共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はヨハン・セバスティアン・バッハの誕生日〜ゲーベル指揮による《管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068》

2024年03月31日 16時50分35秒 | スピリチュアル
昨日から更に気温が上昇し、今日は遂に今年初の夏日を迎えました。この暖かさ…いや暑さで、ソメイヨシノの開花もかなり促進されることでしょう。

ところで、今日3月31日はバッハの誕生日です。



ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)の誕生日は3月21日と書かれていることがありますが、それはローマ帝国時代から使われていたユリウス暦上でのことで、1526年に公布されて以降広く使われているグレゴリオ暦上では3月31日となります。

バッハの来歴については、ここであれこれ述べるまでもないことかと思いますので、今日は数あるバッハの作品の中から《管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068》をご紹介しようと思います。

バッハの《管弦楽組曲》は《ブランデンブルク協奏曲》と並ぶその代表的管弦楽作品の一つで、第1番BWV1066から第4番BWV1069までの独立した4組曲から成っています。それぞれバリエーション豊かな4作品は当時の様々な舞曲や宮廷音楽の集大成であり、またフランス風序曲形式の一つの完成体を見ることができるものとなっています。

成立年代はそれぞれ、バッハが世俗器楽曲を多数作曲したケーテン時代(1717年〜1723年)、またはそれ以前のヴァイマール時代(1708年〜1717年)と考えられています。ただ、トランペットやティンパニを含んでいる第3・第4組曲などの編成を見ると、当時のケーテン宮廷の小規模な楽団には不釣り合いと思われるので、ケーテン時代の後のライプツィヒ時代(1723年以降)にコレギウム・ムジクムでの演奏のために大幅に加筆された可能性が高いと考えられています。

因みに第4組曲の序曲は、バッハ自身の手によってヴィヴァーチェ部分に合唱を加えて《カンタータ110番『笑いは我らの口に満ち』》の冒頭合唱曲に転用されています。また、かつて『第5番』とされていた《管弦楽組曲ト短調BWV1070》は、現在では長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの作ではないかとの見方が有力視されています。

《管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068》は、4つの組曲の中でも第2番と並んで有名な作品です。中でも第2曲の『アリア』は『G線上のアリア』として単独で有目ですし、第3曲の『ガヴォット』はヴァイオリン教則本に必ず登場する曲として知られています。

『G線上のアリア』というタイトルは第2曲『エール (Air)』を、ドイツのヴァイオリニストであるアウグスト・ウィルヘルミ(1845〜1908)がピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のために編曲したものの通称です。その名の通りヴァイオリンの最低音のG線だけを使って演奏するというものですが、よくぞこうやって演奏できることに気づいたものだと思います。

そんなわけで、今日はバッハの《管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068》をお聴きいただきたいと思います。ラインハルト・ゲーベル指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団の演奏でお楽しみください。


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久々の座間神社参詣

2024年03月30日 19時25分10秒 | 神社仏閣
今日は一段と暖かな陽気となり、気温も夏日に迫るくらいになりました。そんな中、今日は用事があって座間市まで出かけていました。

思いの外早く用事を終えて急に暇になってしまったので、久しぶりに座間神社まで行ってみることにしました。昨年のひな祭り以来、一年ぶりの参拝です。

鳥居の前に着くと



誰もいない階段が聳えていました。日差しを背に受けながら登っていくと



拝殿が姿を現します。

参拝を終えてから、上を見上げてみました。実はここに来た理由の一つとして、桜が咲いているのではないかという期待があったのです。

で、実際はどうだったかと言うと



本当にチラホラと咲いているだけでした。さすがに昨日開花宣言があったとはいえ、まだまだソメイヨシノの蕾は固いようです…。

気を取り直して境内を見渡してみると、



御神木の椎の木が青空に聳えていました。そして、



神奈川県央部の神社に見られる謎の存在『宮鐘(みやがね)』が異彩を放っていました。

厚木に帰ってから近所を見てみても、まだまだソメイヨシノは咲いていませんでした。ある意味、来月の入学式に保ってくれそうではありますが、やはり春休み中にはお花見をしないな…とは思っています。

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ついにサクラサク!

2024年03月29日 16時30分30秒 | 
朝のうちは春の嵐となり、かなりの風で窓がガタガタと揺れていました。その風雨も徐々に収まってきて、午後になると何事も無かったかのような晴天が広がり、気温もグングン上昇して20℃を超えました。

そんな中、靖國神社境内のソメイヨシノ開花宣言標準木の下に東京管区気象台の職員が出向いて開花状況を確認し、ついに今日、東京のソメイヨシノの開花宣言が出されました。昨年は3月14日という異例の早さで開花しましたが、それより半月遅れてようやく開花が宣言されました。



今まで開花を待ちに待っていた桜の蕾はパンパンに膨れていましたから、午後の急激な気温上昇に刺激されて一気に開花したようです。この時期に開花し始めたくらいですから、今日のような嵐が吹き荒れたりしなければ、もしかしたら来月の小学校の入学式まで保ってくれるかも知れません。

厚木の開花状況は、私はまだ確認できませんでした。もう少し経ったら、いろいろと確認しに行ってみようと思います。

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桜咲いた!…と思ったら

2024年03月28日 17時00分00秒 | 
今日も曇り空が広がる、生憎の天候となりました。気温も予報ほど高くはならず、一枚羽織っていた方がいいくらいでした。

そんな中、いつもは通らない道を歩いていたら、何だか桜のような花が咲いているのが見えてきました。

『これはもしや…!』

と近づいてみた…のですが、


こんな感じの花でした。

木肌の質感は正に桜のようなのですが、何だか違和感が拭えません。よく見てみると



蕊が桜というより梅の花のようですし、



桜の花の特徴である花弁の先端の切れ込みも見当たりません。

では一体なんだろうか…と思って調べてみたところ、この花は『ベニバスモモ』という花であることが分かりました。漢字で書けば『紅葉李』、つまりスモモの花だったのです。

いずれもバラ科サクラ属の樹木なので、



こうして並べてみるとかなり似ています。しかも開花時期もソメイヨシノよりほんの少しだけ早いだけなので、余計に間違いやすいようです。

違いとしては、先程も書いた通り花弁の先端に切れ込みがないことと、紅葉李は文字通り花とほぼ一緒に紅い葉が出てくることです。東京・靖國神社のソメイヨシノ標準木はまだ開花宣言を出すには花数が足りなかったようですが、一足早く開花気分を味わうことができました。

相変わらずAndroidからgooブログへの画像添付は出来ませんが、PC版から添付する術があることが分かったので何とか写真を載せることができました。現時点でまだ不具合は解消されていませんが、問題なく画像添付できるようになるのはいつのことになるのでしょうか。

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これで食べ納め『デコポンのワッフル』@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2024年03月27日 20時50分10秒 | カフェ
昨日から、何故だかgooブログに画像添付ができなくなってしまっていました。gooスタッフによれば、Androidからだけ画像が送れなくなるトラブルが発生しているようでした。

それは今朝になっても解消されておらず、このままでは今日は更新をお休みしなければならないかも知れないな…と思いつつ横浜あざみ野の音楽教室に向かいました。そして、いつものように《雫ノ香珈琲》に立ち寄りました。

今日は個人的に3月最後の来店になるので、『デコポンのワッフル』の食べ納めをすることにしました。一応写真は撮ってみて、ダメ元で写真を添付してみたら…



なんと、ちゃんと載せられたのです!

ただ、写真のページからブログに飛ぶことはできても、記事を書いている途中に画像を差し込むことはまだできません。このトラブル、なんとか早く解消してもらいたいものです。

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今日はリー・ハーラインの誕生日〜知らないなんて言わせません!

2024年03月26日 19時20分56秒 | 音楽
今日は朝から強い雨の降る、荒れた天候となりました。気温も予報ほどは上がらず、肌寒い一日となりました。

ところで、今日3月26日はリー・ハーラインの誕生日です。



リー・ハーライン(1907〜1969)は、アメリカ合衆国の作曲家です。

リー・ハーラインはユタ州ソルトレイクシティ出身です。ユタ大学を卒業後、ロサンゼルスでラジオ局の音楽ディレクターを務め、1932年から1941年までウォルト・ディズニー・プロダクションに所属して『シリー・シンフォニー』の音楽を手掛けました。

その後の作品にはフライシャー・スタジオの『バッタ君町に行く』(1941年)や、ボブ・ホープとビング・クロスビー主演の『アラスカ珍道中』(1945年)などがあります。

…とここまで言われても『?』となる方がほとんどかと思います。しかし、《星に願いを》の作曲者だと言えば「あぁ!」と思うでしょう。

《星に願いを》は、1940年に作曲されたディズニー映画『ピノキオ』の中の一曲です。『ピノキオ』の他には、1937年に作曲した《いつか王子様が》で有名な『白雪姫』もあります。

音楽教室関係者で、ハーラインの作品にお世話になったことの無い講師なんて一人もいないでしょう。かく言う私も、発表会ネタとして何度お世話になったことか…。

そんなわけで、今日はリー・ハーラインの代表作《星に願いを》をお聴きいただきたいと思います。ディズニー映画の枠を超えて、今やジャスのスタンダードナンバーにまでなった名曲をお楽しみください。


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今日はバルトークの誕生日〜自身の取材が活きた《ルーマニア民俗舞曲》

2024年03月25日 16時50分35秒 | 音楽
今日は小学校の終了式の日でした。ただ、私は契約上勤務日ではなかったので、自宅で大人しく静養していました。

ところで、今日3月25日はバルトークの誕生日です。



バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(1881〜1945)は、ハンガリー王国のバーンシャーグ地方のナジセントミクローシュに生まれ、ニューヨークで没したクラシック音楽の作曲家、ピアニスト、民俗音楽研究家です。かつては『ベラ・バルトーク』と呼んでいたのですが、ハンガリー語では日本語と同じくファミリーネームが先にくるので、最近では『バルトーク・ベーラ』と呼ぶようになりました。

作曲以外にも、バルトークはフランツ・リストの弟子のトマーン・イシュトバーン(1862〜1940)から教えを受けたドイツ・オーストリア音楽の伝統を受け継ぐピアニストでもあり、コンサートピアニストやピアノ教師として活動したほか、ドメニコ・スカルラッティやJ・S・バッハらの作品の校訂なども行いました。また学問分野としての民俗音楽学の祖の1人として東ヨーロッパの民俗音楽を収集・分析し、アフリカのアルジェリアまで足を伸ばすなどの精力的な活動も行いました。

そんなバルトークの誕生日にご紹介するのは《ルーマニア民俗舞曲》です。

《ルーマニア民俗舞曲》Sz.56は、バルトーク・ベーラが1915年に作曲した6曲からなるピアノの小品の組曲です。バルトークの最もよきルーマニアの友人であり、また最も民謡採集に協力した人物であるイオン・ブシツィアに献呈されました。

この作品は、元々は《ハンガリーにおけるルーマニア民俗舞曲》というタイトルをもっていました。しかし作曲当時、ハンガリー領にあったルーマニアは第一次世界大戦により領土の大半を失ったこともあり、ハンガリーの名がとられて現在のタイトルになりました。

初演は、《トランシルヴァニアのルーマニア民俗舞曲》の名で、1920年1月16日に当時ハンガリー領だったコロジュヴァール(現ルーマニア領クルージュ=ナポカ)で、ピロスカ・ヘヴェジのピアノ独奏で行われました。

その親しみやすい旋律と手ごろな長さからバルトークの小品の中では人気が高く、コンサートにはしばしば取り上げられます。ピアニストだったバルトーク自身もコンサートの際にはよく演奏していました。

民族色豊かで親しみやすい旋律により人気が高く、現在でもしばしばコンサートで取り上げられます。6曲の小さな小品の組曲ですが、全曲が民族的な素材〜リズムとモード=旋法〜によっています。

