「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

趣味同士の互恵関係

2019年03月10日 | 独り言

「本の寄贈をしたいんですけど受け付けてもらえますか?」と、いつも利用させてもらっている隣町の図書館に電話してみた。

「はい、郷土資料は別なんですが、一般的な書籍は発行から5年以内のものに限っています。それに破損のひどいものは受け付けていません。」

「エッ、発行から5年という制約があるのですか・・・。それではちょっと無理ですね~。」

我が家のそれほど大きくもない倉庫にもう10年以上も読んでいない本が山積みされている。そこで処分して出来るだけスペースを確保し、オーディオルーム内の余分な機器類を置こうという目論みだった。

結果的にオーディオルームの音響空間が広くなるし音質改善にもきっと寄与できるはずで、本の処分の動機はやっぱりオーディオがらみだったことになる(笑)。

さて、本の処分方法だが、古本屋に持って行ってもどうせ二束三文だろうし、廃品回収に出すのは味気ないし、図書館に寄贈するのが一番だと思ったわけだがそういうわけであえなく挫折。

やっぱり廃品回収に出すしか方法はないようだ。そうすると何だか惜しくなって、1冊づつ本の吟味をすることにした。

音楽関係の本はのちのちブログのネタになる可能性があるので残しておくことにしたが、想像した以上に釣り関係の本が多かった。

若い時分は「オーディオ」よりも「海釣り」の方に夢中になっていたし、「防波堤の上で死ねたら本望だ。」と思っていたほどだった。

そういえば、どうしても欲しいオーディオ機器があったがとても高価で手が出せず悶々としていたときに、釣りに夢中になると「あら不思議!」いつの間にか欲しい気持ちがすっかり薄らいでいたという経験が何度もあった。

「オーディオ」と「釣り」の間でうまく心理的バランスを取っていたことになるが、これを「互恵関係」というのだろうか(笑)。

ただし、現在では釣りに行くのが何だか億劫になり、オーディオ一辺倒になってしまったが、よくしたもので授業料を払ってせっせと失敗体験を積んで、いくらか耳が肥えたせいもあろうが、どうしても欲しくてたまらないオーディオ機器がほとんど無くなってしまった。

見ただけでどういう音が出るかおよそ想像がつくし、実際に聴かなくても我が家の既存の機器との相性の良し悪しがだいたい分かるようになった効果は大きい。

我が家のオーディオもようやく8合目あたりまでは登った感じがする。

さて、ちょっと話が逸れたが本の整理に戻ろう。

釣り関係の本でも思い出に残る本は何冊か残しておくことにした。そのうちの1冊が「チヌ釣り大全」だ。

  

北九州の名釣り師「若松敬竿(けいかん)」さんの名著である。

とても懐かしい若松さんは今でもご健在なんだろうかと、名前をググってみたところ2008年12月に亡くなられていた。もう10年も前ですか・・。

どなたかのブログに次のような記載があったので無断転載させていただこう。 

「九州のチヌ釣り師ならば知らないはずはない、知らないなら残念ながらチヌ釣り師とは言えない。
 
故若松敬竿氏が25年前に執筆したチヌ釣り大全、我々チヌ釣り師にとってのバイブルであった。
 
最近はチヌ釣り師ではなく、どちらかと言えば五目釣り師の自分なのだが、今また、昔の本をよく読んでいる。
 
チヌに限らず全ての釣りに共通することが書いてあるからである。敬竿氏ほど、チヌを愛し、チヌ釣りを探求したチヌ釣り師はいないと思う。 

若松の海から、細島、対馬の海でのさまざまなチヌとの会話、知ることがなかったチヌの習性など、釣り技、釣道への探求が書かれている。」

以上、まったく同感だがこれにあえて付け加えさせてもらうと、若松氏は文章が実に巧みだった。

この「チヌ釣り大全」は「釣り文学」の最高峰と位置づけしてもいいくらいで、釣りに留まらず人生観にまで踏み込んだ含蓄の多い文章のおかげで繰り返して読めば読むほどに物事に傾注する熱意の底知れない世界へと引き込まれてしまう。

オーディオ界でいえば評論家だった「瀬川冬樹」さん(故人)あたりを彷彿とさせてくれますかね~。

こういう風に本の整理にためつすがめつ、いろいろ手間取ったがとりあえず第一次分の廃棄本をゴミの収集日に出した。

   

後は、第二次、三次と波状攻撃を仕掛けることにしよう。

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