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自衛隊ワクチン接種センターに感謝の体験記

2021年06月11日 | 社会

 

はとバスの送迎は過剰サービス

2021年6月11日

 ワクチン接種をやるという近くの開業医だと、予約は7月になる。もっと早くと思い、地元の自治体に申し込むと、6月下旬になる。自衛隊東京大規センター(竹橋の合同庁舎)をチェックすると、一週間前に6月10日の予約が直ぐ取れ、昨日、久しぶりに都心と自宅を往復しました。

 

 午後4時の予約の20前に会場に着き、長時間、待たされるのだろうと覚悟していましたら、もう流れ作業のコンベヤーに乗った感じです。地下鉄の竹橋駅で下車すると、案内板を持った誘導員が各所に配置され、指示に従うと、迷わず会場に到着できました。

 

 仮設プレハブの受付窓口で、地元自治体から送ってきた接種券、身分証明の自動車免許証を示した後、体温測定(私は36・5度)、問診票提出などいくつかチェック・ポイントを流れるように通過していきました。

 

 コーナーごとに誘導員がおり、移動線を間違えないように指示してくれました。その後、エレベーターで上階に上がり、看護士による問診票のチェックを終えると、すぐ脇の仕切ったコーナーでワクチン接種です。

 

 この間、移動するごとに、手の消毒を合計7,8回も求められ、これはさすがに「多いなあ」でした。胸の筋肉が盛り上がり、いかにも自衛隊らしい医務官(医師)による注射で、はい、終わりです。

 

 私の場合の経過観察は15分で、「4時11分退出」の紙片を渡され、時間通りに会場をでました。4時の予約の20分前に会場に着き、退出したのが4時11分ですから、この間30分です。接種作業の手際よさに感謝しました。

 

 問題はその後です。会場出口には、東京駅までの送迎バスが何台も並んでいました。「はとバス」とあったので、久しぶりに乗ってみるかと、乗車しました。駅まで10分だったでしょうか。

 

 コロナ対策で観光業が閑古鳥となり、「はとバス」も遊休状態ですから、営業支援のつもりで動員したのでしょう。それにしても「そこまで高齢者を優遇する必要はあるのか」が率直な疑問です。

 

 バスに乗っていて、疑問が次々に沸いてきました。説明書を読むと「重症化リスクが高い方から順番に接種します」とあり、「医療従事者、高齢者、基礎疾患がある方、高齢者施設の従事者」となっています。

 

 「医療従事者、基礎疾患のある人」はともかく、「高齢者」を一律に優先する扱いには首を傾げてしまいます。

 

 「感染抑止か経済か」がコロナ対策の大命題です。そのためには、現役世代(20ー60歳代)に働いてもらうことが最も「経済」にはいい。

 

 それには、ワクチン接種では、現役世代こそ優先すべきだと思います。少なくとも、よほどの高齢者を除き、年齢で接種の優先順位をつけるのではなく、同等に扱うべきでしょう。

 

 高齢者医療は、現役世代の健保からの支援金、勤労世代からの納付が多い税金で支えられ、自己負担は1割(2年後からは2割)に過ぎません。現役世代が健康で働いてくれていないと、高齢者は困るのです。

 

 もっとおかしいのは、自民党国防部会は「自衛隊員にワクチン優先接種を求める決議」をまとめたのが5月下旬です。優先される医官、看護官を除いた自衛官の接種はほとんど進んでいないそうです。自衛隊で新型コロナが蔓延したら、国防どころではなくなる。自衛官優先は国民のためになる。

 

 国会議員の接種も、5月下旬の段階でまだ「世論が怖くて、優先接種できない。コロナ対策を含め、国政を担当する国会議員がワクチンを打っていない。国家の危機管理上、好ましくない」とかの議論をしていました。

 

 どうなったのでしょうか。「国会議員の集団接種は当面、見送り」とかの報道が最近もありました。国際的な笑いものです。首相、閣僚以下、早期に接種してもらい、頭をシャープにしておいてもらうのが必須です。

 

 危機管理における基本的な認識に欠けているのです。危機管理は最悪の状態を想定し、危機の段階に応じた準備態勢を整えておくことが基本です。

 

 地方自治体の知事、市長、議員も優先すべきです。どこかの市長が「医療従事者」扱いで優先接種したことが叩かれていました。これはおかしい。地方行政とコロナ対策は不即不離なのです。優先すべきです。

 

 自衛隊の動員も突然、官邸が指示しました。感染拡大の継続で官邸が腰を抜かしたのか、突然、企業単位、大学単位へと集団接種の範囲を広げています。歯科医による注射の指示も驚きました。

 

 危機の段階に応じた対応を当初から想定していない。泥縄式に慌てふためいて、やれるものは何でもやる。菅首相は「首相がいっているのだから、それをやれ」式なのです。

 

 これまで、あまりにも官邸主導を振りまわすものだから、各省庁の官僚はいうべき言葉を失い、自発的に動こうとしない。東京駅までの「はとバス」の揺られながら、政権トップ頭脳に効くワクチンを開発できないものだろうかと、考え続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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