goo

そば屋

 1か月ほど前に開店したそば屋に行ってきた。以前はごく普通のうどん屋だったが、道路拡張のために店舗を少しばかり移動しんければならなっかったようで、それを機会に手打ちそば屋に衣替えしたのだった。


 

 店構えからして洒落ている。国道沿いで新しい建物は否が応でも目立つ。何もこんなに洒落なくても・・、と噂していたものだが、店内は間接照明で昼なのに薄暗い。まあ今風の造りだと言えばそれまでだが、ならば壁の窯垣がプリントではなく、たとえ表面なりとも本物を使って欲しかった。拘りがあるようでない・・、この時点で早くも中途半端な気がしてきたが、
「そば屋はそばが美味しければそれでいい」
と思いなおして注文した品が来るのを待った。
 私が注文したのはてんぷら付きのざるそば。まずはてんぷらが出てきた。桜エビがふんだんに使ってあり、パリパリした食感が気に入った。
「これは美味しいね」
と一口食べた妻も感心していた。これならきっとそばも、と期待に胸を膨らませていると・・、


 一目見て驚いた、「えっ、これだけ?」
 麺が細いから余計少なく見えたのかもしれないが、実際食べてみたらあっという間になくなってしまった。本当にこれだけ?妻は十割そばを頼んだのだが、いつもなら食べ切れない3分の2ほどを私の丼に入れてくるのに、この時はペロッと平らげてしまった。やはり少ない。
「お腹膨れた?足りないでしょう?」
と私を気遣ってくれたが、そんな時に
「すみません、ご注文のお品を間違えてしまって八割そばをお持ちしてしまいました。申し訳ございません。十割そばをお持ちしましたのでお食べください」
「えっ?そんなこと言われてももう食べちゃったよ」
「かまいません。どうかこちらもお食べください」
間抜けな店だ・・。だが、そう言われたら食べないわけにはいかない。ちょうど物足りないと思っていたところだから都合がいい。と言ってもこれも大して量があるわけでもないので、妻と二人ですぐに食べ終えてしまった。
「十割そばと八割そばの違い分かった?」
「ほとんど同じに思えたんだけど・・」
「そうだよなあ、同じだよなあ・・」

 要するに、私たちのような下世話な者の口では微妙な違いは分からないということなのだろう。でも、いくらなんでも私のてんぷら付きそばが 1,400円は高すぎる、名古屋の高級店ならいざ知らず・・。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする