共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

百花の王

2020年04月30日 18時40分38秒 | 

今日は日中は夏日に迫る勢いで気温が上昇しました。こうなると上着どころか、ヘタすると厚手の長袖までも御役御免になりそうな雰囲気です。

そんな中で今日も自宅に引き篭もっていたら、ポールペンのインクが切れてしまったので有隣堂まで買いに出かけました。帰りにそのままイトーヨーカドーまで行って買い物を済ませてしまおうと思って歩いていたら、道すがらのお宅の横に立派な牡丹の花が咲いていました。そういえば、もう牡丹が咲くような時期になっていましたね。

芯の辺りの濃い桃色から徐々に淡くなっていき、花弁の先は朱鷺色のような限りなく淡い紅色になっていく色合いは素晴らしいものです。さすがは『百花の王』と呼ばれるだけあって、堂々たる風格に満ち溢れています。

もしかしたら各地の牡丹園も今が見頃なのかも知れませんが、今年は辛抱するしかないでしょう。そんな中でこうして思いがけず美しい牡丹の花に巡り会えたことは、何とも嬉しいことでした。

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気持ち良さそうだニャ〜…

2020年04月29日 22時20分22秒 | ネコ(=゚ω゚=)

今日はこの上ないくらいのポカポカ陽気となりました。もうそろそろ上着は御役御免にできそうです。

暖かくて気持ちいいのは人間だけではありませんで、ちょっと外を歩いていたら空き地でネコが日向ぼっこしながらウトウトしていました。最近、野良ちゃんを見かけていなかったので、久しぶりの光景です。

『おまえさんは呑気でいいニャ〜。人間様の世界は大変なことにニャってるんだぞ。』

などと思いつつ、あまりに気持ちよさそうだったのでそ〜っと近づいで写真を撮っていたら…

あ、起きちゃいました(汗)。

御機嫌を損ねたかな?と思ったのですが、そんなこちらの思いもどこ吹く風、再びうたた寝モードに入っていった野良ちゃんでありました。

こんな平和なひと時が、人間社会にも一日も早く訪れてくれることを願って止みません。皆さんもくれぐれも御自愛下さいませ。

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『集近閉』に気をつけろ!

2020年04月28日 14時40分41秒 | 日記

緊急事態宣言が発令されてから、今日で3週間が経ちました。今日は午後から冷たい雨も降り始めて、ちょっと気分が重くなっています。

しかし!

愛知県に住んでいる昔の生徒が、こんな写真を送ってくれました。これはとある病院内に貼られている、いわゆる3密防止啓蒙ポスターだということですが、実にウィットに富んだトゲのあるポスターとなっているのです。

敢えて『くまのプーさん』で表現しているあたりは、3密の『密』とプーさんの大好物である『蜜』をかけたものであろうと思われ、そこがまた実にいい洒落となっています。そして何よりこの『集近閉』というワード、何処やらで聞いたことがあるような無いような…。

うがった見方をすれば、新型コロナウィルスの発生源となった近所の大国と、被害を軽視した挙げ句世界で一番の罹患者数を出してしまった海の向こうの超大国とのコラボレーション的揶揄と取れなくもありません。

まぁ何にしても、特に小さな子供たちには愛らしいディズニーキャラクターを通して3密予防の啓蒙にもなり、大人たちには文言の趣旨を裏読みしてニヤニヤするという効果を生み出すこのポスター、変なところから圧力的クレームが入って撤去されなければよいのですが。

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ひっそりと…

2020年04月27日 19時23分56秒 | 

今日は午後から雨が降るという予報だったので、午前中に最小限の買い物を済ませてしまうことにしました。

厚木一番街に来てみると、閑散とした商業ビルの横に植えられたハナミズキが薄紅色の花を咲かせていました。ここはスターバックスのオープンテラスのあるところなので普段ならこの花を眺めながら外でコーヒータイムを楽しめるのですが、緊急事態宣言後はスターバックスそのものが休業してしまっているので残念ながら見る人はいません。

こうした美しい花が人々に見られること無く散ってしまうことは、何とも勿体無いことではあります。しかし、それでも平穏な状態を再び取り戻すためには仕方ないことなのでしょう。

