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「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「在宅勤務はAチームとBチームに分けて行っています。週に1回は出社することが
ルールになっていますが、チームが異なるとタイミングが合わない場合には滅多に会
えないという人もいます」
これは、新型コロナウイルスが猛威を振るう前から在宅勤務制度を取り入れている、ある企業の研修のご担当者から聞いた言葉です。コロナウイルスの感染拡大によって、在宅勤
務の頻度は一気に進み、現在は部署によっては週4日在宅勤務を取り入れているとのことです。
東京商工会議所が9月から10月にかけて会員企業に行った調査によると、テレワーク
経験のある都内企業788社のうち、テレワークを現在も続けている企業は46%とのこと
です。それらの企業では「働き方改革が進んだ」と評価しつつも、その中の58%の企業が「社内のコミュニケーション」を課題として挙げたそうです。
もちろん、社内のコミュニケーションの課題については、テレワークを導入したことによって起こった問題というわけではありません。これまでのように、毎日出社して対面でコミュニケーションとっているときであっても、コミュニケーションの徹底は簡単なことではなかったはずです。しかし、ここにきて改めて問題が顕在化してきているということだと思います。
こうしたコミュニケーション不足を補うために、多くの企業ではテレワークの導入以降定期的にオンラインミーティングを行ったり、SNSなどのデジタルコミュニケーションを駆使したりするなどの取り組みを進めています。
しかし、どんなに工夫をしたとしても対面で仕事をするときとくらべ、在宅勤務では明らかにコミュニケーションの絶対量が減っているのではないでしょうか。
実際に、対面コミュニケーションと物理的な距離とコミュニケーションの頻度の関係
については、「アレンの研究」と「ベン・ウェイバーの研究」があります。
トーマス・アレン(マサチューセッツ工科大学教授1977年)の「アレン曲線」は、コミュニケーションの頻度と物理的な距離には強い負の相関関係があるというものです。
アレン曲線によれば、約1.83メートル離れた人同士と18.3メートル離れた席の人同士を比較した結果、距離が近い人同士の方がコミュニケーションをとる確率が4倍増えたということです。
また、もう一方のベン・ウェイバーの研究でも、対面のコミュニケーションとデジタルコミュニケーションのいずれのケースでもアレンの研究と同様の結果がでています。
具体的にはオンラインなどのデジタル環境になっても、日頃から対面で働いている人同士は物理的に離れている人同士よりも20%ほど多くコミュニケーションをとっていることが明らかになっているのです。
これらの研究からは、どんなにデジタルツールをフルに活用したとしても、やはりコミュニケーションは対面の方が行いやすいと言えそうです。
さらには、私のオンライン研修での経験からも、オンライン・対面それぞれに一長一短はあるものの、相手の表情などを見ながらより密にコミュニケーションができるという意味で、対面の方が勝っていると思います。