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たわしを使おう!

 私が作ったへちまたわしは陰干しして、立派なたわしになった。


 作りたての時は水気たっぷりで柔らかかったのに、完全に水分が抜けるとこんなにも固くなるのかと驚くほどゴワゴワしている。これで体を洗うのはちょっと無理だろうと思って、まずは食器を洗ってみることにした。
 何気なく水を蛇口から出し、たわしを濡らしたところ、びっくりしたことに一瞬で柔らかくなってしまった!!しかも、水分を吸収して膨らんだりせず、逆に締まったようになって、コップを洗うのに手頃な大きさになった。
「すごい!!」
と私が叫んだら、
「そうだよ、へちまのたわしは使い易いんだよ」
と、何年か前に父が作った物を愛用していた妻が答えた。確かに使いやすい。柔らかくはあるが芯がしっかりしている感じがして、コップを洗うのにも無駄な力がいらない。しかも洗い心地は滑らかなので、あっという間にコップがピカピカになってしまった。自分が作ったたわしだからといって、過大評価をしているつもりはない。本当に使いやすくてこれなら人にも勧められると確信した。
 ならば、体を洗うのにも十分使えるのではないか、と思って試してみた。

 

 結論から言えば、十分使える。水分を含むとすぐにクタッとするが、その上に石鹸をつけて体をごしごし洗ってみたところ、ゴワゴワした感じはほとんどんなく、タオルで洗うより気持ちがいい。時折スジっぽいところが当って「うん?」って気にはなったが、それも適度の刺激だと思えば、どうってことはない。使い終わったら、よく搾って浴室の隅に置いておけばいいのも手間いらずであり、実用的だ。


 私は最初に4個作っただけであるが、私のたわしを見て、父も同じ方法で作ってみると言いだした。だが、父が作り出すと圧倒的な量になる。まずは畑からありったけのへちまを持ち帰って来て、4つに切った。

 

 笑っちゃうほどたわしの原料が並んだが、これをまた畑に持ち帰って、大きな鍋で一度に10個ずつ煮たのだそうだ。20分煮てから皮を剥き、種をすべてとる・・、これを繰り返すのはかなり大変だったとこぼしていたが、顔は一仕事終えた充実感からか嬉しそうだった。で、その結果・・。


 まだまだ半分くらいか・・。
 しかし、これだけ作るとどこかに配らなくちゃいけない。それも大変だ・・・・。



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