花は心のビタミンです。せめて皆さんも御用で外出された折には、そこに咲いている花に目を向けてあげて下さい。

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また頂きました

2020年04月26日 16時55分40秒 | 日記

今日は暖かな一日でした。東京では今年初の夏日になるかも…という天気予報も出されていましたが、夏日だったかはともかく我が家でもTシャツ短パンで過ごせてしまうような一日でした。

そんな中で、またしても昔の生徒さんが宅急便で救援物資が送って下さいました。保存食ばかりで無く御自宅で取れたという明日葉やサニーレタスまで送って頂いて、何だか恐縮してしまいます。

その中でも特に嬉しいのがミカンてす。折角なのでお皿にのせて、これまた知り合いの方から頂いたミントをあしらってみました。

このくらいの量のミカンだと注意しないと一晩くらいでペロッと食べてしまいそうなので、心して頂こうと思っております(汗)。一緒に飾ったミントは、紅茶に一緒に入れたりして楽しみながら使っています。

独り身のヤモメにこんなにも気を使って下さる方がいるということは、実に有り難いことだと実感しております。こうした御縁を頂けたことにも感謝しながら、この難局を乗り切っていこうと思っております。

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そのうちマスクも…

2020年04月25日 18時12分25秒 | 日記

今日も関東地方はよいお天気に恵まれました。ま、だからといって何処かに出かけるでもなく、今日も今日とて朝から自宅に籠もっておりました。

ただ、気づくとティッシュペーパーが無くなってしまっていたので、近所のセブンイレブンに行ってみることにしました。そうしたら、何とティッシュペーパーもトイレットペーパーも普通に売られているではありませんか。

未だに一人あたりの購入数量限定ではありますが、こうして品物が店頭に当たり前のように並んでいる光景を見ると、ほんの半月ばかり前のあのトイレットペーパーの奪い合い狂騒曲は一体何だったのかと思わされます。消費者がいくらガタガタ文句言ったって、一度市場に物が出回ってさえしまえば案外こんなものなのかも知れません。

そのうち、人々が今血眼になって探し回っているマスクも、こうして普通に売られるようになる日だってそう遠くないかも知れないのです。日本政府が何枚くれるのくれないのと騒ぎ立てたり、店に入荷した途端に群がって下品に奪い合ったりすること無く、近い将来マスクもこんな風に普通に見かけられるようになることを冷静に待ってみませんか。

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性格が垣間見える自筆譜〜モーツァルト編

2020年04月24日 18時30分52秒 | 音楽

ここ暫く世の中には、女優の岡江久美子さんの訃報や、見舞いも儘ならないことを嘆いて母親を息子が特養ホームから退所させ無理心中を図ってしまった事件といった、新型コロナウィルスに関わる悲しいニュースが溢れかえってしまっております。今日は銀行に行く用事があって街に出たのですが、どことなく沈滞した空気感が漂っているように見えていました。

こんな時には、せめてちょっとでも楽しいことを見つけるに限ります。それで何かないかと思っていたのですが、先日バッハの自筆譜を掲載したことで面白いことがあるのを思い出しました。今回はモーツァルトです。

バッハ程ではないにせよ、モーツァルトもそのまま見ながらでも弾けそうな楽譜を書いています。ただ、私は一度未完成となった《ヴァイオリンとヴィオラとチェロのための協奏交響曲イ長調》と有名な《キラキラ星変奏曲》の自筆譜を観るチャンスがあったのですが、ものすごく音符が小ちゃいのてす。当時はつけペンだったはずなのですが、まるで現在の0.5mmペンで書いたかのような小ささにビックリさせられたのを覚えています。余程尖らせたペンを使って執筆していたのでしょう。

また、モーツァルトは楽譜に様々なイタズラ書きをすることでも知られています。上の写真はピアノ協奏曲第24番ハ短調の第1楽章の終盤近くの箇所なのですが、何故か楽譜に人の横顔が描かれています。実際のこの部分は、決してこんなオチャラケた雰囲気の場面ではないのですが…。

でも、遺されたモーツァルトの手紙や歌の歌詞の中にはかなりオゲレツでヒワイなものもあります。だから、真剣な曲のはずのピアノ協奏曲の楽譜にこんな落書きをしてしまうのも、映画『アマデウス』で描かれたようなイタズラっ子モーツァルトの面目躍如といったところでしょうか。

