「熱しやすくて、冷めやすい」性分をよく自覚しているが(笑)、このところすっかり夢中になっている小型スピーカー(以下「小型SP」)。
何よりも気に入ったのは音声信号に対する反応が早く「音の立ち上がり、立下がり」が優れているところで、音像がシャープになってより「原音」に近づいているような気がする。
ただし、たまたま当たった「型番」が良かっただけかもしれないので、ほかの似たような小型SPを漁ってみることにした。何しろ「ポケットマネー」の範囲内だから懐へのダメージがほとんど無いので大いに助かる(笑)。
オークションには「あるは、あるは」で、よりどりみどりの状況だがその一方ではこれほど性能がいいのに正当な評価がなされていないことに対して腹立たしくもあり悲しくもあり~。
つい、長良川で詠まれた「芭蕉」の句を偲んだ。
「面白うて やがて悲しき 鵜舟(小型SP)かな」 (笑)
他の2種類の小型SPを何の苦も無く落札して、程なく我が家へ到着。これで全部で3種類となった。
左からABCとしよう。
Aは最初に購入したもので、BとCは追加分で同じメーカー製だが違う型番のもの。
順に聴き比べてみたが、Aが一番バランスが良かった。BとCは悪くはないんだけど何となく滑らかさが足りず周波数帯域の中の山と谷間のバラツキが目立つ印象を受けた。
小型SPといえどもそれぞれ音質の幅が大きく、「十把ひとからげ」とはいかず当たり外れがあるようで油断出来ない。
というわけで最初に当たったAが「ビギナーズラック」だったみたい(笑)。もちろん最初の持ち主の「YA」さん(豊後大野市)のセンスが良かったことも否めない。
結局、BとCが外れだったわけだが「転んでもただでは起きないぞ」とばかりBの活用方法を思いついた。
Bを「AXIOM80」(初期版)のサ「ブウーファー」として活用しようという算段である。
何といっても「AXIOM80」の唯一の弱点は「低音域の豊かさ」にあると思っているが、これら3種類のうち唯一のバスレフタイプなので低音域の量感はこれが一番だったことも理由の一つ。それにわずか12センチの小口径ユニットなのでAXIOM80のスピードについていけると踏んだのもある。
小型SPのインピーダンス「4Ω」に対して、ハイカット用の「12mh(ミリヘンリー)」のコイルを使ったが、「クロスオーバーネットワーク早見表」によると、理論上は上限「53ヘルツ」(-6db/oct)になる。
小型SPのカタログ上の周波数帯域は「50~35千ヘルツ」だから低音がほとんど出ない計算だが、それが立派に量感のある低音が出たんですよねえ。
無理を通せば道理が引っ込むのか!(笑)
一昨日の9日(土)にオーディオ仲間のYさんに来ていただいて確認してもらったところ「特に違和感がないですね」とのことでいささか素っ気なかったが特に不満も無し。
ついでにウェストミンスターを聴いていただいた。
開口一番「見かけが悪いですねえ!」と、辛口だったが(笑)、サウンドについては「まったく小型SPが鳴っているとは思えませんね。なかなか豊かなサウンドです」。
これに対して「200ヘルツ以下をしっかり支えることが出来たら芳醇なサウンドになりますよ」と、ここぞとばかり図に乗る自分がいた(笑)。
小型SPを駆動するアンプについては「WE300Bシングル」と「EL34プッシュプル」(画像左側)との一騎打ちとなったが、Yさんは「サウンドの密度が上です」とのことで後者に軍配を上げた。
オーディオ的には納得したが、自分は「サウンドの色気を優先したい」ので前者が好み。
小型SPは能率が低くて(85db前後)ローインピーダンス(4Ω)のユニットなのでかなりのハイパワーが必要だ。
おそらくこれらの小型SPは当初から真空管アンプを想定しておらずTRアンプ用として製作されたものだろう。
1年ほど前に手に入れたこの「EL34プッシュプルアンプ」は紆余曲折があり、取り扱いミスがあって電源トランス故障の憂き目を見たが、「タンゴ」製への入れ替えや回路の見直し、高級ボリュームへの交換(東京光音製)などにより、当初に比べて高音域が見違えるほど良くなっている。
ただし、古典系のスピーカーには相性が「?」で、それほど期待していなかったが、この度の降って湧いたような「小型SPラッシュ」でまさに「晴天の霹靂」のように出番が回ってきたことになる。
まったくオーディオはいつ出番がやってくるか「一寸先は闇」ですね~(笑)。
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