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ヒーター

 熱帯魚を飼い始めて1ヵ月半が過ぎたが、一番最初に買ったモーリーがとうとう全滅してしまった。エサのやり過ぎで水質が悪くなり、バタバタと死んでしまって以来エサをやるのを少なくしたため、その後は一匹も死ぬことなく快調に泳ぎ回っていた。だが、先週末に唯一生き残っていたオレンジ色のモーリーの動きが目に見えて悪くなり、水底でじっとしていることが多くなってしまった。
「水が冷たくなったからかなあ・・」
と、オレンジモーリーを飼い慣らし始めていた妻は心配そうに言った。見れば他の魚たちの動きも緩慢になったようで、妻の見立てもあながち的外れでもないように思えた。
「じゃ、日曜にヒーターを買いに行こうか」
と話していたが、その日曜の朝水槽を見たら、モーリーが死んでいた・・・。
「間に合わなかったか・・」
と手遅れになったことを後悔したが、こうなったら他の魚たちを守ってやらねばならない。塾が終わったらすぐにヒーターを買いに行った。
 
 農協にある観賞魚売り場を仕切っているおじさんは魚に関してはなかなかの蘊蓄の持ち主で、一度語り出したら止まらない。その日も私が
「もうヒーターは要りますよね」
と尋ねたら、
「そうですね、熱帯魚の病気が起きやすいのは水温が20℃から25℃の間だと言われています。ヒーターを入れて27℃に設定すれば、ずっとその水温をキープしてくれるので、病気にかかることはなくなります。ヒーターは水槽の大きさに大きさにもよりますが、60cmの大きさなら200Wのものを買っていただければ間違いありません。このニッソーのヒーターがお勧めです」
と言いながら渡してくれたのがこの製品。


「それとですね、水温計も要ります。おうちの水槽の水温を計ることから始めて下さい」
この後、新しい熱帯魚を買おうかな、と思いながら売り場の水槽を眺めていたら、おじさんは、熱帯魚同士の相性、酸性の水を好む種類とアルカリ性の水を好む魚の種類、性格の荒い魚、熱帯魚の寿命・・、などなどいろんなことを教えてくれた。残念ながら聞きながらすぐに忘れてしまったのでここに書くことができないが、新しい熱帯魚を買うのはヒーターを入れて水槽の中が落ち着いてからにした方がいい、というアドバイスには従った。

 家に戻ってさっそく水温計を設置したら、水温が20℃だったのには驚いた。慌ててヒーターを水槽に入れて27℃にセットしたが、徐々に水温が上がっていくにつれ魚たちの動きが俊敏になってきた。
「熱帯魚っていうくらいだから冷たい水は苦手なんだろうね、やっぱり・・」
と妻は元気になった魚たちを見て、安堵したようだった。
 
 猫のチョボも動きが速くなった魚たちに驚いたようだった。


 このチョボも、何者かによって全身に受けた傷も治って家じゅうを走り回っている毎日であるが、先日予防接種の残りを打つため獣医に連れていったところ、めでたく「メス」であることが決定した。そうなると「お転婆娘」「じゃじゃ馬娘」という表現がぴったりな感じがしてくるが、冬になったら避妊手術を受けさせることになるだろう。
「メスの方がお金がかかるからイヤだな」
と妻は言っていたが、もう仕方ない、がんばって資金を貯めるしかない・・。

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