こうしてみると、やはり自筆譜というものは作曲家の性格がよく表れていると思います。クラシック音楽を有難がっているばかりではなくこうした茶目っ気の部分にも着目して頂けると、また違った角度から楽しめるかも知れません。

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来たるべき日を待ちわびて

2020年04月23日 18時18分20秒 | 

日を追う毎に新型コロナウィルスの蔓延状況が悪化してきています。今日は女優の岡江久美子さんが新型コロナウィルスによる肺炎で他界されたというニュースもあり、世の中に暗い雰囲気が漂っています。

ともすると塞ぎがちになりそうな昨今ではありますが、それでも用事で外出すると方々でいろいろな花が咲いていることに気づきます。今日はいつもと違うルートで買い物に出かけてみたのですが、ふと気づくと道沿いの民家の垣根から山吹の花が顔をのぞかせていました。

そう言われてみれば、知らぬ間にもう山吹が咲くような時期になっていたようです。明るく輝くような黄色の山吹の花を見ていると、不安感でささくれそうな心がひと時和みます。

山吹の花言葉は『待ちわびる』です。正に今、人々が新型コロナウィルスの災禍から抜け出し、ごく普通の生活を送れるようになることを望んで待ちわびている状況に相応しい花ではありませんか。

先行きへの不安はまだまだ尽きませんが、ほんのひと時こうした美しい花を愛でて心を穏やかにするということも大切だと思います。たまには皆さんも、こうした季節の花々に目を向けてあげて下さい。

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疫病調伏!国宝《辟邪絵》

2020年04月22日 18時20分25秒 | アート

全国ニュースにもなりましたが、恐れていた事態が起きてしまいました。私が住まう厚木市でも、遂に新型コロナウィルスの集団感染が確認されたのです。

発生場所は本厚木駅からも程近い相州病院という精神科内です。感染経路が不明ながらも、入院患者と看護師に新型コロナウィルス感染の陽性反応が出たということでした。緊急事態宣言が発令されてから極力自宅待機に努めていますが、こうして生活圏内に魔の手が忍び寄って来ていると、やはり心穏やかではありません。

さて、先日SNS上で話題となっている『アマビヱ』を紹介しましたが、この他にも疫病に関する日本美術があります。それが、現在奈良国立博物館に所蔵されている国宝《辟邪絵(へきじゃえ)》です。

《辟邪絵》は平安末期から鎌倉初期にかけての12世紀頃に描かれた絵巻物で、かつては後白河法皇が建立した蓮華王院(三十三間堂を擁する寺院)が所蔵していたことが伝わっています。仏教説話を元にした《地獄草紙》《餓鬼草紙》《病草紙》といった、人間の生老病死を表す『六道絵』のひとつとして制作されたものと考えられています。

元々は絵巻物だったのですが、大正期に実業家で茶人でもあった益田孝(益田鈍翁)によって切断され、現在のかたちになりました。因みにこの益田鈍翁、《佐竹本三十六歌仙絵巻》等の様々な絵巻物を切断して御軸に仕立ててしまったりと、かなりやりたい放題やった通人でもあります。

話を戻しますが、《辟邪絵》は疫病を組み伏せたり喰らったりして調伏する神々を描いた作品です。上の写真はその中のひとつ『天刑星』という憤怒の形相の神様の絵で、四本の腕で疫病たる鬼を引きちぎり、左側に置いてある鉢の中のお酢に浸してムシャムシャと食べている様が描かれています。

《辟邪絵》にはこの他にも、端午の節句で見かける鍾馗様や四天王のひとりである毘沙門天等も描かれています。中世の人たちはこうした神像を観て、世に蔓延した疫病の調伏を願ったのでしょう。

益々混迷の度合いを深める昨今ですが、こうした神々の存在を感じながら辛抱することが、日本人にとって大切なのかも知れません。今は何よりも自身がコロナに罹患してしまわないよう、また、自身が知らぬ間にウィルスの運搬役になってしまわないよう、十分に気をつけて日々を過ごしたいものです。

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だ〜れだ?

