「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

脳へのご褒美

2014年04月11日 | オーディオ談義

独りで聴いているときに比べて仲間と一緒に聴いていると、なぜか不思議に目立つのが自分のオーディオ・システムのアラ。

その原因をつらつら考えてみるに、どうも独りのときは音の良し悪しを忘れて「音楽」の方に神経が集中してしまう、その一方、仲間と一緒のときは音楽よりも、つい「音=オーディオ」の分析の方に関心がいってしまう傾向があるようだ。

自分の場合、システムの変化の都度、仲間に来てもらって一緒に聴きたくなるのもきっとその辺に理由があるに違いないとにらんでいる。

それともう一つ。先日の「健康番組」で、ある脳神経外科医がこんなことを言っていた。脳にはときどきご褒美をあげることが必要です。趣味においても出来るだけ仲間と一緒に楽しみながらいろんな意見をもらうことが大切ですよ。」

成る程!

他人のシステムを聴いて面と向かって悪口を言う人はまず居ないので、脳が何らかの“褒め言葉”を期待して仲間を呼び寄せている面もあるのかもしれない(笑)。


さて、去る5日(土)の試聴会のときにも例に漏れず途中からシステムの欠点が気になって仕方がなかった。

具体的に挙げると、

1 
第二システムの響きが不足している

2 JBL3ウェイシステムのうち、低音域と中音域の繋がりがイマイチ


まず、だが自作のエンクロージャーに容れた「AXIOM80」がどうも精彩を欠いていた。日頃、テレビ視聴用として活用しているので本格的な音楽鑑賞となるとついアラが目立ってしまったこともある。

原因はひとえに中低音域の響きが不足していることに尽きる。理由はおよそ想像がつく。厚さ5センチの合板で作ったエンクロージャーのツクリがあまりにもしっかりしているので、第一システムのような箱鳴りがいっさい無いものだからユニットの個性がモロに出てしまった。

逆に言えば、ユニットの生地が率直に出せるというメリットもある。うまく鳴らせば箱鳴りを伴わないむしろ正しい音に近づく可能性が大いにある。このエンクロ-ジャーを使う以上、箱鳴りをいっさい期待せず、あくまでもユニット勝負に持ち込んだ方が得策だと判断した。

このブログをずっと追いかけている読者の方ならご存知のように、以前「AXIOM80」の低音を補強するためにフォステクスの「SLE-20W」(ウーファー専用:口径20センチ)を使っていたことがあるが、このユニットを再度復活させることにした。

「AXIOM80」に組み合わせるウーファーとなると、その選択は実に難しい。そのハイスピードに太刀打ちできるユニットとなると口径38センチのユニットなどは鈍すぎてまず失格。その点「SLE-20W」は「AXIOM80」と同じエッジレス仕様だし、適度な口径も手伝って十分合格点を与えられるユニットである。大いに気に入って10本も買い占めたくらいだから(笑)。

工事の概要としては、自作エンクロージャーの下部に頑丈な密室を作って「SLE-20W」を1本だけ納め、コイルで周波数を200ヘルツあたりでハイカットして専用のアンプで駆動するというもの。「AXIOM80」はローカットしないままなので、いわば場所を取らないサブウーファー的な活用になる。

うまくいくかどうか、やってみなければ分からないが、な~にダメなときは繋いだアンプのスイッチを切ってやればいいだけの話。

日曜日(6日)に必要な道具を揃えて計画を練った。

まずエンクロ-ジャー内部を区切るための頑丈な仕切り板(30×33センチ、厚さ5センチ)を左右両方で2枚準備。ガッチリ固定するためのネジとL型金具、そして内部に詰め込む羽毛の吸音材も準備。次にハイカットするコイルを倉庫に入って探したところ、「2.7mh」と「1.5mh」がそれぞれ2個あった。SPコードのプラス線に直列に挿入すると「4.2mh(ミリヘンリー)」となる。

「クロスオーバー周波数早見表」で調べてみるとちょうど300ヘルツ(6db/oct、インピーダンス8Ωの場合)あたりでハイカットできる計算になる。理想は200ヘルツだが“まあいいか”(笑)。

作業の手順をじっくり考えるために一晩おいて、月曜日(7日)の朝から取りかかった。およそ半日がかりの仕事と踏んだが、予想どおりだった。

スピーカーを裏返しに倒し裏蓋を開けて室内を這いずりまわることおよそ4時間、滞りなく作業は済んだ。論より証拠というわけで、次の写真をご覧いただこう。一番下のスポットにキッチリ収まっているのが「SLE-20W」。

                  

次に、SPコードの+線に挿入した「1.5mh+2.7mh」のコイル(ソロ製)が下記の写真。

                  

その昔、「ネットワーク=命」で熱中していた時期があり、その時の残骸だが、もう出番がないものと思って仕舞い込んでいたが、まさか再び出番がやってくるとは夢にも思わなかった。処分しなくて良かった~(笑)。

さっそく胸をワクワクさせながら試聴してみると、これがバッチリで言うことなし!弱点だった中低音域がほどよい加減でふくらんで両方のユニットがうまく溶け合っている。さすがに両者ともエッジレスなので相性がいい。しかも音像定位感も双方のユニットの振動板の位置がほぼ一致しているのでまったく不自然感がない。むしろオリジナル・エンクロージャーを使った第一システムよりも好ましいと思えるほど。

音声信号の流れはプリアンプ(3系統出力のうちの1系統を利用) → 「PX25・2号機」 → 「SLE-20W」(300ヘルツ以下)。また、肝心の本体の「AXIOM80」用のアンプには我が家のエース「刻印付き2A3・1号機」を奮発した。

それに、当初は予想だにしなかったがこのサブウーファーは第一システムのときにも共通して使用できることが分かったので二重の喜び。

最後にのJBL3ウェイ・マルチ・システムについては、低音域用のアンプに「PX25・1号機」を持ってくることで一応解決。

しばらく、これで聴いてみることにしよう。

来たる13日(日)には、昨年の秋にお伺いした「NさんとGさん」(クリック可)が福岡からお見えになる予定なのでご意見を拝聴するのにまたとない機会。

「脳へのご褒美」になるといいのだが(笑)。


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