じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「おにたのぼうし」

2008-02-12 02:48:46 | Weblog
★ 節分から少々日がたってしまったが、「おにたのぼうし」を読んだ。この作品との出会いは生徒の読書感想文。発表から40年の月日を経て読み続けられているのは名作の証拠であろう。

★ 心優しい「おにのこおにた」の物語。おにたは人が困っていると見過ごすことができない。そっと見つからないように、助けの手を差しのべる。

★ しかし人間はそんなおにたの優しさに気づかない。そして節分が来ると豆まきをしておにたを追い出してしまう。人間に決して悪気はないが、優しく手を差しのべても報われない、そんなところはちょっぴりかわいそうだ。「ごんぎつね」にも通じるものがあるように思った。

★ おにたのすばらしいところは、人間に追い出されても決して人間を恨んだりしないことだ。「おににもいろいろあるのになぁ」と愚痴るだけで、次の住みか探しへ。

★ 話はとても心温まるものだが、岩崎ちひろさんの挿絵は圧巻だ。この絵の説得力には驚くばかりだ。

★ 更に驚いたのは、小学生の読書感想文の内容が原作の枠を超え、彼女自身の中で大きく広がっていることだ。良い作品は読者の中で成長するんだなぁと感心した。
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