2020年04月21日 21時38分22秒 | 音楽

今日は昨日の冷たい雨から一転して、暖かな日差しの降り注ぐいいお天気となりました。なので久しぶりに出かける口実を作るべく、たまった洗濯物を持ってコインランドリーまで行き、一気に洗濯を片付けました。

それも終わってしまうとすごすごと自宅へ戻るしか無く、またしてもヒマな時間が過ぎていきます。こういう時には暇に飽かして動画を観たりしてしまいがちですが、後々の通信量も気になるところです。

さて、そんなことをウダウダ考えていたら、ネットでこんな画像が流れてきました。

いきなりですが問題です。上の画像は縦横に五線を引いて真ん中に全音符を一個だけ置いたものですが、これである人物の名前を表すサイン的なものになっています。さて一体誰のサインでしょうか?

実はこれでバッハの名前になっているのです。

バッハの名前はドイツ語表記では『bach』となりますが、このスペルに使われているアルファベットは全て音の名前に使われています。我々が慣れ親しんでいる『ドレミファソラシド』という読み方はイタリア語的なものですが、ドイツ語では『cdefgahc』となります。そしてシ♭にあたる音は『b』となり、これで『bach』に使える音の名前が揃います。

で、何で上のヘンテコリンな楽譜が『bach』になるのかというと、先ず左側のト音記号のところから見ると中央の全音符があるところはシ♭、先程のドイツ語読みになおすと『b』になります。

次は上に書いてあるちょっと分かりにくい記号に進みますが、これはハ音記号というものでKの字のくの部分に挟まれた線がドの音になるということを表すものです。このハ音記号はパートによって記号の位置が上下することがあり、この位置にあるとテノール記号と呼ばれます。その視点で見ると中央の全音符のあるところはラ、つまり『a』になります。

更に今度は右側のハ音記号に行くと、逆さまになってしまってはいますがこれはヴィオラにも使われるアルト記号と呼ばれるもので、この視点から見ると中央の全音符のあるところはド、つまり『c』です。

最後に下に書いてあるト音記号に移ると、こちらのシの音には♮(ナチュラル)が付いているのでドイツ語表記では『h』となり、結果的に左から反時計回りに順番に読んでいくと中央の全音符一個で『bach』となるわけです。

実はこれはバッハ自身が書いたものではなく、19世紀頃に誰かがバッハの筆跡をかなり忠実に真似た上で書いた洒落のようです。しかし、こんなことを思いつくあたり、かなりウイットに富んだ人の仕業ではないでしょうか。

また、実際にバッハはいくつかの作品中で自身の『bach』の名前を使って『シ♭・ラ・ド・シ♮』という音の並びを使った曲を作曲しています。有名なところでは『フーガの技法』の未完の大フーガに『bach』を使っていますが、もしかしたらこのサインを思いついた人物もそうした作品からこの洒落をひらめいたのかも知れません。

普段はあまり気づかなかったりしますが、時にはこうした小ネタも楽しいものです。おかげさまで、いいブログネタとなりました(笑)。

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有り難きこと

2020年04月20日 18時35分22秒 | 日記

今日は昨日の晴天から一転、冷たい雨の降り続く空模様に支配された一日でした。新型コロナウィルス対策で外出を控えて自宅で鬱々と過ごしている身に、この冷たい雨は辛いものがあります。

しかし、そんな中で嬉しいことがありました。今日、我が家に郵便小包が届いたのです。

差出人は、今でも年賀状のやり取りが続いているかつての大人の生徒さんでした。ちょっと重めの荷物を荷解きしてみたら、中にこうした食糧品が入っていたのです。私が音楽教室や演奏活動が出来なくなって生活に窮しているのではないかと心配して下さって、わざわざ送って下さったものでした。

何だかもう…これらを見ながら視界がボヤけるのをこらえるのに大変でした。

こういうことをしてくれそうな両親も他界している身としては、教室を辞められて随分経つのにも関わらずこうして心配して下さる方がいるということが堪らなく嬉しく、有り難いことだと思うのです。きっと御自身だって大変なことには違いないはずなのに…もう、感謝してもし切れません。

こうした御縁を頂く度に、私が今まで関わってきた生徒さん達にしてきたことは間違っていなかったのかな…と思わされます。こういうことをがあるから、音楽教室は止められません。

引き籠もることに慣れているとは言いながらも流石にちょっと苦痛になっていた心に、暖かな明かりが灯ったような気持ちになることが出来ました。もうしばらくは、コロナウィルスと対峙出来そうです。

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疫病退散!アマビヱ図

2020年04月19日 18時38分32秒 | スピリチュアル

今日は昨日の荒天とは打って変わって、暖かな春らしい陽気に恵まれました。ただ、こんなにいいお天気でも外出出来ないことには違いなく、今日も元気に引き籠もり生活を満喫しておりました。

さて、歴史上では様々な疫病が流行っては人々の命を奪っていったようです。しかも世界史的にみると、100年置きに厄災が猛威を奮ってきたことがわかります。1720年にはペストが、1820年にはコレラが、1920年にはスペイン風邪が、そして2020年にはコロナウィルスが大流行し、多くの犠牲者が出ています。

これは単なる偶然なのでしょうか?それとも自然の摂理で増え過ぎた人類の間引きが行われているのでしょうか?

今までに世界でも日本でも様々な疫病が流行りました。そうした中でも外国、特にキリスト教社会と日本では、疫病に対しての捉え方が違っていたようです。

キリスト教社会では疫病の流行を神が人間に与えた罰として捉えていたようで、人間の驕りと不信心が引き起こすものと考えられていたようです。その様子は絵画にも描かれ、疫病はサタンのような悪魔の姿で表されています。悪魔の姿の疫病は人々を否応無しに死の淵へと追いやり、それを天使や神が討ち滅ぼして勝利する、つまり『闘うもの』として扱われます。

一方、日本的仏教社会では疫病は邪鬼の仕業と考えられ、疫病は鬼の姿で描かれることが多いようです。キリスト教社会と同じように人々を死へと追いやるものではありますが、高僧や行者の功力によって調伏されたり、時にはその高僧や行者に対して鬼たちが

「お宅の信徒さん達には手出ししません。」

と誓約書を書かされたりする絵巻があったりという『割と近くにいるもの』として扱われたりしています。やはり、八百万の神の坐す日本ならではの考え方と言えるでしょうか。

さて、一連の新型コロナウィルスの流行に伴って、最近話題になっているものがあります。それが『アマビヱ』という物怪の絵です。

上の写真は江戸後期、孝明天皇が即位した弘化3(1846)年の瓦版ですが、それによると肥後国(熊本県)の浜に長い髪を垂らしてくちばしを持ち、身体全体が鱗に覆われ脚が3本あるというロン毛の半魚ドンのような生き物が現れ

「疫病を退散させたくば、我が身の絵を描いて肌身離さず持つべし。」

と里人に伝えたという伝説がありますが、そのことを伝える貴重な資料です。

この『アマビヱ』については、詳しいことは分かっていないようです。この『アマビヱ』という名前についても、それよりも昔から言い伝えのある3本脚の猿の姿で描かれる『アマビコ』を書き間違えたのではないかとも言われていますが、この瓦版から150年近い時を超えて現代日本のSNS上でこの『アマビヱ』が話題となっており、様々なクリエイターやイラストレーター達が『アマビヱ』を元にした作品を発表しています。

考えてみれば、この21世紀の御世になってもこうしたものに疫病退散の願いを託す日本人という民族は、実に微笑ましいと言うことも出来るかも知れません。何となくギスギスした空気の漂う昨今、物怪にひと時の思いを馳せるのもいいではないかと思います。

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うまうま胡麻油風味

2020年04月18日 22時58分38秒 | グルメ

引き籠もり生活にもすっかり慣れきってしまっておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか。

今日は朝から昼過ぎにかけて、警報が出される程の豪雨に見舞われました。もっとも、昨晩から天気予報で散々脅かされていたので引き籠もる気満々で用意していたこともあって、雨戸に打ち付ける雨音を聞きながら過ごしておりました。

食料品はもとよりお菓子もいくつか買い込んでおいたのですが、その中にポテロングの新商品『ごま油としお味』がありました。パッケージにもあるように、かどやの純正ごま油とコラボレーション商品です。

蓋を開けたところから胡麻油の香ばしい香りが漂ってきます。その胡麻油の香ばしさに控えめな塩味が効いていて、実に美味しいスナック菓子です。

何だか暇に飽かしていると、ふとお菓子の消費量が多くなってきてしまっていることに気づいて気まずい気分になることがあります。せめて教室が再開して生徒と再会した時に

「先生、太った?」

とか言われないように気をつけようと思います…。

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本当ならば今頃は…

2020年04月17日 21時15分18秒 | アート

新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言が発令されてから10日経ちました。皆様、如何お過ごしでしょうか。私は相変わらず、自宅での引き籠もりライフを絶賛満喫中です。

それにしても、自宅に居ることが苦にならない私でも、さすがに10日も自宅にいると暇を持て余してきてしまいます。何しろ日常の買い物以外何処へも出かけないので、ブログのネタにも困ってくるのです。

何かネタになりそうなものが無いかと自宅内をゴソゴソしていたら、かつて上野の東京国立博物館でもらって来たチラシが出てきました。これは法隆寺の百済観音と金堂壁画とが展示される特別展を案内したものです。

現在、法隆寺の百済観音堂に安置されている百済観音像は来歴や制作年代が不明の仏像ですが、そのスラリとした容姿や口元にたたえた微笑みから法隆寺の中でも大変人気の仏様です。以前は収蔵庫に収められていましたが、新しく百済観音堂が完成してからはそちらに安置され、観賞対象の彫刻作品としてだけでは無く信仰の対象としてお祀りもされています。

法隆寺金堂壁画は昭和24年1月に発生した火災によって、取り外されていた一部を除いてオリジナルのものは焼け焦げてしまいました。これがきっかけとなって翌年に文化財保護法が制定されたのですが、同時に前田青邨を始めとした一流の日本画家たちが招集されて焼損してしまった壁画の修復作業も開始されました。明治・大正期の焼損前に桜井香雲や鈴木空如といった画家たちによって描かれた模写やガラス乾板写真を参考にしながら全12面の金堂壁画が再興され、飛鳥時代の美を現在に伝えています。

本来なら今頃、百済観音像と金堂内安置の毘沙門天・吉祥天女立像(いずれも国宝)が23年ぶりに東京へお出ましになり、全12面分の壁画模写も鑑賞出来るはずでした。しかし、今般の新型コロナウィルス騒動の影響によって、敢えなく休止となってしまったのです。会期が5月10日までなので、恐らく再開されることなく終了してしまうのでしょう。

一体いつになったらこうした展覧会に気兼ねなく行けるようになるのか分かりませんが、今はただ自身が罹患してしまわないように、ひたすら気をつけるのみです。

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性格が垣間見える自筆譜〜バッハ編

2020年04月16日 20時35分25秒 | 音楽

今日も春らしい陽気に恵まれました。近所では藤の花も咲き始まっていて、お花界はもう5月に片足を突っ込んでいるようにも見受けられます。

さて、新型コロナウィルスによる外出自粛の様相はなかなか収まりを見せてはくれませんが、こういう時だからこそ、普段ちょっと気になっていることに首を突っ込んで見ようかな…などと、如何にも暇人らしいことに着目したりしてみようと思います。

クラシック作品には数多の自筆譜が存在しています。それを見てみると、その作曲家の人と成りが垣間見えたりするのです。今日はその中でも割と有名なヨハン・セバスティアン・バッハの自筆譜を御紹介します。

写真はバッハの名曲のひとつである『無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番ト短調』の第一楽章の自筆譜です。自筆譜というと割と殴り書きみたいなものが多く見受けられるのですが、バッハの自筆譜は御覧のようにこのまま見ながら演奏出来てしまうくらいに美しく書かれているものが多いのです。実はこの自筆譜、某楽器店で楽譜を購入した際に入れてくれる紙袋にも印刷されているのですが、そうしたステーショナリーのデザインとしてそのまま十分に使えるくらいに美しいのです。

こうしたものを見ると、バッハという人が如何に几帳面だったかが覗えます。そしてこれはバッハだけに限らず二番目の妻であるアンナ・マグダレーナ・バッハの手もなかなかのもので、ものによってはバッハ本人の書いたものと遜色無いくらいの出来栄えの楽譜もあるのです。彼女の内助の功は、そんなところにも発揮されています。

音楽を聴くのは勿論ですが、時にはこうした自筆譜を見てみるというのもなかなか楽しいものです。いずれ違う誰かの自筆譜が見つかったら、また掲載してみようと思います。

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