昨日のイヤな予感は的中しました。
今日は朝早くから強い雨が降り、とても野外ライブなど出来るような雰囲気ではありませんでした。どうしたものか…と思案していたら、主催者である愛川町在住のシンガソングライターみらいあいこさんから
「今日どうしましょうか?」
という問い合わせがありました。実はその時点で愛川町では雨が降っていなかったのだそうですが、
「こちらではしっかりと降っていますが。」
と答えました。
今日は遠くからみえるアーティストさんもいるので決めるなら早く決めないと…ということだったのですが、人間はともかく楽器や電機機器を、たとえ小雨でも雨ざらしにするわけにはいかないでしょう…ということで、今日は敢え無く中止することとなりました。それで時間が出来たので、今日は来月本番のある墨田区交響楽団の練習に急遽参加することにしました。
メインであるベートーヴェンの《運命》を中心とした練習だったのですが、今回ヴィオラの人数があまり多くないようなので、一人ひとりがかなり頑張らないといけないようでした。それならばボウイング、即ち楽弓の上げ下げをいろいろと工夫してみようかということにもなったのです。
上の写真は《運命》のヴィオラパートの楽譜です。《運命》の曲を聴くことはあっても、演奏に使う楽譜を、ましてやヴィオラのパート譜なんてまず見ることはないと思いますが、こんな感じです。音符の上にΠとかVとか書いてある記号は弓の上げ下げを表すものでΠがダウンボウ(手元から弓の先に向かって弓を下げる)、Vがアップボウ(弓先から手元に向かって弓を上げる)の印です。弦楽器奏者はこの記号を元にして、全体で弓の上げ下げを揃えているわけです。
大抵は『こういうパターンではこういう弓使い』というものがあるのですが、時に指揮者やコンサートマスターの指示で、時にそれぞれのパートの都合や他所のパートとの兼ね合いによってボウイングが変わることがあります。
あまり本番間際にボウイングを変えずに済むようにしたいのですが、果たして何とかなりますでしょうか?
今日は午前中を中心にドカ雨が降る、湿度が高いながらも薄ら寒いよく分からない天候となりました。それでも動いていればそこそこ暑くなってくるので、とりあえず《Cafeあつめ木》にお邪魔して涼ませて頂くことにしました。
今日のオーダーは『冷やししるこセット』です。きめ細やかなサラサラこし餡の冷たいお汁粉の中には白玉団子が隠れていて、氷と共にレモンスライスが浮かべられている様は何とも涼し気です。温かなお煎茶と共に頂けば、暑さを忘れてほっこりした気分になれます。箸休めに添えられているのは昆布の佃煮です。
さて、明日はアミューあつぎ野外ライブの予定なのですが、どうも天気予報が芳しくありません。当日の天候で判断するしかないのですが、どうなりますやら…。
突然ですが、今このブログを御覧の皆様『ニコライ・ギルシェヴィチ・カプースチン』という作曲家を御存知でしょうか?
聞くからにロシア人ぽいな…とお思いの方、その通りでございます。正確に言えばウクライナの作曲家で、1937年生まれの御年81歳で御存命でございます!
7歳でピアノを始め、モスクワ音楽院で学んだカプースチンは、卒業後10年以上に渡ってジャズ・オーケストラの一員として各地を演奏旅行して回っていました。その後、1980年に自作のピアノ協奏曲第2番を演奏したのを最後にコンサート活動に終止符を打った後は作曲と自作のレコーディング活動に専念しています。
作曲家としては長く無名の時代が続いたのですが、ニコライ・ペトロフをはじめとした大物ピアニストが彼の作品を採り上げるようになるとそのジャジーな作風が聴衆に受け入れられるようになり、徐々に名が知られるようになりました。
私が初めて聴いたカプースチンの作品は《8つの演奏家用練習曲》でした。確か30代後半のことだったように記憶していますが、その時の印象は
「すげー!面白れー!」
でした。一応クラシックのカテゴリーに入っていながら、何という強烈なビート、そして圧倒的な疾走感。さすが、キャリアの始めにジャズ・オーケストラで演奏していただけのことはあります。
特に早いテンポの曲では左手がまるでチョッパーベースのように躍動し、そこに右手のメロディが強烈なシンコペーションを叩き込んでくるので、ハードロックを聴いているかのようなグルーブ感で爽快な気分になれます。スローな曲は、いい大人が集う酒場でグラスを傾けたくなるような小粋なナンバーで魅了されます。全曲聴くと20分以上かかるのですが、意外とあっという間にフィナーレを迎えます。
私の生徒たちにも
「こんなクラシックもあるんだぞ」
と言って第1曲だけでも聴かせたりするのですが、子供たちの反応は
「すげー!カッケー!」
となるか、ポカ~ン…となるかのどちらかです(汗)。
そんなわけで、不快指数の高い今宵はカプースチンのお洒落な世界を堪能して頂きましょう。私が衝撃を受けた《8つの演奏会用練習曲 作品40》を、作曲家本人による演奏で全楽章お楽しみ下さい。尚、画面に楽譜が出てきますが、無理して読まなくても大丈夫です(笑)。
※本年7月2日、カプースチン氏はモスクワで逝去されました。謹んで御冥福を御祈念申し上げます。合掌。
Nikolai Kapustin - Eight Concert Etudes, Op. 40
うっすら湿気っぽかったところから雨が降り出した途端、じっとりとまとわりつくような不快な暑さと湿気に包まれるようになりました。こうなると、イヤでも最近忘れかけていたこと…今は梅雨真っ盛りなのだということを実感させられます。
それでも、季節は着実に移ろっています。出勤途上で立ち寄った相模大野駅の花屋の店頭には七夕の笹飾りが登場していて、道行く人が立ち止まって短冊に願い事を書いていました。そう言えば来週はもう七月です。
気づけば2019年も残すところあと半年となりました。発表会があったことも、令和に改元したことも、フルートカルテットの本番があったことも、気づけばみんな過去の事。そして気づけば、まだまだ先だと思っていた九月のガラ・コンサートの本番日がチラつくようになってきました。
光陰矢の如し…どころか光陰レーザービームの如しです。さて、暑さにかまけてウダウダしてばかりもいられませんゾ!
お暑うございます…(-_-;)。
このところ雨が降れば薄ら寒く、だからといって晴れれば晴れたでうだるような暑さに見舞われるという…。
今日はあざみ野の教室の定休日だったため、それをいいことにして午前中は我が家で練習していました。ふと気づくと午後もなかなかいい時間になっていたので、切り上げて《Cafeあつめ木》に出かけることにしました。
メニューを見て、今日はお店自家製のアイスクリームを頂くことにしました。今月の月替りアイスクリームは『ダブルベリー』です。
ヨーグルトベースのアイスクリームに、ワイルドベリーとラズベリーの二つのアイスクリームがマーブル状に混ざり込んでいます。白地に二色の赤が映えて、何とも美しいアイスクリームです。横にはラズベリーとお店のシンボルツリーであるジューンベリーの果実が添えられていて、アイスクリームとはまた違った甘酸っぱさを堪能することができます。
さて、明日から週末にかけてあまりお天気が芳しくないようです。むしろ今までがあまりにも梅雨らしくなかったこともありますが、急に湿気ムンムンになられても具合悪くなってしまいそうで不安です…。
今日も昨日に引き続き小田原に来ました。一つには教室として借りていたスタジオでの残務処理があったのですが、実はもう一つ大切な用事があったのです。
今までずっとレッスンを続けてこられた生徒さんの一人に、小学校の先生をされていた方がいらっしゃいました。その方が、いよいよ今月で退会…となった時に、興味深い話をして下さったのです。
小田原市では全小学校で《放課後こども教室》というものを開催しています。これは学校の授業が終わった後の時間に希望する子どもたちが集まって宿題をしたりして過ごす一種の見守りクラスのようなことをするもので、そこには『学習アドバイザー』と『安全管理員』という大人が付き添うことになっています。
『学習アドバイザー』は文字通り子どもたちの学習のサポートをする係のことで、分からないことがあった時にアドバイスをするというものです。『安全管理員』は、これも文字通りヘンなヲ〜ジサンなんかが入ってきたり子どもたちがふざけてケガをしたりしないよう、子どもたちの安全をはかるための人員です。
ただし、『安全管理員』は希望すれば誰でもできるのですが『学習アドバイザー』は教員免許を持っていることが条件となっています。なので、なかなかやってくれる人がおらずに困っていたようなのです。そこで、以前私が音大時代に教員免許を取得していることを話したことを覚えていたその大人の生徒さんから
「もしよければやってみませんか?」
というお話を頂いたのです。
そして、その方と一緒に小田原市教育委員会に出向いた後に面接を受けて審査が通り、晴れて小田原市立芦子小学校の《放課後こども教室》の『学習アドバイザー』に就任することとなりました。
教員採用試験に落ちてから後、全く使うことの無かった教員免許が、長い時を経てこんなかたちで役に立つことになろうとは…人生、何が起こるか分かりません。
来月から本格的に教室が始まります。今までずっとマンツーマンレッスンをしてきた私が、いきなり大人数の教室の先生になるということに不安が無いわけではありませんが、自分なりに出来ることを一生懸命に務める所存です。
今日は小田原の教室での、最後のレッスン日となりました。
今まで、徐々に人数が減ってきたとは言いながら、それでも長いことついてきてくれた生徒たちと楽しくレッスンをしていました。しかし、時が経つにつれ、それぞれの御家庭の事情が難しくなってきていたのも事実でした。
そして、遂に最後まで残っていた生徒たちにも、それぞれに学校のスケジュールや転居といったどうしようもない事情が入ってしまい、やむなく今日を以って閉講することとなりました。
思えば月曜日の小田原クラスは流浪の民でした。始めは小田原のヤマハで教えていたところから独立して一時は知り合いの喫茶店を間借りし、その後、大人の生徒さんの知り合いのお宅のサロンを借りていました。やがてそこも都合が悪くなってしまって万事休す!となった時に偶然見つけたのが、この個人宅のスタジオでした。
こんな綱渡り状態の教室経営を何とか乗り切ってこられたのも、偏にこんなしがないヴァイオリン講師についてきてくれた生徒さんたちのおかげです。こんなにも濃密な御縁を結べたということは、奇跡と言っても過言ではありません。
全ての生徒を送り出して後片付けをし、最後に電気を消す間際に、今まで20年くらい続けてきた小田原での日々を回顧していました。やり残したこともいろいろとありましたが、正に感慨無量、万感溢れそうになってちょっと大変でした。
さて、明日は明日で残務処理のためにまた小田原まで出かけます。その時が本当に小田原の教室の終わる時です。
連日報道のあった愛川町の逃亡犯は、今朝早く横須賀市内で逮捕されました。五日に渡って神奈川県民を不安にさせましたが、最後は公衆電話での通話を目撃されての逮捕という、割りとお粗末な結果となったようです。
ところで忘れていたのですが、数日前に我が家にこれが届きました。市のがん検診の案内です。
私は両親ががんで他界していることもあって関心は高いつもりでいるのですが、それでも前回受診したのはいつの事やら…といった感じになってしまっています。忙しさにかまけていることもあるのですが、どこかで直視することを避けているのでは…と言われれば、否定しきれない自分がいたりします。
前回が思い出せないくらい前のことですから、今年は受診してみようかしら…と、心動いている私です。
連日報道されている愛川町の逃亡犯について、今日本厚木駅の前を通りかかったら警察官に呼び止められて、これをもらいました。人相書き…基、指名手配書です。
これは我が家に近いコンビニで目撃された後、散髪を済ませた最新の姿の写真だそうです。我が家から若干離れたところになったとは言え、それでも十分に我が家からの活動範囲内であることには違いありません。
こうして見てみて分かったのですが、この犯人が何故こうも見つからないのかというと、恐らく非常に印象に残りりにくい顔なのだと思われるのです。言うなればある意味『どこにでも居そうな顔』と言えばいいでしょうか、チラと見たくらいでは印象に残らないのです。
それまででもこの犯人の顔は散々テレビのニュースで映っていたはずなのですが、散髪した床屋でも、20分間も店頭の公衆電話で長話をしていたコンビニの店員もリアルタイムでは気づいていなかったということは、それだけ特徴の無い顔だからなのかも知れないのです。逆に言えば、それだけ覚えにくい顔立ちだからこそ、関係各位はこうした指名手配書を拡散することにしたのでしょう。
一昨日・昨日と厚木市と愛川町の小中学校は休校となりましたが、さすがに来週からは犯人が逮捕されようがされまいが学校は再開されるようです。子どもたちが安心して学校に通えるように、神奈川県警と横浜地検には総力をあげて頑張ってもらいたいと思います。
梅雨入りが発表されたものの、関東地方では連日雨がしとしと降り続く…ということも無く、比較的穏やかな天候が続いています。しかし、空気中の湿度だけは梅雨時らしい感じで、外を歩いているだけでも暑さとは違ったじっとりとした汗が噴き出てきます。
他にも、今が梅雨時だと認識させてくれるものに出会いました。出かけた先で何処からともなく漂う甘い香りに誘われたら、ビルの植栽に植えられたクチナシの木に可憐な白い花が咲いていました。この花の香りがするようになると、梅雨時だな…と実感させられます。
この週末はどうやらお天気が悪いようです。空梅雨にならない程度には降ってもらいたいところですが、そうなると個人的には楽器のメンテナンスが大変になるという…何ともはやでございます。
全国ニュースになっているので御存知の方も多いかと思いますが、一両日中厚木市は緊迫した状況下にあります。
厚木市の隣町である愛川町で昨日、実刑判決を受けた男が収監しに来た横浜地検の職員と警察官に刃物を持って抵抗し、車で逃走してしまったのです。当初逃亡車両は高速道路のカメラ等で写されており、都内や名古屋方面に逃走している可能性が出ていました。
ところが何と、逃走に使った車が厚木市内で発見されたのです!場所は厚木市三田(さんだ)…ってメッチャ近所やないか〜い!何なら徒歩圏だYO!
その一報を受けて、今日は厚木市内と愛川町内の小中学校は全て休校となりました。無理からぬことです。
ニュースによると犯人は逃走時とは違う黒っぽい服に着替えて逃げているのだとか。なので、本厚木駅にある電光掲示板には御覧のように、注意喚起を促す表示が点きっぱなしになっております。
よくよく周りを見てみると、犯人の潜めそうなところはいろいろとあります。
一番あやしいのは空き家。これは厄介で、家の体をなしていればそれはあくまでも誰かの所有物ですから、たとえ警察と言えども無闇に踏み込んだりは出来ないのです。犯人がそれを逆手に取って潜伏していることも十分に考えられます。
次にあやしいのは公園のトイレ、しかも多目的トイレが危険です。公衆トイレの中でも一番スペースを広くとっていますし、手洗い場がありますから水にも困らないでしょう。昼間はまだしも、夜になれば公衆トイレを使う人なんかいなくなりますから、何ならその時に公衆トイレから公衆トイレを渡り歩いたっていいわけです。
でも、逃走時に現金を所持していたという話もありますから、意外と厚木市内から鉄路で出てしまって新宿とか横浜とか川崎とかに向かってしまったかも知れないのです。その方が人も多いし、紛れ込むにはいい判断ですが、果たして真相は…。
とにかく今は、指名手配犯の一刻も早い身柄確保を願うばかりです。明日の今頃には解決しているといいけどなあ…。
いやぁ…今日は参りました。
横浜の教室に行こうとしたら、スマホに何やらお知らせが…。何かと思って開いてみたら、厚木市内の小田急線の踏切で電車と乗用車が衝突、電車は脱線し運転見合わせ…って!!!!
ちょっと待ってよア〜タ、今からそれに乗ろうってのがここにいるのに…。
これは海老名まで歩きか…と暗澹たる気持ちで本厚木駅に向かうと、思った通り駅構内は大混乱、一部下衆な客の怒号が響く中、警察官が出動する事態にまで発展していたのであります。
ところが、よく見ると新宿方面の電光掲示板には時刻が表示されている…?そう、実は私が駅に到着した頃には運転見合わせになっていたのは本厚木〜伊勢原間であって、それ以外は本数を減らして運転が再開されていたのであります。
良かった〜!\(^o^)/と胸を撫で下ろしつつ、上りホームに入ってきた各駅停車に身を委ね、何とか出発することが出来ました。そして、当初想定していたよりもだいぶ遅くにあざみ野駅に到着、とりあえずそのまま《雫ノ下珈琲》に伺いました。
すっかり疲れてしまったので、何かサッパリしたものを…とメニューを広げてみたら、美味しそうなものがあったのでオーダーしました。今日はグアテマラの水出しコーヒーとミルクレープです。
このコーヒーは、以前にも紹介した
この立派な水出し機で、じっくりと6時間もの時間をかけて抽出したものです。今日は水出しコーヒー用に焙煎したものではなくホットでも出しているグアテマラ豆を使用しているとのことでしたが、これが実にスッキリしていて飲みやすく、ブラックでも十分に頂けるアイスコーヒーです。今日はミルクレープをお供に、美味しく頂戴しました。
四方山話に花を咲かせていたら、紆余曲折あった出勤の疲れがとれました。有り難いことです。
レッスンを終えて本厚木に到着すると、駅の電光掲示板には
こんなメッセージが…。
運転見合わせ区間の愛甲石田や伊勢原へ向かうべく、タクシー乗り場には
長蛇の列。これを見るだに、電車だけでここまで帰って来られて本当に良かった…。
今日は我が家からそう遠くないところにある、厚木市長谷の蓬莱山曹洞宗長谷寺というお寺に来ました。今日はこちらで、リュートと朗読による朗読音楽会が開催されました。
平日の昼間でしたが、それでも会場となった本堂には20人程の聴衆が集まりました。はじめに
リュート奏者永田斉子女史によるルネサンスリュートのコンサートがありました。『グリーンスリーヴス』や『スカボロウ・フェア』といった馴染み深いメロディのものや、イギリスの名リュート奏者で作曲家のジョン・ダウランド等の作品が演奏され、居合わせた聴衆はその繊細な音色に聞き入っていました。
休憩時間を挟んで、朗読とリュートによる朗読音楽会が始まりました。テキストはグリム童話による《ロバの王子》です。
ある国の金持ちの王様と衣装持ちの王妃様には子供がありませんでした。ある日、森の奥に何でも望みを叶える強大な力を持った魔法使いが住んでいるということを聞いた王様夫妻が訪ねていって子供を望んだところ
「金貨を一杯に詰めた袋33個くれたら、望みを叶えて進ぜよう。」
と言われます。早速城に帰って金貨を用意していた王様ですが、普段から全財産を勘定することを日課としている王様はそんな大金を魔法使いに渡すことが惜しくなり、それぞれの袋に鉛を金メッキした偽金貨を混ぜ込んで支払いを誤魔化すことにしました。
しかし、その企みは魔法使いに簡単に見破られてしまいました。腹を立てた魔法使いは約束通り子供を授ける魔法の呪法を始めますが、
「生まれた子供は醜いロバの姿をしているだろう。その容姿を気に留めず、心から愛される日がくるまで、人間の姿になることは出来ない!」
という呪法を唱えてしまいます。果たして生まれた待望の赤ん坊は、尖った耳に奇妙な尻尾、全身を灰色の毛に覆われたロバの姿でした。
戸惑いながらも、王様と王妃様はロバの王子にお辞儀の仕方や食事のマナー、勉学やダンスの踊り方といった『王子としての心得』を教えます。しかし、二人共ロバの姿をした我が子に全く興味が無い様子で、役人や使用人たちにもまともに相手にしてもらえない辛い日々が続いていました。
ある日、お城に旅のリュート弾きが逗留すると、ロバの王子はリュート弾きに
「私にリュートの 弾き方を教えて下さい。」
と頼みます。求めに応じてロバの王子のリュートと歌のレッスンを始めると王子はメキメキと腕を上げていき、遂には
「私が教えて差し上げられることは何もございません。」
と言わしめるまでになりました。
ある日、素敵な曲が出来たので、ロバの王子は早速母君である王妃様のもとに参じてリュートを爪弾きながら歌いました。また、父君である王様のもとにも参じて歌を披露しました。しかし二人共何の関心も示さず、むしろ醜い姿のロバの王子を邪険にするばかり…。絶望にうちひしがれたロバの王子は、リュートだけを持ってそっとお城を抜け出し、旅に出ました。
流れ流れて別の国に辿り着いたロバの王子は城の門番に王様への謁見を申し込むと、話をするロバの来訪を面白がった王様にダイニングに呼ばれました。そこでリュートを演奏すると、王様と娘であるお姫様が食事を忘れるほどにじっと聴き入り、二人共ロバの王子のリュートと歌の腕前をすっかり気に入って、お城への逗留が許されました。
その後、ロバの王子はお姫様付きのリュート奏者としてしばらく楽しく暮らしていましたが、ある時お姫様の元に三人の他国の王子が求婚にやって来るという話を耳にしました。このまま自分がお城に留まるのは良くないと思い立ったロバの王子は、密かにお城からの出奔を図ったのですが…
朗読中、後ろのスクリーンにプロジェクターで絵本の絵が投影されました。話の中にリュートを演奏する場面が出てくる毎に、敢えてこの物語のために作られた新曲ではなくシチリアーノやガリヤルドといったリュートのための古典作品がルネサンスリュートで演奏され、マイクを使わない朗読劇に彩りを添えていました。30分程の朗読劇が終わると
演者に惜しみない拍手が送られました。
こうした小規模な音楽イベントというのも、なかなか興味深いものでした。もしかしたら、こうしたことはリュート以外でも出来るかも知れないと、いろいろな可能性を感じた朗読音楽会でした。
今日は人と会う用事があったので、昨日に引き続き都内に出ました。
相変わらず暑い中で用事を済ませてから、厚木に帰る前に折角なので新宿でランチをしようと思い立ちました。それで、ふと思うと年単位ぶりくらいに行っていなかったパスタの美味しいお店に行ってみることにしたのです。
昨今、都内のお店は入れ替わりが激しく、かつてよく通っていたお店が消えていたりすることがあって、少なからずショックを受けていたりしていました。正直、こちらも無くなっていたらイヤだな、と思いつつ向かってみると…ありました!
こちらは西武新宿駅の近くにある《パスタ屋景虎》というお店です。こちらのコンセプトが『美味いスパゲッティを腹一杯食べたい!』というものなのですが、それに違うことなくパスタのサイズがスモール・レギュラーの上に大盛り・特盛りがあり、文字通りパスタでお腹が一杯になれる幸せなお店です。
ここの名物は『サーモンとほうれん草のクリームパスタ』なので、はじめはそれを頂く気満々でした。しかし、メニューを広げると一発目に夏限定メニューが載っていたので、そちらをお願いしてみることにしました。それが『トマトと生ハムの冷静ジェノベーゼ』です。
ジェノベーゼペストの絡んだキリッと冷えたカッペリーニの上にはトマトやアボカド、ベビーリーフ、水菜、プロシュートがのせられ、パルミジャーノ・レッジャーノがたっぷりとかけられています。フレッシュなトマトや塩味の効いたプロシュートをパスタと絡めて頂けば、バジルと松の実の香りが鼻に抜けて幸せな気分になれます。
ランチタイムを過ぎたくらいに伺ったのですが、地下にあってちょっと分かりにくい隠れ家的な店内は超満員。かつてはそんなに人がごった返していることの少ないお店だったのですが、シバラク伺っていない間にすっかり人気店になっていたようです。お店のマスターさんとも久しぶりにお目にかかりましたが、あまりにキッチンが忙しそうだったので、軽くお話をしただけで今日は失礼しました。
新宿でもリーズナブルな価格でかなり満足感を得られるお店ですので、興味のある方はおいでになってみては如何でしょうか。
昨日の大嵐から一転、今日は強烈な陽射しが降り注ぐ暑い一日となりました。何しろ最高気温が前日比+10℃って…ありえません。
そんな中、今日は来月開催予定の墨田区交響楽団の定期公演の練習に出かけました。いつもなら錦糸町で午後から行われるのですが、今日は中野での練習でした。
今回の公演のプログラムは
モーツァルト︰歌劇《魔笛》序曲
シューベルト︰交響曲第七番《未完成》
ベートーヴェン︰交響曲第五番《運命》
という、そうそうお目にかかることのないくらいにコテコテの名曲揃いのものです。個人的にはどれも弾いたことのある曲ですし、特に《運命》は私が高校生の時に半年以上時間をかけて練習して初めてステージで演奏した曲でもありますので、思い入れもひとしおです。
こういうオーケストラにありがちなことですが、今日は面子全員が集合出来たわけではありません。私も当初は
『もしかしたら今日はヴィオラ私だけだったりして…』
などと考えていたのですが、会場に到着したらヴィオラ奏者がもう一人いらしたので安堵しました。
今日はとにかく概要を掴むことに終止しました。これからあともう何回伺えるか分かりませんが、今日の練習の結果を踏まえて本番までにもう少し精度を上げようと思います。
本番は7月21日㈰に、錦糸町のすみだトリフォニーホールで14時開演です。お時間がある方は是非お越し下さい。