じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

上田秋成「二世の縁」

2019-05-21 15:58:07 | Weblog
★ 京都新聞に「村上春樹さん特別インタビュー」と題する連載記事があった。村上文学40年の歩みを追いながら、創作裏話を披露するようなものだった。

★ その中で「騎士団長殺し」には上田秋成の「二世の縁」のモチーフが織り込められているとあったので読んでみた。

★ ある人、たぶんそこそこ豊かな農家の主人が、虫の音の中に鉦の音を聞き、その音源となる地中を掘り返せば即身仏のミイラが出てきた。男がそのミイラを手厚く介護すると、人として再生したという。さぞ高名な僧だと思い、いきさつを聞こうとするが何も覚えていないという。遂には凡夫として妻をめとったという話。

★ 後生を期するよりも現世利益。肉欲、肉体あっての人間。仏教批判ともとれるが、民話や伝奇ものにありそうな話。民俗学やレヴィ・ストローズなどを研究している人は一言あるかな。

★ 気味の悪い話だが、ミイラを復活させるところにはユーモアを感じる。本当に即身仏だったのだろうか。エイリアンではないのかとも思えた。ドラマ「SPEC」で北村一樹さん演じる刑事がフリーズドライから復活していたなぁ。
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