全体は6曲で構成されていて


第1曲:「ジョク・ク・バータ」 アレグロ・モデラート4分の2拍子(男性が棒を持って踊る)棒踊り

第2曲:「ブラウル」 4分の2拍子 アレグロ(少女達が2人ずつ互いに腰をつかみ、円になって踊る)飾り帯の踊り

第3曲:「ぺ・ロック」 4分の2拍子 アンダンテ(男女ペアになって一地点で踊る)踏み踊り

第4曲:「プチュメアーナ」4分の3拍子 モデラート(アルペンホーンというルーマニアの民族楽器〈全長2mの木管楽器〉の伴奏で踊る)アルペンホーンの踊り

“プチュムの踊り”。3拍子のトランシルヴァニア地方のゆったりした舞踏曲です。
ブチュムというのはアルペン・ホルンのような楽器です。

第5曲:「ポアルカ・ロマネアスカ」4分の2拍子 アレグロ(ルーマニア独自の、子供達による快活な踊り)ルーマニアのポルカ

第6曲:「マヌンツェル」4分の2拍子 アレグロ・ピュウ・アレグロ(大勢のカップルによる求愛の踊り)速い踊り

から成っています。


ピアノ原曲の他にも、民族音楽的な要素をより強く感じさせるバルトーク自身の小オーケストラのための編曲やアーサー・ウィルナーによる弦楽合奏版も、今ではレパートリーの一つとして定着しています。他にも、ハンガリー弦楽四重奏団の主宰者でバルトークと親しかったヴァイオリニストのセーケイ・ゾルターンによるヴァイオリンとピアノによる編曲版や吹奏楽アンサンブル版など、様々な形態の版が存在しています。

そんなわけで、今日はバルトークの《ルーマニア民俗舞曲》を、アーサー・ウィルナー編曲による弦楽合奏版でお聴きいただきたいと思います。ノルウェー室内管弦楽団の演奏で、土くさくも魅力的なメロディをお楽しみください。


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今日はテレマンの誕生日〜4つのヴァイオリン"のみ"のための協奏曲 ト長調

2024年03月24日 14時15分16秒 | 音楽
今日は雨こそ降らなかったものの、日差しに恵まれなかったためか寒い一日となりました。今日は気象庁によって東京のソメイヨシノの開花が予想されていましたが、どうやらまだ無理な様子です。

ところで、今日3月24日はテレマンの誕生日です。



ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681〜1767)は後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家で、40歳以降は主に北ドイツのハンブルクで活躍した人物です。

テレマンは18世紀前半のドイツにおいて高い人気と名声を誇っていただけでなくフランスでの人気も高かった作曲家で、クラシック音楽史上もっとも多くの曲を作った作曲家としてギネスブックにも登録されました。作曲だけでなくヴァイオリンやオルガンチェンバロ、リコーダー、リュートなど多くの楽器を演奏することができ、特にヴァイオリンとリコーダーについては高い技術を有する名人であったといいます。

同時代の作曲家であったゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)とはライプツィヒ大学時代からの友人で、頻繁に手紙のやり取りをしていました。またヨハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)とも親密な交友関係にあり、バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルの名付け親になっただけでなく、1750年にバッハが死去した時にはバッハの業績を最大限に称える追悼の言葉を送っています。

そんなテレマンの誕生日である今日は《4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト長調》をご紹介しようと思います。

『協奏曲』と題されていますが、この協奏曲に登場するのはヴァイオリン4本のみで、通奏低音などの伴奏は登場しない特殊な編成となっています。因みにテレマンは、この種の作品を少なくとも4曲作曲しているといいます。

多作家だったテレマン(一説には約4000曲と言われていますが、これはバッハの約4倍にあたる数です!)は協奏曲というジャンルでもおびただしい数の作品を遺していて、そのほとんどが緩-急-緩-急の4楽章形式で書かれています。これは、バッハや、バッハがお手本としたヴィヴァルディと決定的に異なる点で、むしろヴィヴァルディより前の世代で、ヘンデルもお手本としたコレルリなどが多用した『教会ソナタ(ソナタ・ダ・キエザ)』形式に則っているのが大きな特徴です。

ヴァイオリン4本のみということで当然ながら低音楽器による伴奏は入らず、その役割はヴァイオリンの最も低い「G=ソ」の弦が果たすことになります。この手のバスの無い楽曲でヴァイオリン2本というものはよくあるのですが、ヴァイオリン4本だけでアンサンブルさせたのは、テレマン以前にはいなかったのではないかと思います。

楽譜を見てみると、どのパートもメロディラインやベースラインを担当するところがあり、第1ヴァイオリンだからずっと主役、それ以外はオマケという感じにはなっていません。つまり、4人の奏者の力量が同じくらいでないと上手くまとまらない作品でもあるのです。

そんなわけで、今日はテレマンの《4つのヴァイオリン"のみ"のための協奏曲 ト長調》をお聴きいただきたいと思います。自身も高い演奏技術を持ち合わせていたアイディアマンたるテレマンの、面目躍如といってもいい作品をお楽しみください。


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雨模様に聴くリスト〜ルニエ編曲によるハープでの《ため息》

