「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「オペラ狂」だったドナルド・キーンさん

2019年09月13日 | 音楽談義

つい先日のこと、運動ジムでエアロバイクを漕いでいたら「BGM」で何ともご機嫌なサウンドが聞こえてきた。このところ、聴くと心が浮き浮きしてきていつも気になっている曲である。

バイクを中断して、たまたま接客してなかったトレーナーさん(妙齢のすこぶる美人ですぞ!)に、勇気を奮って「今鳴っている曲のタイトルは判りますかね?」と尋ねてみた。

すると、チューナーの小窓を見ながら気さくにメモしてくれた。

   

「どうもありがとう、あれ、テイラー・スウィフトですか!」

   

いくらオジサンでも「テイラー・スウィフト」ぐらい知ってるよ(笑)。

「反トランプ」を旗印にしており、アメリカの若者に絶大な人気を誇る美人歌手である。

さっそく、自宅に戻ってから「You need to calm down」(「もっと頭を冷やしてよ」ぐらいの意味かな)でググってみると、8月下旬にリリースされたばかりで、いきなり「ビルボード誌」で2位にランクされた超ヒット曲だった。道理で・・・。

運動効果を目指した末の思わぬ副産物だったが、さて、これから音楽のジャンルへと話を発展させよう。

ジャンルといえば周知のとおりクラシックをはじめジャズ、ポピュラー、歌謡曲、ラテン系などいろいろある。

「職業に貴賤はない」というが、音楽についても同様で、自分のようにクラシックもポピュラーも楽しむ人間もいるのはご愛嬌(笑)。

さて、以前のブログでも「音楽のジャンルとは」と題して、この話題に触れたことがある。

「音楽のジャンルを分ける基本中の基本は西洋音階(ドレミファソラシド)とそれ以外の民族特有の言語としての音階をもとに作られた音楽との二種類に分けられるという

そして「クラシック音楽の定義」となると一見簡単そうに見えて意外と手ごわい。そもそも定義なんてないに等しいが、結局のところ、古さ(歴史)、曲目の奥深さ、作曲家自身の多彩な人間像などがポップスなどとの境界線になる。」


そのクラシックといえどもこれまた中身の方はいろいろで、時代ごとに「バロック」派(バッハなど)、「古典派」(べートーヴェン、モーツァルトなど)、「ロマン派」(ブラームス、ヴェルディなど)といった区分があるかと思えば、「オーケストラ」、「協奏曲」など演奏形態による区分もある。

そして「オペラ」というジャンルも後者の区分に入るが、歌、演技、演奏、ストーリー、舞台装置などを網羅した総合音楽芸術として、クラシックの中でもかなりの異色な存在となっている。

期し方50年近くを振り返ってみても、クラシック好きの友達の中でオペラファンはとても少ない。

いろんなブログを拝見しても日本では、ごく一握りの人たちが楽しんでいる程度であり、もちろん自分なんぞはせいぜい階段を一段登った程度の存在だ(笑)。

前置きはこのくらいにして、本題のドナルド・キーンさんの話に移ろう。

アメリカ出身の日本文学者で日本好きが高じて日本に帰化されたことでも有名だが、惜しくも今年(2019年)の2月に97歳で亡くなられた。

お茶の間のテレビにもたびたび出演されていたので、お顔を拝見されると思い出す方がいらっしゃるかもしれない。

    

日本文学一筋の方とばかり思っていたところ、たいへんなオペラファンであることが分かった。

    

本書の末尾には実際に歌劇場に足を運んでオペラを鑑賞された回数が細かく記載され、その半端ないことに驚かされるが、遺作といってもいい本書からオペラへの愛情がひしひしと伝わってきて深~い感銘を受けた。

何しろ日本在住(帰化)での唯一の不満は「メトが無いこと」と仰っている。

メトとは「メトロポリタン歌劇場」(マンハッタン)のことである。

それでは、熱い熱情に裏打ちされたキーンさんの大好きなオペラ「ベスト10」を紹介させてもらおう。

以下、続く。

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