今日は風邪も一段落ついたので、以前から予定していた通り上野の東京国立博物館に出掛けました。ここでは今《日本国宝展》が開催されています。
《日本国宝展》という展覧会は1990年にも開催され、当時大学生だった私は芸術特別研究という単位の提出レポートの対象展でもあったため、240分待ちという気の遠くなるような待ち時間を耐え抜いて観賞した覚えがあります。今回もそういった経験や、《台北胡宮博物院展》で『翠玉白菜』ひとつに180分並んだ経験から、気合いを入れてかからねば!と意気込んで午前中から出掛けることにしました。
決戦の地に降り立ち、いざ鎌倉!…じゃなくて、いざ東博!とばかりに上野公園を突っ切りました。信号を渡ってチケットを見せて構内に入ると、大行列が…って、あれ?何だか敷地内には特にこれといった行列もなく、えらく穏やかな光景が広がっているではありませんか。
しかし油断は禁物、会場は本館の隣にある平成館という建物ですから、そこの前には行列が…ない。あれ?おかしいなぁ。《日本国宝展》ですよ、こんなに空いてていいのぉ?
まあでも、会場であるところの平成館の中には行列がトグロを巻いているに違いない、いざ!…と思ったらここにも行列は出来ておらず、そのままチケットを切られて、至極スムーズに入場することが出来てしまいました。いや、いいんですけど、何かちょっと肩透かし…。
国宝展と銘打つように、展示品全てが日本国の宝である国宝がズラリと並んでいます。会場に入って先ず目に飛び込んでくるのが、法隆寺に伝わる《玉虫厨子》です。これは日本史の教科書に必ず写真が載っているので、御存知の方も多いかと思います。そこから始まって、漆工・金工・仏教美術・神道美術・書画・墨跡・障壁画といった数々の日本を代表する名品が居並んでいて、圧巻の光景でした。
また今回は江戸時代に伊達政宗の名を受けてスペインに渡った支倉常長の肖像画や、琉球尚王家に伝わる紅型(びんがた)の小袖といった、珍しい国宝も陳列されていました。
そして天皇皇后両陛下傘寿祝賀記念として、奈良・東大寺正倉院に伝わる『正倉院御物(しょうそういんぎょもつ)』も会期前半に限って特別出品されていて、有名な《鳥毛立女図屏風》を始め、大仏開眼に関係した道具や、螺鈿で飾られた美しい琵琶等の貴重な名宝を間近に観賞することが出来ました。
極めつけだったのが最後の展示室で、法隆寺金堂の四天王のひとつの広目天像や京都・大原三千院の《阿弥陀三尊座像》の脇侍の観音・勢至両菩薩像といった日本国宝を代表するような仏像群と、奈良・元興寺(がんごうじ)所蔵の、奈良時代に制作された塔建築唯一の遺構《五重小塔》が一堂に展示されていました。この一部屋を見ただけでも、その存在感の大きさに圧倒されます。
今日は思いの外落ち着いて観賞することが出来ましたが、会期末に近づくにつれて混雑が予想されます。また、会期中頃の一週間だけ教科書で有名な《金印》が出品されたり、一部の展示品の入れ替えもあったりするため、お出かけになる際には東京国立博物館のHPをチェックされることをお勧めします。ただ、これだけの名宝が一堂に会するチャンスは滅多にありませんので、是非足を運んで日本の高水準の文化財の数々を堪能して頂きたいと思います。
《日本国宝展》という展覧会は1990年にも開催され、当時大学生だった私は芸術特別研究という単位の提出レポートの対象展でもあったため、240分待ちという気の遠くなるような待ち時間を耐え抜いて観賞した覚えがあります。今回もそういった経験や、《台北胡宮博物院展》で『翠玉白菜』ひとつに180分並んだ経験から、気合いを入れてかからねば!と意気込んで午前中から出掛けることにしました。
決戦の地に降り立ち、いざ鎌倉!…じゃなくて、いざ東博!とばかりに上野公園を突っ切りました。信号を渡ってチケットを見せて構内に入ると、大行列が…って、あれ?何だか敷地内には特にこれといった行列もなく、えらく穏やかな光景が広がっているではありませんか。
しかし油断は禁物、会場は本館の隣にある平成館という建物ですから、そこの前には行列が…ない。あれ?おかしいなぁ。《日本国宝展》ですよ、こんなに空いてていいのぉ?
まあでも、会場であるところの平成館の中には行列がトグロを巻いているに違いない、いざ!…と思ったらここにも行列は出来ておらず、そのままチケットを切られて、至極スムーズに入場することが出来てしまいました。いや、いいんですけど、何かちょっと肩透かし…。
国宝展と銘打つように、展示品全てが日本国の宝である国宝がズラリと並んでいます。会場に入って先ず目に飛び込んでくるのが、法隆寺に伝わる《玉虫厨子》です。これは日本史の教科書に必ず写真が載っているので、御存知の方も多いかと思います。そこから始まって、漆工・金工・仏教美術・神道美術・書画・墨跡・障壁画といった数々の日本を代表する名品が居並んでいて、圧巻の光景でした。
また今回は江戸時代に伊達政宗の名を受けてスペインに渡った支倉常長の肖像画や、琉球尚王家に伝わる紅型(びんがた)の小袖といった、珍しい国宝も陳列されていました。
そして天皇皇后両陛下傘寿祝賀記念として、奈良・東大寺正倉院に伝わる『正倉院御物(しょうそういんぎょもつ)』も会期前半に限って特別出品されていて、有名な《鳥毛立女図屏風》を始め、大仏開眼に関係した道具や、螺鈿で飾られた美しい琵琶等の貴重な名宝を間近に観賞することが出来ました。
極めつけだったのが最後の展示室で、法隆寺金堂の四天王のひとつの広目天像や京都・大原三千院の《阿弥陀三尊座像》の脇侍の観音・勢至両菩薩像といった日本国宝を代表するような仏像群と、奈良・元興寺(がんごうじ)所蔵の、奈良時代に制作された塔建築唯一の遺構《五重小塔》が一堂に展示されていました。この一部屋を見ただけでも、その存在感の大きさに圧倒されます。
今日は思いの外落ち着いて観賞することが出来ましたが、会期末に近づくにつれて混雑が予想されます。また、会期中頃の一週間だけ教科書で有名な《金印》が出品されたり、一部の展示品の入れ替えもあったりするため、お出かけになる際には東京国立博物館のHPをチェックされることをお勧めします。ただ、これだけの名宝が一堂に会するチャンスは滅多にありませんので、是非足を運んで日本の高水準の文化財の数々を堪能して頂きたいと思います。