2024年03月23日 17時16分15秒 | 音楽
今日は昼前から冷たい雨が降ってきました。急激に気圧が下がってきたこともあって、偏頭痛も襲ってきました。

すっかりテンションが下がってしまったので、今日は自宅で静養していました。もしかしたら疲労が蓄積した、或いは風邪をひいたかも知れません…。

薬を飲んで寝床に伏していても、出るはため息ばかりなり…状態です。気のせいか年々天気痛がひどくなってきているように感じていて、不安に感じることもあります…。

こういう時には、優しい音楽が聴きたくなります。なので、今日はフランツ・リスト(1811〜1886)作曲の《ため息》を聴くことにしました。

リストの《ため息》は《3つの演奏会用練習曲》の第3曲目の作品で、3つの中で特に人気の高いものです。

リストが作曲に着手したのは1845年頃で、リストがピアニストとして一線を退いてヴァイマルで職に就いた1848年までに作曲され、1849年に出版されました。練習曲ではありますが、機械的な技巧や耐久力のみを要求するのではなく甘美な詩情にあふれた曲集で、演奏会等でも好んで演奏されています。

《ため息》の楽譜を見てみると、



ピアノ譜なのに何故か三階建てになっています。これは下二段のアルペジオを弾きながら最上段のメロディを紡いでいくことを示しているのですか、音符の旗が下を向いている音は左手で、上を向いている音は右手で弾くことになっています。

《ため息》というタイトルは、リスト自身がつけたものではありません。それでも、ポツポツと紡がれるメロディをため息になぞらえたネーミングセンスはなかなかのものです。

そんなわけで今日はリストの《ため息》を、アンリエット・ルニエ(1875-1956)編曲によるハープでの演奏でお聴きいただきたいと思います。ピアノでの演奏とはまた違う、甘美で優美なハープでのリストをお楽しみください。


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溢れてきてしまったシューベルト《即興曲 変ト長調 作品90-3》〜アルフレード・ブレンデルのピアノで

2024年03月22日 15時55分51秒 | 音楽
今日は、今年度最後の小学校勤務となりました。

今日は授業はほとんど行われず、実質教室の大掃除と、新一年生を迎えるための飾り付けが行なわれました。私も子どもたちと一緒になって、今まで使っていたロッカーや机を拭いたり、教室の壁に飾り付けをしたりしていました。

それでも、6年生のいなくなった小学校というのはものすごく静かです。その静かさが言いようのない寂しさを感じさせて、またグッときそうになります。

子どもたちを送り出してから帰りがけに6年生の教室の前を通りかかったのですが、誰も来ることのない教室というものは哀しいものです。つい一週間前まで、ここには6年生たちの楽しげな声が響いていたというのに…。

そんな空っぽの教室を眺めていたら、いつの間にか頭の中にシューベルトの《即興曲 変ト長調 作品90-3》のメロディが流れてきました。どうしてこの曲なのか自分でも分かりませんが、気づくと頭の中で無限にループしてしまっていたのです。

巣立っていった子たちのことをいつまでも思い返していても仕方ないのですが、この言いようのない喪失感を、学校が春休みの間になんとかしないといけません。この二週間のうちに、なんとか気持ちを切り替えようと思います。

今日は、頭の中でループしてしまったシューベルトの《即興曲 変ト長調 作品90-3》をお聴きいただきたいと思います。アルフレード・ブレンデルのピアノで、どこまでも切ないシューベルトのピアノ作品をお楽しみください。


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卒業生たちの幸せを願って

2024年03月21日 17時17分17秒 | 日記
今日は勤務先の小学校の卒業式でした。

普段よりも格段にドレスアップした6年生たちは、一層大人びて見えました。一人一人壇上に呼ばれて卒業証書を受け取る姿はみんな立派で、感慨深いものがありました。

終盤になると、昨今恒例化している『呼びかけ』というものが始まりました。よく聞かれる、

「初めて学校の門をくぐったとき〜!」

などと全員で唱和するあれです。

緊張からか所々途切れがちになりながらも何とか呼びかけが終わると、『旅立ちの日に』の合唱が始まりました。今まで彼らが一所懸命に練習してきた歌は素晴らしい出来栄えで、思わず目頭が熱くなりました。

式が終わって卒業生が拍手に包まれながら会場から去っていくと、言いようのない寂しさが押し寄せてきました。個人的にかなり濃密に関わってきた子たちだっただけに、その寂しさは想像以上でした。

