じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

ゴーゴリ「鼻」

2019-05-23 18:30:47 | Weblog
★ ゴーゴリ「外套・鼻」(平井肇訳 岩波文庫)から「鼻」を読んだ。これも超現実的な作品。

★ ある理髪師が朝食のパンを食べようとしたら、中から鼻が出てきた。どうやら知り合いの役人の鼻らしい。こんなもの持っていちゃまずいと捨てに行ったのだが警官に捕まってしまった。

★ 一方、その役人は目覚めて鼻がないことを知る。ふと、(自分の)鼻が自分より高官の身なりで人のように動き回っているのを見かける。話しかけるがどうもうまく通じず、鼻は立ち去ってしまった。

★ しばらくして鼻は見つかり(先の警官が届けてくれた)、元の場所に戻そうとするのだが。

★ 落語のようなユーモアあふれる作品だった。「鼻」は何かの象徴なのだろうか。
コメント (2)

円城塔「オブ・ザ・ベースボール」

2019-05-23 17:22:21 | Weblog
★ 円城塔さんの「オブ・ザ・ベースボール」(文春文庫)を読んだ。

★ ほぼ1年に1度(確率的には)人が降ってくる町。そこに流れ着いた主人公が、レスキュー隊(なぜか9人で、なぜかユニフォーム、そしてなぜかバットを持っている)の4番バッターとなり、いつ降ってくるかもしれない人を助ける(?)べく、日夜努力しているという話。

★ そもそもなぜ人が降ってくるのか、そこがわからない。どうもすっきりしないが、考えてみれば「人はなぜ生きるのか」も結局は一人ひとりの考え方で、誰にも共通するような公理はない。「実存は本質に先立つ」って感じだ。

★ わかろう、理解しようとすると睡魔が襲う。あるがまま受け入れて、感じる(例えば、わからない、難解だ、つまらない)ことが大切なのだろう。どう感じるかは読者の自由。
コメント