「次年度のではありません。今年の4月の採用活動です。人数が計画に満たなかったので、まだ採用活動を続けているのです」
これは先月(3月1日)、ある上場企業を訪問した際に、研修担当者から伺った話です。リクルートスーツ姿の人を見かけたので、「今日からさっそく次年度の採用活動が始まったのですね」と声をかけたところ、冒頭の返答があったのです。
入社式までちょうど1か月のタイミングにもかかわらず、少しでも予定人数に近づけるべく、ぎりぎりまで採用活動をしているとのことでした。
数年前から売り手市場になっていますが、採用活動がいかに厳しいものになっているのかがわかります。
さて、一昨日4月2日に大半の企業が入社式を行いました。報道によると、今年は新入社員を「おもてなし」するような入社式が目立っているとのことです。社長自らがハイタッチで新入社員を出迎えたり、歌手を呼んだりするなど非常に丁重な「おもてなし」のようです。
かつてのバブル時代を知っている私としては、まさにその頃を彷彿とさせるような入社式の様相だと感じました。
先日、明治安田生命の「今春の「新入社員」を対象に就職活動、働き方・お金に関する意識についてのアンケート調査(新入社員に就職活動の実態について調査)」の結果が発表されました。調査によれば、新入社員の内定企業数は平均2.28社で、2年ぶりの増加だそうです。
企業側からすると、2.28社の中からわが社を選んで入社してもらったということになるのでしょうから、おもてなし入社式になるのももっともなことなのかもしれません。
こうして入社した後に行われるのが新入社員研修ですが、私も昨日から担当させていただいています。
実際に新入社員に会ってみると、最近の傾向と同様、今年の新入社員も全体的に真面目ですが、同時に少々大人しいなとも感じます。
前述の調査結果では、就職先に自社を選んだ理由に「仕事のやりがい」を挙げた人が高い割合を示していましたが、研修の中で新入社員同士の会話を聞いていても同じことが感じられます。
しかし、この「仕事のやりがい」、何をもってやりがいとするかは人それぞれだと思いますが、本来やりがいは簡単に得られるものではありません。
たとえば、仕事を失敗してしまったり、上司から叱られたりする中、できなかったものが少しずつできるようになったときなどに、ようやく得られるものなのです。
しかし、最近は異口同音に「やりがい」という言葉を口にする新入社員があまりにも多いので、もしやりがいを短期間で実感できなければ、彼らはすぐに仕事に興味や関心を失ってしまうのではないかと少々心配になってしまいます。
そして、そうならないように新入社員研修できちんとお伝えするのも、自分の大事な役割だと改めて思っています。
さて、公益財団法人の日本生産性本部から毎年、新入社員の特徴とタイプが発表されていましたが、ホームページによるとこれは昨年度で終了したとのことです。
因みに、2017年は「キャラクター捕獲ゲーム型」、2016年は「ドローン型」だったそうです。
その時々の出来事等をうまく反映していますが、もし今年もこれが続いていたら何になったのか、気になるところです。皆さんなら一体何と名づけられますか。