去る13日(日)の午後、春雨が降りそぼる中、福岡からお客さんが試聴に来てくれた。
Gさん、Nさん、Uさんの3名(アルファベット順)でNさんとUさんは一度我が家にお見えになったことがあるが、それも10年以上も前のこと。Gさんは始めてのご来訪。いずれも同世代の年季の入ったマニアで「オーディオ=命」みたいな人たちばかり。当然のことながらお耳の方も一筋縄ではいかない(笑)。
昨年の秋にGさんとNさん宅をご訪問して素晴らしい音を聴かせていただいたが、そのときに「今度はAXIOM80を聴かせてくださいよ」と言われていたので、それがようやく実現の運びになったというわけ。
今回も5日(土)の試聴会のときのようにシステムの事前準備に余念がなかった。
「お前はお客さんが見えるたびにジタバタするなあ」と、言われそうだが「オーディオに血道をあげて40年以上にもなるのに、この程度の音か!」と、思われるのが癪の種だし、それに「音=美的センス」を疑われるのも悔しい。まあ“ええ恰好しい”がそもそもの動機かもしれない(笑)。
いずれにしても、お客さんが見えるたびに工夫してシステムになんらかの手を加えているが、今回はつい最近のブログに記したように「AXIM80」システムへの「サブウーファー」の追加がメイン。
しかし、自分の耳の場合は「独断と偏見」という危険を大いに孕んでいるので、前日の12日(土)に気心の知れたオーディオ仲間のAさん(湯布院)に来てもらって一緒に試聴してもらった。およそ1カ月ぶりくらいのご来訪だが、ワディアのCDトランスポートを修繕して戻ってきてからは初めての試聴。
テスト盤はベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第14番作品131」(アルバン・ベルク四重奏団)。完成度の高さからベートーヴェンの長い創作活動の中で間違いなく頂点に位置するこの名曲が音楽として鑑賞できればそれでいいという気持ちだった。
全楽章(切れ目なしの7楽章)を試聴してからのAさんの忌憚のないご意見は次のとおりだった。
1 当日の試聴会のCDトランスポートは「ワディア270」をメインにした方がいいと思います。ピックアップを交換したせいでしょうか、以前とは段違いに良くなってます。素晴らしい音像定位ですね。それに非常にクオリティが高くて目を見張るような美しさです。こんな音はちょっと出せませんよ。
2 サブウーファーの使用にまったく違和感はありません。むしろクロスオーバーを現在の300ヘルツからさらに高い方に上げてはいかがでしょう。もっと中低音域を厚めにしたほうがいいと思います。それに銅箔コイルの使用を2個から1個にするメリットもありますよ。コイルとコンデンサーの使用は少ないに越したことはありません。なお、サブウーファーがちょっとブーミーになりがちですから背圧を逃がす穴を塞いで密閉にした方がいいでしょう。
3 JBL3ウェイシステムですが、中音域の375ドライバーのローカットの周波数をメーカー指定の500ヘルツからもっと低域方向に落とした方がいいと思います。375は非常に丈夫に出来てます。小出力の真空管アンプ(刻印付き2A3シングルの3ワット程度)で駆動していますから300ヘルツくらいまで落としても大丈夫でしょう。そうするとウーファー(D130)との繋がりがもっと良くなるはずです。
まことに“ごもっとも”で、いつものことながらAさんのご指摘は実に鋭い。1はともかく、2と3は絶対に自分だけでは湧いてこない発想だった。簡単な手直しで済むので、さっそくAさんの目前で作業に取り掛かった。
以下、続く。