2~3日おきにブログの記事を登載していると、「すべて当たり~」というわけにもいかないようで、かなり極端にアクセス数が上がったり下がったりする。
別にどちらに転ぼうと得にも損にもならないわけだが、ありふれた日常生活に変化をもたらしてくれる意味では大いに刺激になっている(笑)。
例を挙げてみると、おそらく好評を博すだろうと意気込んだ記事がサッパリだったり、逆に軽く流した記事が好評だったりで本人の思惑と外れることが多いが、前者にしろ後者にしろ冷静に理由を推し量るとそれなりの思い当たる節があるので読者の見立てはなかなか鋭くて侮れないと思っている。
そこで、つい先日登載した「作曲家を演じようとした孤高のピアニスト」の話になるが、久しぶりに本腰を入れたつもりの音楽論だったが、どうせこんな「小難しくてややこしい話」は絶対に敬遠の憂き目にあうだろうと思っていたところ、何とまあ意外にも大好評だったのである!
閲覧数の結果が「2031」PV、アクセス数は「658」IP、順位は「611位」(277万ブログ中)と、近年稀に見る好成績だった。
このブログの読者はオーディオ偏重派ばかりだと思っていたが、意外にもクラシック愛好家も多いんだとついうれしくなってしまった。しかもなかなかレベルが高い。
偉そうに、そこまで言うか!(笑)
この音楽論の登載の動機についてだが、日頃からオーディオ関連の記事が圧倒的に多くて「この人は単なる音キチだ」と(読者から)思われているだろうから、ちょっと目先を変えてみたのが真相だが、よし、これからは音楽関連の記事を増やしていこうと大いに励ましになった。
そういうわけで、調子に乗って今回はウィントン・マルサリスの「バロック デュオ」といこう。
如何にジャズに疎いといってもマルサリスほどのビッグネームになるとちょくちょく記事で見たり噂を聞いたりでとても気になる存在だった。
そういう中、メル友の「I」さんから画像付きで次のようなメールが届いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/4c/297933589f03ebcaadde4a7d14061035.jpg)
「当方、ジャズをLP・CD合わせて400枚ほど所有しています。少ないですねー。まあ、厳選(笑)ということにしてください。
400枚のうちほとんどが、1950年代60年代の演奏です。この時代は、バップ、モード、フリー、アヴァンギャルドの多彩なジャズスタイルが高度に熟成したため名演奏の宝庫になっています。
1970年以降から現代の演奏までもできるだけ聴くようにはしていますが、黄金期に匹敵する演奏は多くはない・・・と思っています。もちろん一介のジャズファンの感じるところです。
そんな中で、ちょっと苦手だったウィントン・マルサリスの、私の好きな演奏に巡り合えました。
写真の上のCDは、クラシックでリリックソプラノのキャスリーン・バトルとのバロック・デユオです。ずいぶん前に購入したCDですが、マルサリスはクラシックの方が向いていると感じていたころのものです。
今回巡り会えたのが下の2枚です。
左側 自由への誓い FROM THE PLANTATION TO THE PENITENTIARY
右側 ジャック・ジョンソン UNFORGIVABLE BLACKNESS
ウィントン・マルサリスのジャズには「黒人以外にジャズがわかるか!」というところを感じてきましたが、この2枚はさらに過激です。真っ黒です!
我家の、JBLが鳴るミニミニジャズ喫茶のテーブルの上に黒人家庭のソウルフードが置いてある・・・のかと錯覚してしまいました。」
以上のとおりだが、残念なことにマリサリスのCDは持って無いのであつかましくも「お借りできると幸いなんですが」と、恐るおそる申し出たところ「いいですよ~」とご快諾!
メル友はほんとうにありがたい(笑)。
すぐに我が家に届いたので聴いてみたが、このうち「バロック デュオ」がとても気に入った。マルサリスってクラシックもいけるんだ!
彼の履歴をググってみると、何とジュリアード音楽院卒で家族全員が音楽家というエリートだった。道理で~。
いずれにしろ門外漢がジャズマンについていろいろ言っても仕方がないのでこのCDに関する3名の方々のレヴューを紹介させてもらおう。
「ウイントン・マルサリスは楽々と吹いているので、トランペット吹奏は難しくないのではと思う向きもいるかもしれないが、とんでもない。彼ほどトランペットで歌っている奏者は他にいない。ハイトーンからペダルトーンまでの跳躍や細かなパッセージ等に、無理や苦しさが一切なく、心から音楽を感じる。」
「本CDの以前に、『バロック・トランペットの響き』というタイトルで、エディタ・グルベローヴァと共演しており、本CDと重なる曲目もあるものの、興趣が異なるので両CDともお勧めである。印象としては、エディタ・グルベローヴァは澄み切っていて、キャスリーン・バトルは明るさの中にも少し哀調ありといったところでしょうか。重なる曲目について、リピートで、ウイントンは前CDではそのまま繰り返しているのに対して、本CDでは繰り返しでアレンジを加え変化をつけている点も楽しめます。特に、ヘンデルの「アン女王の誕生日のためのオード(頌歌)〜永遠の源よ」は、神々しい曲で癒されます。」
「華麗なるバトル嬢の歌声とトランペッターマルサリス氏の壮麗な演奏。それが品のある選曲と相まって、聴いていると
まるで自分がヨーロッパのお城の広間に入るような気分になります。贅沢なCDです。「ソプラノとトランペット」と聞くと、何だかうるさそうですが、ぜんぜん!気分を高揚させてくれる一枚です。」
といった調子で、クラシックファンにもお薦めのCDであることはたしかです。
「I」さんには感謝とお返しの意味を込めて、グレン・グールドの「ピアノ・ソナタ」(モーツァルト)を聴いてみませんかと、お誘いしたところ、次のようなメールが届いた。
「モーツアルトのCDのお誘いありがとうございます。グールド゛ですが、実は大好きなピアニストです。クラシックのピアニストでは1にグールド、2が無くて3にピレシュです。
LP時代は、ベートーベン5番のピアノ版をオーディオ的に大音量で鳴らしていました(笑)。大ファンになったのは、CDのゴールドベルク変奏曲(1981年録音の方)を聴いてからです。
その後、モーツアルト・ピアノソナタ全集、平野啓一郎編集のゴルデングールド(ゴールドベルク変奏曲の1954年録音を含むバッハ関係)、比較的最近ではTHE GLEN GOULD EDITION(ヘンデルとバッハのチェンバロ曲)等を図書館から入手して楽しんでいます。
グールドの音楽から、乱暴にもジャズピアニストを連想すると、逆説的に(あまりに違いすぎて、却って近くなる?)セロニアス・モンク、オーソドックスにビル・エヴァンスでしょうか。
キース・ジャレットは?という人がいるかもしれませんが、ノーノー!全然チガイマス! ワタシ、キースキライデス。ついでにオスカー・ピーターソンもキライデス。
グールドに言わせれば「ジャズと絡めるな」でしょうが、ピレシュ女史からは、こんな連想は生じませんから、グールドの偉大な存在の証ということで許していただけたらと思います。 いやー 音楽あってのオーディオですね。」
以上のとおりで、大のグールドファンとは恐れ入りました!それではCDの代わりに「カボス」を送らせていただきま~す(笑)。
それにしても、隠れたグールドファンって多いんですねえ・・・。