私 「失礼ですが、念のためお名前を教えていただけますか?」
店員「○○です」
私 「はい?」
店員「○○です」
私 「? お名前が良く聞き取れないのですが、もしかして外国の方ですか?」
店員 「はい、私はロシア人で○○という名前です」
これは、先日フランスの雑貨を取り扱う店に電話したときの、店員と私のやりとりです。
以前、この店を訪れたときには、中国人と思われる女性が対応してくれたのを思い出し、フランスの雑貨を扱う店とはいえ、数年前までは全店員が日本人だったのに、この2~3年でずいぶん変わったものだと思いました。
それから数日たって、再びこの店を訪れる機会がありましたが、今度は対応してくれた店員は白人の女性でした。
私 「先日の電話に出てくれたロシアの方というのは、あなたでしたか?日本語が随分お上手ですね」
店員 「私ではありません。私はフランス人です」
私 「このお店には先日は中国人の方がいたし、電話に出てくれたのはロシア人の方だし、今日はフランス人。こちらは、フランスのものを扱っているのだからフランスの方がいるのは不思議ではないけれど、それにしても国際色豊かですね」
店員 「国際色?」
私 「international ですね」
店員 「あっ、そうです。国際色豊かなんです」
厚生労働省の「外国人労働者の雇用状況の届け出状況」(平成27年10月末現在)によると、外国人労働者数は91万人だそうです。国別では、中国人が3分の1の約30万人、それにベトナム、フィリピンと続き、それぞれ10万人ずつほどです。ちなみに、アメリカ人は約2万6千人で、意外に少ない印象です。
最近では、飲食店で中国人が働いているのは日常的な光景のように感じます。先日訪れたお店では大使館が近くにあることも影響しているのか、複数のミャンマー人が流ちょうな日本語で接客をしてくれましたし、とても感じが良かったです。
実際、最近では私が講師を担当する研修に、外国人が参加していることも珍しくなくなったと感じます。中国人や韓国人、アメリカ人が受講しているのはごく普通の光景となり、そのほかにも台湾人、インドネシア人、インド人、マレーシア人が参加する研修もありました。
こうした外国人の受講者は、いずれの人も日本の会社に正社員として採用されているだけあって、皆とても優秀です。日本語を「話す」、「聞く」ことができるのはもちろんのこと、きちんとメモを取る人が多く、それも日本語で「書く」ことができるのです。「話す」「聞く」「書く」の3拍子がそろっているということです。
さらに、受講態度は非常に前向きで、わからないことは研修中だけでなく研修後にもしっかり質問し、研修後の感想もあいまいではなく自分の言葉ではっきりと答えてくれます。
このため、外国人の受講者が一人でもいると、他の日本人の受講者も刺激されるようで、研修全体の雰囲気がとても前向きになると感じています。
先の厚労省のデータでは、外国人労働者数は平成27年までの4年間で、23万人増えています。今後、さらに右肩上がりで増えることは間違いないでしょう。
外国人労働者が増えることについては、メリット、デメリットの双方があると思いますが、これまではどちらかというとメリットが多かったように感じています。
しかし、全体の人数が増えていく分、今後はいろいろなケースが出てきて、デメリットも顕在化してくるだろうと思います。
日本の活力になっていただくためにも、法的な手続きだけでなく、人材育成の場においてもどのように準備をして取り組んで行けばよいのか。
人材育成の一助を担うものとして、弊社も新たな提案ができるように、引き続き取り組んでまいります。
(人材育成社)