がどうやら実を結んだようです。これで心置きなく冥土の土産が出来そう・・(笑)。

それにしても、最後の「一押し」が「出力管」になろうとは夢にも思いませんでした。真空管アンプの世界はこれだから怖いです。この球を知らないまま人生を終える可能性があったかと思うと背筋がゾッとしますぞ(笑)。

そして、これらの球の微妙な差をこれほどまでに克明に描き出す「AXIOM80」の繊細な表現力に改めて驚嘆するばかりです。

「音」を聞くのならともかく「音楽」(クラシック)を聴くのであれば、何も「仰々しいシステム」は必要ないです。

「AXIOM80 + サブウーファー(100ヘルツ以下) + スーパーツィーター」、それに出来のいい真空管アンプがあれば、世界一のシステムが出来上がりまっせえ~。

つい鼻息が荒くなってしまった・・、日頃、控え目なのでたまには「大言壮語」もいいでしょう~、ああスカッとした!(笑)。

なお、文中でSTCの球を「〇〇」と伏字にしましたが、少し後味の悪さが残ります(笑)。

なぜ伏字かというと、万一、このブランドの球がオークションに出品されたら、いの一番に落札するつもりなので不毛な競争を避けたいからです。

ただし、博士からは「この真空管は貴方の寿命よりも上だと思いますよ」とお墨付きをもらってますが、やはり不測の事態(故障)が怖いので予備は欲しいですもんねえ。

そこで、ご提案です。

どうしても「〇〇」の型番が知りたい方は業者さんを排除するために住所、氏名、年齢、職業、電話番号、そしてオーディオシステム(画像:公開可)の内容を明らかにしたうえでメールをください。

その熱意に免じてこっそり教えて差し上げます・・、もちろんメールが来ないのがいちばんですけどねえ(笑)。



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