★ 村上春樹さんの「1Q84」(新潮文庫)、BOOK3の後編を読んだ。文庫本にして6冊、結構な分量だった。文章としては読みやすかった。
★ 筋は単純で、それぞれ心に重荷を抱えている小学生の男女がお互いに魅かれながらも離れ離れになってしまう。それから20年を経て、再開するというものだ。
★ これだけなら何てことはないのだが、男性(天吾)、女性(青豆)それぞれにドラマがある。一つ一つのエピソードを紡いでいけば完成する織物のような作品ともいえる。
★ 「証人会」「さきがけ」など実在する新興宗教団体が暗示されている。
★ 「空気さなぎ」に代表されるファンタジー的(あるいは形而上的)な物語と現実的なドラマが交錯している。これもまたパラレルワールドを感じさせる。
★ 天吾の母親の乳房を吸っていた男は誰なのか、天吾は本当にNHK集金人の父親の子なのか、「ふかえり」は結局何者で、どこに姿を消したのか、など曖昧なまま終わっている。リトル・ピープルとは何者なのか。それらはメインストーリーが進むにつれてグラデーションのように消えていく。
★ 天吾、青豆、そして牛河という3者の物語を通して作品を形づくっていくというのは、実験的な「小説作法」のように感じた。
★ 結局、元の世界に戻ったのか、それとも違うパラレルワールドに入り込んでしまったのか。あとは読者に委ねられている。
★ 筋は単純で、それぞれ心に重荷を抱えている小学生の男女がお互いに魅かれながらも離れ離れになってしまう。それから20年を経て、再開するというものだ。
★ これだけなら何てことはないのだが、男性(天吾)、女性(青豆)それぞれにドラマがある。一つ一つのエピソードを紡いでいけば完成する織物のような作品ともいえる。
★ 「証人会」「さきがけ」など実在する新興宗教団体が暗示されている。
★ 「空気さなぎ」に代表されるファンタジー的(あるいは形而上的)な物語と現実的なドラマが交錯している。これもまたパラレルワールドを感じさせる。
★ 天吾の母親の乳房を吸っていた男は誰なのか、天吾は本当にNHK集金人の父親の子なのか、「ふかえり」は結局何者で、どこに姿を消したのか、など曖昧なまま終わっている。リトル・ピープルとは何者なのか。それらはメインストーリーが進むにつれてグラデーションのように消えていく。
★ 天吾、青豆、そして牛河という3者の物語を通して作品を形づくっていくというのは、実験的な「小説作法」のように感じた。
★ 結局、元の世界に戻ったのか、それとも違うパラレルワールドに入り込んでしまったのか。あとは読者に委ねられている。