「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~スピーカー修理の達人~

2008年05月13日 | オーディオ談義

5月11日(日)は母の日。

自分は91歳になる母と同居しているわけだが、「一緒に住んでいることが親孝行」と横着に構え、当日は図書館から大活字本の「鬼平犯科帳」を借りてきてやったくらいで何も特別のプレゼントはしなかったが、福岡に住んでいる姉からは母宛にということで小包が送ってきた。

その中に「この新聞はtakashiへ」との添え書きで記事が同封。
2008年3月22日(土)付けの朝日新聞で「フロント ランナー」という別版になった特集記事に大きく
「よみがえる往年の音と響き」という見出しのもと「ビンテージ・スピーカー(以下、SP)修理の達人・佐藤絹子さん」とある。

これは非常にうれしくてためになる情報で大喜び。自宅でも朝日新聞を購読しているのだがツイ別版のため見落としていたとみえる。急いで中の記事をじっくり読ませてもらった。まとめてみると次のとおり。

山形県鶴岡市にある電器屋さん「オーディオラボ・オガワ」はビンテージSPの修理で全国に知られる。秋葉原はじめ全国の販売店から修理依頼が来ており、毎月60~70件修理して、半分が販売店から、残りは個人客で
「ゴッドハンド」への以来が2ヵ月先まで埋まっている。

その「ゴッドハンド」の持ち主が佐藤絹子さん。
特別に耳が良くて音の感じ方が違うそうで、SPの修理で一番大事なのは
カンと経験だとおっしゃる。不良品などのチェックで試聴したSPの数は誰にも負けず、これまで十数万台は手がけたという。

小川社長によると「彼女は音の感じ方がまったく違います。僕らはおかしいと感じてもどこが問題か簡単には分からない。彼女は一発で異常に気付き長い経験と実績で悪いところを突き止めます」

彼女によると、音の7割がSPで決まり、使い込めば使い込むほど音が良くなる、エイジング(熟成)が大切で手入れすれば半永久的に使える。SP本来の音が出るまで一般的に100時間かかり、10年後に「今が一番いい音」という方もいます。

それに大切なポリシーがあって、「元の音に戻すだけで音質を改良しないのだ」という。何故なら「元の状態なら素晴らしい音が出る。メーカーのオリジナリティー、音質を尊重したい。」とのこと。(この辺はやや耳が痛くなる話。)

どんなに古いSPでも修理できるそうで、これまで一番大変だったのは
「アキシオム80」という英国グッドマン社の製品で、50年代のSPで、音の調整が難しく、1ヵ月かかりました!

ついに出てきた「アキシオム80」。

この記事により自分が現在使っている「アキシオム80」がいつ故障しても修理可能の保障が確保できたわけでやっと一安心、実にタイミングがいい情報。

実は、つい2~3日前のことオイストラフが弾くブラームスのV協奏曲(コンヴィチュニー指揮)をWE300Bのアンプで鳴らしていたところ、第二楽章のところで「アキシオム80」の右チャンネルから2回ほどビビーと大きな雑音が出てきたのでビックリ仰天。

ものすごくデリケートなSPなのでスワ故障かと色めき立ち、他のいろんなCDをかけて聴いてみたが異常なしでまずは胸を撫で下ろしたばかり。

しかし、すごく気になるので湯布院のAさんが以前「アキシオム80」を修理に出された話を思い出したので電話でお尋ねしてみた。

それによると、アキシオム80の故障の症状としてはボイスコイルと振動板の間がものすごく狭いためそこが接触してガサガサと音がするとのことで、とても素人の手が及ぶところではない精密を要する箇所なので、とある専門店で修理してもらったところあまり満足のいく出来栄えではなかったそうで、もし故障したときは経験の豊富な工房を慎重に選ぶべきとのことだった。

次いで、同じくオーディオ仲間のMさんも昔このSPユニットを使用されていたので詳しく症状を話してご意見を伺ったところ、それはSPの責任ではなくてアンプが原因で高域部分に発信現象が起きている可能性が高いとの診断だった。SPの故障であればピアノを聴いたときに歪音が出て判断できるとのこと。

このアンプはひときわ高域のヌケがいいと高くかっていたのだが、どうやら紙一重の差で悪い方向にいったらしい。「アキシオム80」はアンプを選ぶとは聞いていたがどうやらこういう現象を指すようだ。高域が歪っぽいアンプは完全に拒絶する習性が段々分かってきた。

とにかく、当分の間この気難しいSPユニットに振り回されていろいろと勉強させられることが続きそうである。

 
 

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 愛聴盤紹介コーナー~試聴盤... | トップ | 釣り紀行♯24~久しぶりの釣... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事