★ 増田忠則さんの「三つの悪夢と階段室の女王」(双葉社)から「マグノリア通り、曇り」を読んだ。この作品は2013年、第35回小説推理新人賞受賞作だという。なかなかよくできた作品だったと思う。
★ 「娘さんを預かりました」と男から電話があった。主人公(斉木という)の小学3年生の娘が誘拐されたのだ。男は斉木にマグノリア通りに来るように要求する。狙いは身代金ではないらしい。
★ 斉木が要求通りマグノリア通りへ行くと、男はビルの屋上におり、「飛べ」「死ね」とヤジが飛べば、飛び降りるという。男が飛び降りてしまえば、監禁されている娘の居場所がわからなくなってしまう。
★ 異様な雰囲気を感じて、やじ馬が集まってきた。心無いヤジが始まった。やがてそれはうねりとなる。もはや斉木の叫びも警官の制止もそれを止めることができない。男は斉木にさらに理不尽な要求をする。斉木は犯人の要求に従うのか、そして娘は無事に救出されるのか。
★ 犯人の動機がイマイチわからないが、電話を通して斉木と話す男の声は、まるで悪魔のささやきのようだ。斉木を含む群集への恨みが動機なのか。
★ 自分勝手な理不尽な犯罪だが、もし私が斉木の立場だったらと思うと、背筋が寒くなる。「悪魔」に選ばれないことを祈るばかりだ。
★ 「娘さんを預かりました」と男から電話があった。主人公(斉木という)の小学3年生の娘が誘拐されたのだ。男は斉木にマグノリア通りに来るように要求する。狙いは身代金ではないらしい。
★ 斉木が要求通りマグノリア通りへ行くと、男はビルの屋上におり、「飛べ」「死ね」とヤジが飛べば、飛び降りるという。男が飛び降りてしまえば、監禁されている娘の居場所がわからなくなってしまう。
★ 異様な雰囲気を感じて、やじ馬が集まってきた。心無いヤジが始まった。やがてそれはうねりとなる。もはや斉木の叫びも警官の制止もそれを止めることができない。男は斉木にさらに理不尽な要求をする。斉木は犯人の要求に従うのか、そして娘は無事に救出されるのか。
★ 犯人の動機がイマイチわからないが、電話を通して斉木と話す男の声は、まるで悪魔のささやきのようだ。斉木を含む群集への恨みが動機なのか。
★ 自分勝手な理不尽な犯罪だが、もし私が斉木の立場だったらと思うと、背筋が寒くなる。「悪魔」に選ばれないことを祈るばかりだ。