毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
オオカミ
昨日は一日中寒かった。「春一番」が吹いてこのまま春になるのか、などと書いた私をあざ笑うかのような寒さだった。まさしく「寒のもどり」だ。夕方からはみぞれさえ降り始めた。山間部から下りて来る車の屋根にはうっすらと積雪していたほどだ。なんだ、このふざけた気候は!!完全にバカにされているような気がする。
だが、この異常気象に振り回されているのは人間だけではあるまい。山では暖冬で冬眠する必要のないクマたちが、人里まで降りてきて人間を襲ったりしている。困ったものだと言っても、地球は人間だけのものじゃない。野生の生物たちも暮らしているわけだから、棲み分けが上手く行かなくなることだってある。問題なのは私たち人間が自分たちの生活を優先するために、動物たちの山での暮らしを難しくしているということだ。クマだけでない、イノシシも農家の作物を荒らす害獣になっている。私の父も、畑でのイノシシ対策に頭を悩ませている。少し前までイノシシなど出たこともなかった土地なのに、開発によって彼らの生活圏が狭くなったために仕方なく人家の近くまで下りてきたのだろう。さらには、シカが自然林の樹皮を食べる被害も大きな問題となっている。
先日中日新聞の夕刊に、増えすぎたシカの害で壊滅状態の日本の山に、天敵のオオカミを移入しようという論が盛んになってきたという記事が載っていた。オオカミ導入の提唱者である日本オオカミ協会会長の丸山直樹東京農工大名誉教授の話が載っていた。そんな協会があるとは初耳だったが、協会のHPもあって、なかなかの説得力をもつ意見であった。その記事によると、日本でオオカミが絶滅した後、ハンターがシカの駆除に役割を果たしてきたが、近年はハンターの高齢化が進み、人間の手による駆除もままならなくなって来たという。したがって、オオカミというシカの「天敵を復活させ、生態系の食物連鎖を復元することが必要だと考えた」と丸山氏は言う。
オオカミといっても、ニホンオオカミは絶滅してしまったので、外国からオオカミを導入することになるのだが、ニホンオオカミというのはどんな形態をしていたのか写真を探してみた。
小ぶりだが精悍な感じがして、かっこいい。分類学上は食肉目いぬ科いぬ属に属し、頭胴長95~114cm、尾長約30cm、肩までの高さ約55cmで、体重は推定15kg前後、色は暗い黄赤味を帯びた白茶色で、夏毛と冬毛では毛色が変わったと言われている。分布域は日本の本州・四国・九州で、主要な食べ物はニホンジカやイノシシであった。習性としては、普段は2・3頭で昼間も行動し、山麓に広がるススキの原などにある岩穴を巣とし、3頭ほどの子を産んだと考えられている。
こうしたオオカミを野に放てば、人間を襲ったりするのではと危惧されるが、「臆病で人を見ると逃げてしまう」と丸山氏は述べている。しかし、「森林から人里に出てくるオオカミは捕り、人間は怖いものだと常に学習させなくてはいけない」とも言っている。
勿論、このオオカミ導入論には強い異論もあるようだ。長年自然保護活動に携わってきた東京海洋大名誉教授の弥永健一氏の「すでにオオカミにとっても森はすみにくくなってしまっている。すむ場所の問題をクリアしないままオオカミを導入したら、人間と接触する可能性もある。現時点でオオカミを再導入する条件は整っていない。時間はかかるが、生態系そのものを回復することを目指すべきだ」という主張が紹介されている。
まったくの門外漢である私が軽々に論じる問題ではないだろうが、対処療法的である丸山氏の考えと抜本的ではあるが果たして時間的にそれほどの猶予が残されているか危惧される弥永氏の考えとでは、一長一短あるように思われる。だが、山の荒廃は待ったなしの状態である。一刻も早い対策を講じなければならないのは、あらゆる環境問題と軌を一にしている。
だが、この異常気象に振り回されているのは人間だけではあるまい。山では暖冬で冬眠する必要のないクマたちが、人里まで降りてきて人間を襲ったりしている。困ったものだと言っても、地球は人間だけのものじゃない。野生の生物たちも暮らしているわけだから、棲み分けが上手く行かなくなることだってある。問題なのは私たち人間が自分たちの生活を優先するために、動物たちの山での暮らしを難しくしているということだ。クマだけでない、イノシシも農家の作物を荒らす害獣になっている。私の父も、畑でのイノシシ対策に頭を悩ませている。少し前までイノシシなど出たこともなかった土地なのに、開発によって彼らの生活圏が狭くなったために仕方なく人家の近くまで下りてきたのだろう。さらには、シカが自然林の樹皮を食べる被害も大きな問題となっている。
先日中日新聞の夕刊に、増えすぎたシカの害で壊滅状態の日本の山に、天敵のオオカミを移入しようという論が盛んになってきたという記事が載っていた。オオカミ導入の提唱者である日本オオカミ協会会長の丸山直樹東京農工大名誉教授の話が載っていた。そんな協会があるとは初耳だったが、協会のHPもあって、なかなかの説得力をもつ意見であった。その記事によると、日本でオオカミが絶滅した後、ハンターがシカの駆除に役割を果たしてきたが、近年はハンターの高齢化が進み、人間の手による駆除もままならなくなって来たという。したがって、オオカミというシカの「天敵を復活させ、生態系の食物連鎖を復元することが必要だと考えた」と丸山氏は言う。
オオカミといっても、ニホンオオカミは絶滅してしまったので、外国からオオカミを導入することになるのだが、ニホンオオカミというのはどんな形態をしていたのか写真を探してみた。
小ぶりだが精悍な感じがして、かっこいい。分類学上は食肉目いぬ科いぬ属に属し、頭胴長95~114cm、尾長約30cm、肩までの高さ約55cmで、体重は推定15kg前後、色は暗い黄赤味を帯びた白茶色で、夏毛と冬毛では毛色が変わったと言われている。分布域は日本の本州・四国・九州で、主要な食べ物はニホンジカやイノシシであった。習性としては、普段は2・3頭で昼間も行動し、山麓に広がるススキの原などにある岩穴を巣とし、3頭ほどの子を産んだと考えられている。
こうしたオオカミを野に放てば、人間を襲ったりするのではと危惧されるが、「臆病で人を見ると逃げてしまう」と丸山氏は述べている。しかし、「森林から人里に出てくるオオカミは捕り、人間は怖いものだと常に学習させなくてはいけない」とも言っている。
勿論、このオオカミ導入論には強い異論もあるようだ。長年自然保護活動に携わってきた東京海洋大名誉教授の弥永健一氏の「すでにオオカミにとっても森はすみにくくなってしまっている。すむ場所の問題をクリアしないままオオカミを導入したら、人間と接触する可能性もある。現時点でオオカミを再導入する条件は整っていない。時間はかかるが、生態系そのものを回復することを目指すべきだ」という主張が紹介されている。
まったくの門外漢である私が軽々に論じる問題ではないだろうが、対処療法的である丸山氏の考えと抜本的ではあるが果たして時間的にそれほどの猶予が残されているか危惧される弥永氏の考えとでは、一長一短あるように思われる。だが、山の荒廃は待ったなしの状態である。一刻も早い対策を講じなければならないのは、あらゆる環境問題と軌を一にしている。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )