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ショートプログラム

 朝起きてすぐに携帯で確認した。「負けたのか・・」スウェーデンに6-10・・。これで予選リーグ敗退が決まってしまった。
 ロシアに勝って3勝2敗とした時点では、「いけるかもしれない」と思ったものだが、その後ドイツ、スイス、スウェーデンに3連敗し、最終試合のデンマークにも負けて、結局通算3勝6敗となってしまい、10チーム中8位の成績でクリスタルジャパンのオリンピックは終了した。確かにドイツ戦あたりから、ショットの精度が悪くなり、終始押されっぱなしの試合展開で負けてしまうことが続き、実力が不足しているのかな、と思わないでもなかった。また8日間に9試合も戦わなければならないハードスケジュールでは、最後は体力の違いが出てしまったような気もする。世界レベルの試合経験も不足しているようだ・・。だが、そうした敗因分析は私の仕事ではない。ただただ俄かカーリングファンとして、声援を送り続けた私にとっては、カーリングの面白さと難しさが十二分に分かった8日間であった。と同時に、カーリングに熱い思いを抱き、オリンピックのために日夜努力してきたクリスタルジャパンのメンバー一人一人のひたむきさが、十二分に伝わって来た8日間でもあった。一生懸命頑張ったメンバーたちにご褒美として正午からの最終試合は勝たせてやりたかったが、TV中継もされなかったのでは、応援のしようがなかった・・。
 

 それも昨日は仕方のないことだろう。なぜなら昼過ぎから浅田真央と安藤美姫がフィギュアのショートプログラムに出場するのだから。何と言ってもフィギュアは冬季オリンピックの華だ。男子で銅メダルを獲得した高橋大輔のスケートにも釘付けになったが、さすが地元出身だけあって、浅田真央と安藤美姫には一段と熱が入る。当然のように昼食は適当に済ませて、TVの前にでんと座って、二人の演技を待った。
 まずは浅田真央。ウォームアップの時から顔が強張っているような印象を受けて、少し心配したが、史上初のトリプルアクセルを難なく成功させると顔の表情も和らぎ、いつもの浅田真央に戻ってほぼ完璧な演技を見せた。終わった瞬間小躍りして喜ぶ真央ちゃんを見ていたら、私までもがホッとした。それにしても19歳の女の子が背負った重圧はいかほどのものだったろう。それを見事押しのけての演技には、73.78という本人も驚くほどの高得点がついた。素晴らしい!!


 ものすごいどよめきが会場を包んだが、そんな中演技を始めたキムヨナはいたって落ち着いていた。
 「憎たらしいほど冷静だよな・・」
浅田真央とほぼ同じ体型だと言われているが、手足のしなやかさでは一段上のように見えた。こちらもパーフェクトな演技を見せ、会場全体がキムヨナに称賛を贈る。
 「真央ちゃんよりいいかなあ・・」と私が聞くと、妻は、
 「私は曲に合っていたのはキムヨナの方だと思う」と答えたが、結果はその通りの78.50というものすごい点。浅田真央との差は4.72、両者とも持ち味を出し切っての得点だから納得しているのだろうが、果たしてこの差をフリーで真央ちゃんは逆転することができるだろうか。(フリーの滑走順が今度はキムヨナ、浅田真央と続いているのは何やら因縁めいている・・)


 などと妻と議論を交わしているうちに安藤美姫が登場してきた。「最終滑走は緊張するだろう」と言っていたものの、顔を見る限り、自信に充ち溢れたいい表情をしていた。しかし、ジャンプで小さなミスがあり、回転数不足と判定されてしまって、64.76の4位となった。3位は先日母親を突然亡くしたばかりのカナダ人選手ロシェットが71.36で入り、安藤はその差6.6と、少しばかり離されてしまった。果たしてこの差を安藤が逆転できるかどうか、事情が事情だけにロシェットにもメダルを獲得してもらいたいが、安藤もこの4年間たゆまぬ努力を続けてきただろうから、ここで花を持たせてやりたい・・。

  

 果たしてフリーの演技で誰が最高のパフォーマンスを見せてくれるだろう。私はショートプログラムの演技を終え、得点発表を待つ間に、TVカメラに向かって「エアロ、真央だよ」と愛犬に呼び掛けていた浅田真央の天真爛漫さが思わぬ力になると思っているのだが。
 
 楽しみだ!!


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