今年(2017)の4月に、遠路、愛知県から初めて我が家にお目見えになったオーディオ愛好家のSさん。TRや真空管アンプの製作・修繕はお手の物だし、耳の方もとても鋭い方である。
この11日(水)に里帰り(福岡県)を兼ねて半年ぶりに仲間のMさん(大分市)ともども我が家にお見えになった。
この6か月の間に我が家のシステムはすっかり様変わりしたので、試聴の結果どういうご意見が飛び出すのかとハラハラ・ドキドキ・ワクワクしながら1か月ほど前から首を長くしてお待ちしていた(笑)。
試聴盤として予定しているのは、このところ頻繁に登場しているウィントン・マルサリスの爽やかなトランペットだが、これにマッチしたスピーカーの選定に異論が飛び出すかなど興味は尽きない。
おりしも当日の朝一番に我が家に到着したのが「チューブ・オーディオ・ラボ」さん(新潟県)が製作された「13FD7」のプッシュプルアンプだった。
去る10月上旬に開催された「真空管オーディオフェア」(東京)に出品されて好評を博したもので、試聴用としてフェア終了後に我が家に送付していただく予定になっていた。
まさにグッドタイミング、午後から一同で試聴させてもらった。使用したスピーカーはエース級の「D123+ホーン型ツィーター」。
「とてもレンジが広くて元気がいい音ですね。プッシュプルならではの力感も十分だし、これならどんなソースにも対応できそうです。」というのが一同揃っての印象。
大好評のうちに1時間ほど試聴してから、切り替えて「WE300Bシングル」アンプへ。
途端に音がぐっと渋くなってしまい、一聴するととても地味な印象を受けるが、Sさんのお言葉を借りると「こちらの方が音に品がありますね。」
「まだこのアンプは出来上がったばかりなのでもっとエージングが進むと、音がこなれてきっと品がよくなることでしょう。」と申し上げたが、WE300B(1951年製)と比べるのはいくら何でもちょっと酷だ(笑)。
お値段からすると大善戦と言っていいのでこれから十分楽しませてもらうが、比較的おとなしいスピーカー、わが家でいけば「AXIOM150+デッカのリボン型ツィーター」と相性が良さそうな気がする。D130の低域用(500ヘルツ以下)に使うのも面白そうだ。
とりあえず、本日は「WE300B」アンプでずっと聴きとおすことにした。
1時間ほど試聴してから今度はスピーカーを切り替えて「AXIOM80」にしたところ、「スピーカーの存在が消えて無くなりました!」と、錯覚を覚えられたようでエッジレス・ユニット特有の音離れの良さにSさんもひときわ感心されていた。
「この音ならトランペットだって十分いけますよ」との、お言葉だったので改めて「D123・・・」に戻すと、「やはりこちらの方が上ですね。質感に厚みがありますし音の伸びも違います。」
やっぱり(笑)。
最後に我が家で唯一の大型システム「JBLのD130+裸のAXIOM80」の試聴に移った。チャンデバにより真空管アンプ2台を使った2ウェイマルチ方式で鳴らしている。
「これまでとスケール感がまるっきり違います!それに何といっても音にゆとりがあるので長時間聴いても疲れを覚えない気がします。ただ、ちょっと見た目があまり良くありませんね。裸のAXIOM80には何だか違和感を覚えてしまいます。」
「はい、たしかに大型システムの良さは感じますが、個人的にはちょっと大味になるところがあると感じています。もっと低音域がシャープに締まってくれると鬼に金棒ですがこれはもう無い物ねだりでしょう。それと見かけの点ですが、今閃いたのですがAXIOM80にホーンを取り付けるといいかもしれませんね。さっそく探してみましょう。」
3人でみっちり4時間ほどの試聴会だったが、心残りは裸のAXIOM80を入れ替えて待機中のテクニクスのウッドホーンを聴いていただきたかったのだが、Mさんから「作業が大変でしょうし、AXIOM80で十分だと思いますよ」とのことで見送りとなった。残念。
ところで、裸のAXIOM80に対して見かけが良くなるようにホーンを取り付ける話だが、その後予想だにしない展開を見せて、見かけどころか音響効果に絶大な効果を発揮し、大化けすることになるが、その顛末とやらは次回以降にしよう。
どうかお楽しみに~(笑)。