goo

さつま芋掘り(5)

 毎年恒例のサツマイモ掘りに行ってきた。
「いつイノシシに食べられるかもしれないから早く掘りに来い」
と父はせっつくが、私にだって予定がある。なんとかやり繰りして「20日の午前中なら出かけられる」と父に打診したところ、「それなら準備しておく」と了承してくれたので、早速参加者を募った。毎年参加し、いも掘りを心待ちにしている生徒もいて、塾恒例のイベントとして定着していて、リピーターも多いのだが、昨年までずっと参加していた女子高生が今年は都合で来られなかったのは残念だった。それでも10名の塾生が集まってくれて、賑やかに掘ることができた。


 畑に着くと、サツマイモの植えてある場所に大きな青いシートがかぶせてあった。それまでイノシシを欺くために雑草が生い茂るままにしてあったのを、前日草刈りをして子供たちがすぐに掘れるようにしてくれたのだが、そのままではイノシシの餌食になってしまうかもしれないと、心配した父がこのシートで畝を覆っておいてくれたのだ。その甲斐あってイノシシに荒されることなく、無事いも掘りを始めることができた。父の畑仕事は、文字通りイノシシとの戦いでもあるのだ・・。

 

 今年の猛暑の影響は果たしてどうだろうか・・。心配しながら子供たちの掘る様子を見ていたら、一生懸命掘るものの、なかなかうまくイモが掘れない。うまく育っていないのかな・・。
「じゃあ、掘ってみるから下がって」
と私が鋤で掘り起こしてみたのだが、例年のような立派なイモは出てこず、細く長いイモしか出てこない。いくら掘っても同じことだった。
「う~~ん」
と唸ってみたところで、仕方がない。せっかくだからたくさん掘らせてやりたいが、ないものはどうしようもない、あるだけ掘らせるしかない。今年の猛暑は、サツマイモの生育には仇になったようだ・・。
 それでも時々はそこそこの大きさのイモが掘れて子供たちの歓声が響いた。

 

 私の左薬指は相変わらず痛い。それが鋤を持つ手の力配分にも影響したのか、始めて10分もしない内に右手にマメができてしまい、すぐに潰れて鍬を握るのも辛かった。しかし、そんなことぐらいで怯んでいるわけにはいかない。半ばやけくそで汗をしたたらせながら頑張った。明日体が痛いぞ、と思いながら・・。だが、そのおかげでなんとか子供たちに例年並みの収穫を持たせることができたのだから、良しとしようではないか。

 

 しかし、本当に疲れた・・、右手も左手も痛い・・。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする