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62連勝

 横綱白鵬の強さは他の力士と次元が違う。そんなことを再認識した千秋楽だった。
 日馬富士が白鵬によもや勝てるとは思わなかったが、勝負事に絶対はあり得ない。ひょっとしたら、と白鵬が千代の富士の連勝記録を抜いてから毎日、「白鵬の連勝止まる!」という速報メールが届くのを密かに待ち続けた私ではあるから、把瑠都、琴欧洲と期待を裏切られても、やはり日馬富士に期待してしまう。だが、そんなわずかな望みも盤石な白鵬の前では、ただの泡でしかなかった・・。


 私はアンチ白鵬ではない。彼の相撲に対するひたむきな思いは他の誰よりも抜きんでたものであり、彼がいるから不祥事続きの大相撲を見ようという気持ちも起こってくるのだが、それでもやはり彼の連想記録を止める力士が出てきてほしいと望む者である。それだけにこの結果は決して喜ぶべきものはなかったのだが、表彰式での彼のインタビューを聞いていて、もうこのまま引退するまで勝ち続けていってほしいとさえ思うようになった。

「どうしてそんなに強いのですか?」
「自分は特別に力が強いわけではありません。運がよいだけです。しかし運は努力しなければついてきません。だから、自分は相撲ばかりでなく、いろいろ幅広く勉強し、精進・努力しています」

というような問答だったと思うが、これだけしっかりした考えを持った人間なら、谷風のもつ63連勝は当然のことながら、双葉山の伝説の記録、69連勝を超えることなど当り前だと思ってしまう。もちろん勝ち続けていけば様々なプレッシャーがかかって来て並大抵な苦労ではないと思うが、常に精進を怠らない白鵬であるからきっと軽々と超えてしまうと思う。来場所7日目、8日目が今から楽しみだ。なんとか歴史的瞬間を見たいと思うのだが・・。


 それにしても、やはり大関陣の不甲斐なさには苦言を呈さざるを得ないだろう。今や大関の地位を死守することが至上命題となっている魁皇を除けば、横綱を目指さねばならない素質を持った者たちなのに、勝ち越しがやっとの状況では、相撲が盛り上がるはずもない。把瑠都、琴欧洲など、どうして低迷しているのか理由が分からない。大関に昇進した頃のがむしゃらさをとり戻せば、白鵬を倒すことだってさほど難しくはないはずだ。この二人には、妙な反省などしなくていいから、とにかく勝つことだけを念頭に置いて稽古に励んでほしい。いくら白鵬が強いと言っても、このままでは面白くなさ過ぎる・・。

 あまりに弱い力士たちを見ていると、どうしても「朝青龍がいたらなあ・・」と思ってしまう。確かに彼が現役だったら白鵬の連勝記録もここまで伸びなかったように思うが、そんなことは思ってはならないことだ。来場所子こそ白鵬の記録を止める力士が現れてほしいものだ。






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