財政規律の放棄の火の手
2017年7月9日
思わず耳を疑いました。自民党当選2回の議員30人が財政再建目標の放棄、消費税10%への引き上げ凍結、教育国債の創設など盛り込んだ提言をまとめるという動きです。財政規律の放棄を若手議員が勝手に提唱できるはずはありません。官邸の誰かが裏で糸を引いているに違いありません。
「安倍1強政権」だからこそ財政再建に果敢に取り組むのかなと思っていましたら、その逆でしたね。ノーベル経済学賞のシムズ教授の経済理論が急に日本で紹介されだした年初あたりから、財政規律を緩める地ならしが始まりました。「消費者物価上昇率が2%に達するまで消費税の引き上げを見送る」、「インフレによって政府債務を軽減する」、「そのことを政府は宣言し、インフレ心理を高める」などが政策面の骨子でしょうか。
複雑な動きで決まる経済現象を単純化したモデルで考え、基本的な構造をつかむという点では、経済理論の効用があります。問題は日銀の黒田総裁が「いろいろな前提をおかないと、出てこない話」と距離を置いているように、経済現象を考える上での模型みたいなものです。現実の世界にそのまま当てはめても、理論通りの結果を期待できません。
シムズ理論という伏兵
いくつかの疑問点を列挙しましょう。「物価2%上昇の実現に何年かかるか不明。その間、財政膨張、消費税凍結が続くと、財政赤字さらに積み上がる」、「かりに2%上昇を達成し、政府債務をインフレ効果で削減し、目標を達成したとしても、そこからまた財政赤字の拡大が始まる」、「最も重要なのは、歳出の合理化、効率化と消費税の引き上げなどの増収策であり、これなくして財政再建は不可能」、などなどです。
さらにこの理論が紹介され始めてから、「財政規律の放棄に悪用される」、「財政膨張の口実に使われる」との警告が高まり始めました。精緻な経済理論も政治家の手にかかると、都合のいいように使われる、つまみ食いされるという好例です。特に、再選が危うい若手議員は、財政出動を選挙対策に使いたいのです。
政府はもっと巧妙で、6月に決めた経済財政政策の基本方針(骨太の方針)で、財政再建目標を難しい表現を使って変えてしまいました。公債残高の金額の削減(基礎的財政収支の黒字化)よりも、国内総生産(GDP)比率の引き下げを重視する方向に転換しました。
経済理論と政治経済学の違い
これに対する疑問点は何でしょうか。「GDPを増大させるため、経済成長を重視し、国債増発を認める」、「成長を減速させるとして消費税10%は見送る。税収不足は国債増発でまかなう」、「経済成長によって財政の増収を図るという景気対策は過去、何度も行われ、長期的には失敗で、その結果が国債残高(含む地方債)1000兆円」、などなど。
重大な問題は、治しがたい政治経済学的な病です。「景気が悪いといって、財政出動をして国債を増発する」、「景気好転に伴う増収があっても、まだ景気は脆弱とみて、国債の償還、減額あにてず、使ってしまう」、「いつまで経っても国債は減らないところが増え続ける」です。あるいは「意図的に高めの成長率を設定して、税収を多く見積もり歳出規模を拡大する。税収が不足すると、補正予算を組むから赤字の垂れ流しに」です。
これに社会保障費の膨張が加わります。最大の財政赤字要因なのに、選挙対策で本格的な手を打たないのです。「1強政権」というのに、支持率を気にして、年金支給年齢の引き上げ、支給額の減額などに踏み込みません。
政府の景気分析では、安倍政権が発足(12年末)して以来、景気拡大が続いており、戦後3番目の長さになっているそうです。消費税を8%(14年)に引き上げた影響も「景気後退あっといえない程度」(内閣府の景気動向指数)といいます。低成長、ゼロインフレは財政金融政策が間違っていたというより、趨勢的にそういう時代に入ったのです。
新産業の育成、社会構造の変革が進めば、新しい視野が広がってくるでしょう。それが遅れたのは、財政金融政策を重視しすぎてきたため、それに甘えて変革が進んでこなかったのです。無理して成長率をあげよう、物価を上げようとしても、財政金融への負担が増えるばかりでしょう。
そもそも民間企業と言うものは「この分野は儲かりそうだな」という欲望的な判断から投資します。投資とは別部門なり子会社なりを設立するということです。ところが現政権は中央銀行が「マネーサプライを増やせば上手く行く」という愚かで単純な間違いを犯しています。
マネーは余っているのですよ、ホントは。
余り過ぎて(誰も借りてくれなくてと言う意味)銀行が困っているくらいなのです。
銀行が困るくらいなぜ民間企業が金を借りようとしないのか、、、。
答えは簡単です。
「儲かりそうな分野が見当たらない」
からです。
つまり政界官界に群がる既得権達が最も嫌がる「規制の撤廃」をしないことには、民間経済の復活とか自立なんてのは有り得ないのです。
こんな状況の中日本も緩やかの景気上昇トレンドに入ったと思われる。しかし、将来のことは見通せないが、一瞬にして反転しても可笑しくない、世界情勢だと考えてもよいだろう。
中東では原油利権の縄張り争いで、サウジアラビアとイランが対峙し、水面下ではアメリカとロシア・中国が対峙している。その他にも複雑に交差し、パレスチナ問題・宗教・民族と混沌とした状態で、剰え環境破壊で人間が生存するに適さない土地と化している。
戦後の世界はドルショック・オイルショック・プラザ合意等の波乱はあったものの一応人間の叡智で乗り切り、先延ばしして切り抜けてきた。
この時代の変わり目に何があっても不思議ではない、世界大戦・世界に及ぶ自然破壊により、未曽有の大混乱も手中に収めて財政運営が求めらるのではないだろうか。
家庭の家計と国の財政は違うから、物価上昇率が2%になるまでばら撒けと主張する方もいますが、それは人間がコントロールできる経済の変動幅が永遠に続く前提なら同調できるだろうが、この先大恐慌だって充分有り得る。
その時ハイパーインフレーション・スタグフレーションで全く余力のない日銀・財務省が、どのような方法で赤字国債を捌くことが出来るのだろうか。
緩やかな景気拡大期に、意味の無い支出は抑えるのが、財務省の当然の仕事だろう。日銀の資産500兆円どうする。経済アナリストでさえこの先とうなるか・・・想像さえ付かないと大半が述べている。
笑うしかないそうだ!!!
安倍支持者なら、ネットチックしている暇あったら、世界情勢・世界経済を研究したほうが、日本の為になるのではないのでしょうか。
ブチ切れ安倍がどうなろうと、日本の国のことを考えて行動してほいし、まさか安保法案成立したからと言って、集団自衛権だとの大義で日本の裏側の中東まで大砲もっていかないで欲しい。
あのアメリカでさえ北朝鮮で青年が拷問死しても、「非難」するに留めているのに、安倍総理は中東で日本人人質がイスラム国に殺されれば、「戦うぞ」イギリスでテロが起これば「戦うぞ-戦うぞ」と宣戦布告・・・挙句の果てバングラデッシュで日本人が7人殺される。
こういうのブチ切れと言うんでしょう。違います・・・
あなたはシムズ理論を単純と言っていますが、日本はまだシムズ理論にあるような政策をまともに実行できていません。
片や緊縮政策は橋本・小泉内閣、旧民主のアホなど20年近く実行してきています。
その結果、国民の所得は増えましたか?
結果の出ない政策を20年間も実行してきた政府もバカですが、財務省はもっとバカです。(確信犯なのかな?)
後社会保障費の膨張とありますが、これはある意味GDPの下支えに繋がっている。社会保障費の増大による政府支出がなければGDPはもっと減っていたでしょう。
おそらく経済対策・ばら撒き政策で一時的に盛り返しても、下降トレンドは変える余地はないだろう。ただ日本の将来の真摯な発展のためには、安倍晋三は不要な存在だ。
人間の人間たる所以は、道徳を持ち言語を持つ、だから安倍支持者の意見にも耳を傾けるつもりだが、当の安倍支持者は金と権力を基盤に正当な意見を排斥しょうとする。
情けない連中だ・・・誰の為に日本の将来を、色々模索しろと言うのだろう。
返す返す残念無念だ!