一度教室へ戻っていった子どもたちが、記念撮影のために会場に再び姿を現しました。私はその様子を遠くから眺めていたのですが、撮影を終えた何人かの支援級の子が

「先生!」

と言って駆け寄ってきたのです。

そのうちの一人は、目を真っ赤にして抱きついてきました。ちょっと驚きましたが、かなり手がかかった分特に濃密に関わってきた子だったので、こちらもグッときてしまいました。

それでも、我々個別支援員には会場の片付け等の雑務がありましたから、少しだけ話をしてから

「元気でな!」

と伝えて親御さんの元に向かわせました。本当ならもう少し別れを惜しみたいところでしたが、我々個別支援員はあくまで日陰の身ですから、そうした場面は担任の先生たちに回してあげなければならないのです。

全ての作業を終えてから退勤して小田原駅に向かったのですが、そのまま帰る前に小田原城址公園に寄り道していくことにしました。本丸広場に着くと



『旅立ちの日に』で歌われた広い大空が美しく広がっていました。

ベンチに座って青い空を眺めていたら、いつの間にか涙が止まらなくなってしまっていました。白髪頭のオッサンが天守閣を眺めながら泣いている姿は、傍から見たらさぞかし不気味だったことでしょう…。

帰宅した後も、心にポッカリと穴が空いてしまったような虚無感は埋まりませんでした。それでも明日はまた学校勤務がありますから、在校生たちのためにも今日は早く休もうと思います。

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大人気『御来光守』と『デコポンのワッフル』@横浜あざみ野《雫ノ香珈琲》

2024年03月20日 17時25分20秒 | 神社仏閣
今日は春分の日です。そこで今日は相模國一之宮・寒川神社に参詣することにしました。

朝の6時半頃に自宅を発ってJR相模線に乗り、寒川神社に到着しました。三の鳥居をくぐって参道を進むと、



晴れ渡った青空の下に神門が聳えていました。今日と秋分の日は、東から昇った太陽が千葉県の玉前神社から寒川神社⇒富士山頂⇒京都・元伊勢⇒島根・出雲大社を一直線に結ぶ『御来光道』を通る日のため、それにあわせて『御来光守』という特別な護符が数量限定で授与されるので、私もそれを頂戴するべくやって来たわけです。

ところが、神門をくぐって境内に入ると、まだ朝の7時半過ぎ頃だというのに



授与所の前にものすごい長蛇の列ができているではありませんかΣ(゚Д゚)!あまりにも凄すぎて、一瞬何が起きているのかわからなくなったくらいでした…。

例年こんなに人が並ぶことはなかったので、完全に面食らいました。いつものようにスッと買えると思っていたのですが、実はこの後に乗らなければならない電車の時間が決まっていたので、内心かなり焦りました。

とは言っても仕方ないので列の最後尾に並んでチンタラ進んでいると、不意に蛇行している列の横から肩を叩かれました。

『…へ?』

と思って見てみると、はじめは逆光の中でよくわからなかったのですが、なんと知り合いの方が私の後ろに並んでおられたようなのです。

互いに顔を見合わせて

「すごいよね。」
「すごいですよね。」

と、この尋常ならざる状況に苦笑いしあっていました。早朝からこんなんでは、もしかしたら昼過ぎには無くなってしまうかも知れません。

相変わらずチンタラ進む列に並んでいると、電車のタイムリミットがどんどん迫ってきていました。内心

『もしかしたら今回は諦めなきゃいけないか…』

と思いながらギリギリまでねばってねばって並んでいたのですが…



何とか自力で『御来光守』をGETすることができました(汗)。

知り合いの方へのご挨拶もそこそこに、ちょっとショートカットして駅までの道を急いだ結果、どうにか目的の電車に乗ることができました。そして次の予定に遅れることなく到着し、ついさっきまでハラハラしながら寒川神社にいたとは思わせないような何食わぬ顔で予定をこなしました。

何とか予定を済ませたら、気が抜けて猛烈に空腹になりました。なので、今日は祝日で音楽教室はありませんが横浜あざみ野に向かい、《雫ノ香珈琲》に行きました。

今日は



今月限定メニューの『デコポンのワッフル』にしました。やはり、この組み合わせは絶妙です。

さて、明日はいよいよ卒業式当日です。あの6年生たちがどうやって巣立っていくのか、しっかりと見守ってやろうと思います。

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寄せ書きラッシュと照手姫桃

2024年03月19日 16時48分45秒 | 
今日も風の冷たい日となりました。この風に吹かれて桜の蕾も固く閉じたままで、開花予想日の21日に開花するかどうかは微妙なところです。

明日が春分の日で休みのため、6年生が卒業式前に授業を行うのは今日が最後となりました。教室では一足早く卒業アルバムが配られ、6年生たちは歓声をあげながらページをめくっていました。

この卒業アルバムには白紙のページがいくつかあるのですが、そこはクラスメイトやお世話になった先生方からの寄せ書きをしてもらうスペースでした。みんなそれぞれに書いてもらいたい人のところに行ってメッセージを書いてもらっていたのですが、私のところにも何人か

「先生(私)、何か書いてください!」

と言ってアルバムを持ってきたのです。

ちょっと驚きましたが、彼らが5年生の時に私が音楽の授業でピアノ伴奏をしたり図工のアテンドをしたりしていたこともあって、それを覚えていてくれた子たちが多かったようです。もしかしたら単にページの隙間を埋めるためだったかも知れませんが、それでも彼らのアルバムに一言添えることができたのは嬉しいことでした。

今週は午前中授業で給食もないので、お昼過ぎには退勤となりました。それで、小田原駅近くの錦通りを歩いていたら、



街路樹として植えられている箒咲きの桃が開花していました。



この桃は、室町時代の相模國郡代であった横山将監(よこやましょうげん)の息女で絶世の美女と謳われた照手姫の伝承に因んで『照手姫』という名がつけられています。可憐に咲く八重咲きの桃に、春の訪れを感じることができました。

いよいよ明後日は卒業式です。

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桜の開花を待ちわびて

2024年03月18日 17時40分15秒 | スイーツ
昨日の暖かさから一転して、今日はまた風の冷たい日となりました。この寒暖差で桜の蕾が刺激されるかも知れませんが、実際に開花が促進されるかどうかは不透明です。

明日の小学校出勤に備えて、今日も自宅で静養していました。そんな時のお供に



昨日のうちに買っておいた桜もちをひっぱり出してきましたが、やはりこの時期にいただく桜の風味のお菓子は美味しいものです。

気象庁の予想では、東京のソメイヨシノの開花予想は21日となっています。その日はちょうど小学校の卒業式当日ですが、彼らの門出に花を添えてくれるでしょうか。

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春の陽気にモーツァルト〜《クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581》

2024年03月17日 17時35分17秒 | 音楽
昨日に引き続き外は春の陽気となりましたが、私は今日も自宅で引きこもって療養していました。とにかくこの喉の痛みをなんとかしないと、卒業式に出られなかったりしたら一大事です…。

今日も寝ながら、いろいろと音楽を聴いていました。昨日はペルゴレージの祥月命日でバロック音楽が中心だったのですが、今日は



モーツァルトを中心に聴いていました。

夕方頃になってクラリネットの音色が聴きたくなったので、《クラリネット五重奏曲イ長調》を聴いてみました。《クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581》はモーツァルトが1789年に作曲したクラリネットと弦楽四重奏のための室内楽曲で、クラリネット奏者であった友人アントン・シュタードラー(1753〜1812)のために作曲されたため『シュタードラー五重奏曲』の愛称で呼ばれることもあります。



この五重奏曲はシュタードラーのクラリネットにより初演された《クラリネット協奏曲 イ長調 K.622》と同様に、本来はシュタードラーが用いていた "Bass-klarinet"(現在のバセットクラリネット)のために作曲されたものです。現在一般に用いられる版は1802年に通常のクラリネット用に編曲されたものですが、残念ながら自筆譜はクラリネット協奏曲同様に現在は紛失してしまっています。

当時クラリネットという楽器はまだ目新しく、ようやくオーケストラの仲間入りをし始めた楽器でした。しかしモーツァルトは当時の楽器のもつ可能性を利用し尽くし、クラリネット音楽の発展に対して重要な模範を提示することに成功しました。

後にブラームスは、このクラリネット五重奏曲に大いに関心を示して、同じ編成による《クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115》を作曲しました。因みにこの作品の第4楽章は、モーツァルトの作品と同じく変奏曲形式になっています。

そんなわけで、今日はモーツァルトの《クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581》をお聞きいただきたいと思います。ザビーネ・マイヤーのクラリネット、アルミーダ・カルテットによる演奏で、モーツァルト晩年の室内楽の傑作をお楽しみください。


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